サリドマイド事件からは半世紀以上、薬害エイズ事件からは30年以上が経ちました。薬害は人々の記憶から薄れ、遠い過去となっているかのようです。仮にコロナワクチンの訴訟が提起されたときの困難さを想像すると、暗澹たる思いになります。薬害エイズ事件とて、すぐ薬害認定がされたわけではないし、帝京大ルートにおいては被告人安部英の死亡により控訴棄却(一審は無罪)とされています。関係者の死亡、資料の散逸、その他検証のための様々な要素が櫛の歯のように欠けていき、やがて真実は闇の中に沈んでいく。第一、30代以下は事件そのものを知らないでしょう。 <非加熱製剤は,クリオ製剤と比較すると,止血効果に優れ,夾雑タンパク等による副作用が少なく,自己注射療法に適する等の長所があり,同療法の普及と相まって,血友病患者の出血の後遺症を防止し,その生活を飛躍的に向上させるものと評価されていた。これに対し,非加熱製剤に代えてクリオ製剤を用いるときなどには,血友病の治療に少なからぬ支障を生ずる等の問題があった。このため,本件当時,我が国の大多数の血友病専門医は,各種の事情を比較衡量した結果として,血友病患者の通常の出血に対し非加熱製剤を投与していた。この治療方針は,帝京大学病院に固有の情報が広く知られるようになった後も,加熱製剤の承認供給に至るまで,基本的に変わることがなかった。こうした当時の実情に照らせば,被告人が非加熱製剤の投与を原則的に中止しなかったことに結果回避義務違反があったと評価することはできない。> これは平成13年の安部英無罪判決文の一部です。薬害エイズほどの事件でも、当時の専門家の間では非加熱製剤の処方が当たり前だったから仕方がなかったじゃないかと言われるのです。今も同じですよ。コロナでたくさん死んでいる、ワクチンを打つのは当たり前であるという専門家が世界的にも多いのだから、その中で結果回避なんて出来なかったって言われるのが目に見えています。
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小林よしのりチャンネル
(ID:19522841)
サリドマイド事件からは半世紀以上、薬害エイズ事件からは30年以上が経ちました。薬害は人々の記憶から薄れ、遠い過去となっているかのようです。仮にコロナワクチンの訴訟が提起されたときの困難さを想像すると、暗澹たる思いになります。薬害エイズ事件とて、すぐ薬害認定がされたわけではないし、帝京大ルートにおいては被告人安部英の死亡により控訴棄却(一審は無罪)とされています。関係者の死亡、資料の散逸、その他検証のための様々な要素が櫛の歯のように欠けていき、やがて真実は闇の中に沈んでいく。第一、30代以下は事件そのものを知らないでしょう。
<非加熱製剤は,クリオ製剤と比較すると,止血効果に優れ,夾雑タンパク等による副作用が少なく,自己注射療法に適する等の長所があり,同療法の普及と相まって,血友病患者の出血の後遺症を防止し,その生活を飛躍的に向上させるものと評価されていた。これに対し,非加熱製剤に代えてクリオ製剤を用いるときなどには,血友病の治療に少なからぬ支障を生ずる等の問題があった。このため,本件当時,我が国の大多数の血友病専門医は,各種の事情を比較衡量した結果として,血友病患者の通常の出血に対し非加熱製剤を投与していた。この治療方針は,帝京大学病院に固有の情報が広く知られるようになった後も,加熱製剤の承認供給に至るまで,基本的に変わることがなかった。こうした当時の実情に照らせば,被告人が非加熱製剤の投与を原則的に中止しなかったことに結果回避義務違反があったと評価することはできない。>
これは平成13年の安部英無罪判決文の一部です。薬害エイズほどの事件でも、当時の専門家の間では非加熱製剤の処方が当たり前だったから仕方がなかったじゃないかと言われるのです。今も同じですよ。コロナでたくさん死んでいる、ワクチンを打つのは当たり前であるという専門家が世界的にも多いのだから、その中で結果回避なんて出来なかったって言われるのが目に見えています。