考えてみたら変な漫画の描き方してるなあと思う。
『ゴー宣』『戦争論』シリーズも確実に漫画なんだが、
漫画界の中では超異端と見られている。
漫画と思われていないかもしれない。
今描いてる例の大作はフィクションなので、
間違いなく漫画だ。
だが、一般の漫画誌に連載していたわけではなく、
後半は描き下ろしで描いて単行本にしようとしている。
描き下ろしの利点は一話、一話のページ数を
自由に決めることができることだ。
これは作家にとってストレスが少なくていい。
締め切りも自分で設定できるから、体調が良ければ
ガンガン進むし、体調が悪い間は描かなけりゃいい。
雑誌連載でない描き方は、わしに合ってる。
だがそんな作品が売れるのかどうかは全然わからない。
原稿料が出るわけじゃないから、単行本で売れなきゃ、
大赤字になる。
リスクが大きいのだ。
けれども雑誌連載で食っていくためには、
一本のヒット作を何十年も続けていかなければ
ならない。
それはわしには無理だ。飽きてしまう。
別の漫画が描きたくなる。
自分の自由度を確保して、自分の描きたい
作品だけを描く。
異端なのかもしれないが、確実に支持してくれる
読者がいるのだから、これでいいのだろう。
今描いてる例の大作は、『ゴー宣』シリーズでは
ないのに、「SAPIO」編集部がこれを
完成させてほしい、単行本として
出したいと言う。
「SAPIO」編集部が言わなかったら、わしは
放り出したままだったと思うので、これが売れたら
彼らの目が慧眼だったということになる。
作品を生み出すうえで、編集者の影響って、
やっぱり大きくて、動機を与えてくれる
場合だってあるのだ。
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小林よしのりライジング
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