小林よしのりライジング

高森氏の新書は「生前退位」に関する論考の到達点

2016/12/02 14:30 投稿

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高森明勅氏の『天皇「生前退位」の真実』を読んでいる。
ゲラで読んだのは、わしが描いている『天皇論 平成29年』
に間違いがないかを確かめるために、ざっと流し読みした
だけだった。
細部まで熟読するのはやっぱり本になってからの方がいい。 

ここまで「生前退位」の問題点を整理できて、順を追って
正確に説明していくためには、憲法も、皇室典範も、
皇室の歴史も、皇室関連の学者や研究者や評論家の論考も、
将来の皇室のシミュレーションも、すべてを網羅して
自分の脳内で整理しておかねばならない。
ここまでやれる者は他にいないだろう。 

今後、「生前退位」についての論考を他に書く学者が
現れたとしても、絶対にその論考には瑕疵がある。
高森明勅氏のこの新書は到達点であるから、これ以上の
論点や解釈はあり得ない。 

ましてや男系固執派、つまり有識者会議に呼ばれている
者たちが、「生前退位」についての論考を書いたら、
ほとんどお笑い並みの、欠陥だらけの本になるに違いない。 

有識者というなら、高森氏を呼ばないのは絶対にあり得ない。

さて、そこで、わしの『天皇論 平成29年』である。
これは高森氏が行った制度に関する厳密な論考は
あらかじめ捨てている。
漫画に向かないのだ。
わしが描いている作品は、徹底的に庶民の情を揺さぶる
皇室の真相であり、皇室と国民の関わり方の話であり、
国民にとっての天皇の意義の問いかけである。 

高森氏が「論理」で、わしが「情念」で、皇室を守るため
には、なかなか強力なタッグだと思う。

 

 

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