読者にも指摘されたが、今になってみると『天皇論』も
甘かったと思う。
そもそも万世一系・男系と書いていたし、人徳よりも
血統を重んじる描き方をしていたようだ。
なんといっても、わしが初めて天皇というテーマに挑戦した
作品だ。
初めてだから描ける表現方法もあるし、多くの読者を覚醒
させることが出来た。
そして、今上陛下の即位20周年の式典や、宮中御茶会に
招かれたのも、この『天皇論』のおかげである。
だが、知識と経験の積み重ねは、もっと深く天皇を思想
できる地点までわしを成長させた。
特に今上陛下の即位から今までを見てきたことは大きい。
一代の天皇をまるごと見てきて、陛下への敬意が徐々に
徐々に深まってきたし、今ならもっと凄い天皇論が描ける。
来年になるが、次の『ゴー宣special』は、今の思想的な
深さを反映した本にしたい。
本来なら、小学館から出した『天皇論』も描きなおして
出版しなおしたいくらいだ。
「増補版」というのだろうか?
だが、この出版不況の中で、小学館も増補版なんか
出してくれないだろう。
小学館が無理なら、どこか他の出版社を見つけて、
出し直したいくらいだ。
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