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道州制: 何が問題なのか

2013/05/20 22:00 投稿

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2013年2月 3日 (日)
http://wondrousjapanforever.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-4d2b.html#entry-76385678

昨日の記事のコメント欄で、道州制の何が問題なのか質問を戴きました。 回答した内容を記事として改めて掲載しておきます。
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90年代以降の日本の問題点は何だったでしょうか。どうしてかつては存在した「瑞穂の国にふさわしい資本主義」が破壊されて、「ウォール街から世間を席巻した、強欲を原動力とするような資本主義」が導入されてしまったのでしょうか。

それは、90年代以降、アメリカの圧力に押され、また、新自由主義という考え方に基づいて、「規制緩和」や「行財政改革」や「金融ビッグバン」や「構造改革」によって、国家の機能や障壁をできるだけ弱め、社会や経済の仕組みを「グローバル化」させてきたことと密接な関係があります。

道州制はTPPと同じく、中央政府の機能を弱めて、国家間の障壁を取り除く「グローバル化」の究極のものです。日本の国をいくつかの州に分けて、州政府を持たせ、それぞれの州が独立国のように振る舞う。日本をアメリカや中国のような連邦国家に変えるのが道州制です。

日本の各地域が州として独立することにより、国際資本や多国籍企業が、各州に直接投資をしたり、経済に参入しやすくなります。つまり各州と国際社会が、国家の障壁を飛び越えて、直接のパイプで結ばれるようになります。しかし、逆の面として、国際資本、つまり「強欲を原動力とするような資本主義」の直接の影響下に各州が置かれるということも意味します。「強欲を原動力とするような資本主義」を規制するのは、本来は中央政府の大切な役割ですが、中央政府の機能は道州制では弱められてしまいますから、道州制の下では、各州は、経済合理性のみに基づいて国際資本によって自在に改造されていくことになります。

現在の都道府県制は、奈良時代からの令制国という古い地域区分に基づいており、長い歴史と伝統に裏打ちされたものですが、道州制では、各都道府県のもつ伝統や文化や特色は弱められ、やがて消滅していくことでしょう。

また自民党は、「30万人の外国人留学生の受け入れと生活及び就職支援」という実質的な移民政策を公約として掲げていますが、これが道州制が結びつくとどうなるでしょうか。仮に、特定の州に、中国からの移民が、集中的に住み着くとします。その移民が家族や子どもを増やしていきます。将来その中華系の移民たちが州の中で大きな発言力を得るようになり、「我が州は今後、中華連邦に帰属する」と分離独立を宣言することになっても、中央政府はどうすることもできなくなります。特に、沖縄が、このような危険に晒される危険が大きい。沖縄が州として独立すれば、沖縄の奪還をねらっている中国にやがて併合されていく危険性は現在以上に高まっていきます。

昨今、外国人参政権が問題となってきましたが、特定の州の州政府が、外国人に参政権を認める道を選んでも、他の州に属する日本人はどうすることもできなくなります。

戦後の国政を見れば明らかなことですが、日本の政治家は簡単に外国勢力に籠絡されます。これが州単位で起きれば、ある州は、中国の勢力下に置かれ、ある州は韓国や北朝鮮の勢力下に、ある州はロシア、ある州はアメリカというように、外国勢力によって日本が分断され間接統治されるような事態も容易に想像することができます。

中国や韓国のように日本に敵対的な国の資本が、日本の各州に直接参入しやすくなれば、仮にそれらの資本が日本の森林や水資源を戦略的に買い占めるようなことが起きても、中央政府は何も規制をかけられなくなります。

アジア情勢は今後ますます緊迫化し、中国の脅威や、北朝鮮の脅威が高まっていきますが、国防は国家の大切な役割です。国が一つになって、これらの脅威に対峙していかなくてはならないときに、国がばらばらの州に分離されて、中央政府の機能が弱められてしまったときに、力強く対処していくことはできるでしょうか。

近い将来、首都圏直下型地震、東海地震、東南海地震、南海地震が起きることが予想されていますが、巨大な災害に対応できるのは中央政府しかありません。日本のように自然災害の多い国が、中央政府の機能が弱められ、なおかつ、ばらばらの独立した州に分断されてしまっては、今後、被災地域を、日本の残りの地域が支えることもやりにくくなります。

また道州制が特に危険なのは、それがTPPとセットになるときです。そして、実際にこの二つは、グローバル化という同じ方向性を目指すものでありセットで構想されている可能性が極めて高い。その証拠に、道州制に賛成している政党や人々のほとんどすべては、条件付きですが、TPP参加も同時に公約にかかかげています。安倍政権が道州制を推進するということは、将来、TPPも推進する可能性が極めて高いことを意味しています。道州制を導入して、しかも、TPPに参加した場合、日本の個々の州は、日本連邦ではなく、実質的には、TPP連邦の中に直接組み込まれることになります。TPP連邦とは、実質的には、企業連合体によって透明化し拡大したアメリカ連邦です。つまり、日本の分断された各地域が、直接アメリカ連邦に組み込まれていくということを意味します。移民も完全に自由化されますから、日本の国柄もやがて消滅し、日本人が伝統的に培ってきた文化的な「強み」も失われていくことになります。道州制とTPPの二つが組合わさることによって、実質的に「日本」という国が消え去り、アメリカに吸収、併合されることになります。

現在、ユーロの失敗や、アメリカの金融工学の失敗を経て、グローバリズムの問題点が浮き彫りになり、再び、国家の機能や障壁を高めていく方向に、世界は舵を切りつつあります。例えばイギリスではEUを離脱しようする声が大きくなり、アメリカのテキサス州でも、アメリカ連邦から分離独立しようという動きも活発になっています。世界は再び多極化の方向に向かって動き始めています。私たちの日本も、格差社会の進行やデフレの悪化を通して、グローバリズムの危険性や、国民国家や、国民経済を樹立し守っていくことの大切さを改めて学んだはずです。

安倍氏が本当に「瑞穂の国にふさわしい資本主義」を取り戻そうとするならば、道州制というグルーバリズムに迎合するような新自由主義的政策ではなく、中央政府の役割を強め、国家の機能と障壁を高める正逆の方向に進んでいかなくてはならないはずです。国家の働きを弱め、日本を州に分断し、日本の各地域を、国際資本や外国勢力に直接差し出してしまうのでは、日本はこれまで以上に「強欲を原動力とするような資本主義」の餌食となり、結果的には「戦後レジームから脱却」したり、「日本をとりもどす」どころか、「美しい日本」そのものが消滅してしまうことは、手に取るように明らかです。

道州制については、京都大学の藤井聡先生やTPPで有名な中野剛志さんがわかりやすく問題点を語っていらっしゃいますので、ごらんください。

https://www.youtube.com/watch?v=tbuCE1enqiw
https://www.youtube.com/watch?v=KB4f6p_q5Ac
https://www.youtube.com/watch?v=bCALxfxePGk
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上の道州制についての説明を読んだ後、もう一度、最近、増補された安倍晋三氏の本、『新しい国へ 美しい国へ 完全版』の中の道州制に関するくだりを読んでみてください。私がなぜ怒っているのか、きっとお解りいただけると思います。


「瑞穂の国の資本主義」

特に総理を辞めてからの五年間、公園やミニ集会などで地方の窮状を実感する機会が数多くありました。例えば私の地元である山陰地方の場合、新幹線もなければ高速道路もない。人件費は東京に比べれば安いですが、中国のミャンマーなどに比べれば高い。つまり企業を誘致しようにも来てくれないのです。

しかしながら、日中関係が不安定な中で、日本の地方に眠る質の高い労働力に注目が集まりつつあります。交通や道路などのインフラを整備し、国内におけるヒト・モノ・カネの移動の速度を上げることで、こうした国内資産を活用できるはずです。

あるいは、私の地元や九州の場合、地理的な距離でいえば、東京よりも中国の都市の方が近い。場合によっては日本の高品質な農産物の中国への輸出、労働力の交流も直接行った方が双方に利益があるかもしれません。

私は長期的には、東京一極集中を解消して道州制を導入すべきだろうと考えています。日本を十ぐらいのブロックに分けて、そこに中央政府から人を移して、州政府のようなものをつくり、その下に基礎自治体が有るイメージです。そうすることで、いちいち中央を通さなくても、各州が独自の判断でスピーディに動くことができる。東京だけでなく、日本全体が活力を取り戻さない限り、日本の再生はありえないと私は考えています。

日本という国は古来、朝早く起きて、汗を流して田畑を耕し、水を分かち合いながら、秋になれば天皇家を中心に五穀豊穣を祈ってきた、「瑞穂の国」であります。

自立自助を基本とし、不幸にして誰かが病に倒れれば、村の人たちみんなでこれを助ける。これが日本古来の社会保障であり、日本人のDNAに組み込まれているものです。

私は瑞穂の国には、瑞穂の国にふさわしい資本主義があるのだろうと思っています。自由な競争と開かれた経済を重視しつつ、しかし、ウォール街から世間を席巻した、強欲を原動力とするような資本主義ではなく、道義を重んじ、真の豊かさを知る、瑞穂の国には、瑞穂の国にふさわしい市場主義の形があります。

安倍家のルーツは長門市、かつての油谷町です。そこには棚田があります。日本海に面していて、水を張っているときは、ひとつひとつの棚田に月が映り、遠くの漁火が映り、それは息をのむほど美しい。

棚田は労働生産性も低く、経済合理性からすればナンセンスかもしれません。しかしこの美しい棚田があってこそ、私の故郷なのです。そして、その田園風景があってこそ、麗しい日本ではないかと思います。

市場主義の中で、伝統、文化、地域が重んじられる、瑞穂の国にふさわしい経済の有り方を考えていきたいと思います。


みなさん、これを読んで、彼の矛盾にお気づきになりませんか? 「瑞穂の国にふさわしい資本主義」が、どうして「道州制」で可能なのでしょうか?

各州が外国資本や外国勢力の影響下に直接置かれてしまう、「道州制」では、「瑞穂の国にふさわしい資本主義」は、根底から破壊されてしまいます。

「道州制」で可能になるのは、「ウォール街から世間を席巻した、強欲を原動力とするような資本主義」の方であり、また外国による直接また間接の侵略を容易に招いてしまう恐れがあります。

安倍氏は、このような矛盾に気づかず、ついうっかりこのような売国的な政策を織り込んでしまったのでしょうか。

それとも、道州制の意味を十分に知りつつ、意図してこのような政策を織り込んだのでしょうか。

不可解なのは、なぜ、明らかな新自由主義の立場に立つこの政治家を、愛国・保守の権化であるかのごとく過剰に神格化し、煽動した人たちがいたのかということです。

誤解によってなされたものなのか、意図的になされたものなのか、どちらでしょうか。

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