科学者のニュースの読み方

「正義は勝つ」教育を受けて信じ続ける大人たち『科学者のニュースの読み方』vol.44

2013/09/11 18:00 投稿

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『科学者のニュースの読み方』vol.44
■「正義は勝つ」教育を受けて信じ続ける大人たち

 筆者も小さい頃は「ナントカレンジャー」みたいな、ヒーローが悪者をやっつける番組を好んで見ていました。ところが自称おっさんというほど年をとった今になって思うのは、こういった正義のヒーローたちは困っている人を助けるとか、悪巧みしている奴をやっつけるとかいう具合に目に見えてわかりやすい範囲での道徳的な行動をとっているように見えて、実はこれは人気商売故の宣伝用の態度だなということ。例えるなら、恋人がいようがいまいがいないことにしているアイドルのような。もちろん映像作品ですから見ただけでわかりやすくないと面白くないので仕方ないのですけど。
 ヒーローは悪い奴が現れれば急行し、戦い、必ず勝利します。しかし勝利した要因は何でしょうか。冷静な大人ならばほぼ全員が「異常に強いから」と答えるでしょう。しかし子供は必ずしもそうではないかもしれません。「強いから」と答える子がいる一方で、「いい人だから」「優しいから」「正義だから」と答える子が少なからずいるはずです。「正義は必ず勝つ」という本当は関係がないのだけど関係があるような構図で描かれたそれをそのまま鵜呑みにすると、現実との違いに気づくのが遅れます。

 現実ではビジネスチャンスを掴んで利益をあげた者が勝ち、ただ与えられたものを受け入れているだけの者は負けます。勝っているのは大局が見え、戦略をたてられ、実行する度胸がある者です。勝っているのは強い者であって、正義かどうかはわかりません。
 故スティーブ・ジョブズはアップル社をたちあげるとき、音楽を生業としていた既存のアップル社と社名の重複でもめたとき、「うちは音楽はやらないから」と言ってその場をやりすごし、数年後iTunesを流行らせたといいます。いまや最もメジャーなオフィススイートであるMicrosoft Officも、アップル社のソフトのパクりだという話もあります。第二次世界大戦に勝利したアメリカがとった手段は原子爆弾という非道な武器でした。勝者は必ずしも道徳的な立ち振る舞いをしてきたわけではありません。

 最近筆者がネット住民に対して残念に思うのが、正義を掲げただけで勝ったつもりでいる、正直で真っ直ぐな子供心の抜けない例。
 例えば、飲食店で不衛生なことをした学生の炎上騒ぎが発端で、閉店に追い込まれた店と賠償を迫られている学生の件。正義ぶった叩き屋たちは悪いことをした学生を叩きのめしましたが、同時に不衛生な店の烙印を押して広められてしまった店主も追い詰められました。結果的に、誰も救われていませんし、誰も勝っていません。
 例えば、原子力発電の再稼動を頑なに拒んでいる人たちの件。一見惨事を二度と起こすまいという善行のように見えて実際はただの保留と問題の先送りにすぎず、危険性は変わっていない上に、年間4兆円の国の出費を生み出しています。誰も救われないどころか、後世に危険を残したままです。

 もちろんおおよその事象では正義が勝つものですが、それは邪道で勝ってはいけないルールに従っただけだったり、合理性を追求したら王道に収束したりという結果論で、勝因は正義ではないのですよね。筆者が遅れ気味に単行本で読んでいる人気の漫画「ワンピース」にある台詞に「勝ったほうが正義」というフレーズがあり、そのとおりだなと納得してみたり。

 相関と因果は意味が違いますよ、という結言でまとめておきましょう。

コメント

イワ師
No.1 (2017/06/26 21:18)
ヒーローがかつ理由?
主人公ゆえに補正が付いてるからに決まってる。
某異能力系マンガでは、最強に近い奴が「あいつはこの物語の主人公だから私は勝てない」と言って退くシーンはすごく印象的だった。
イワ師
No.2 (2017/06/26 21:21)
勝てば官軍負ければ賊軍
勝った方が正義
どんな手を使おうが…最終的に、勝てば良かろうなのだァァァァッ!
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