科学者のニュースの読み方

なぜ再生可能エネルギーは人類を支えられないか『科学者のニュースの読み方』vol.37

2013/07/24 07:00 投稿

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『科学者のニュースの読み方』vol.37
■なぜ再生可能エネルギーは人類を支えられないか

【修正】 7月24日午後3時50分
計算が誤っており数値を修正しました。全体の話に変化はありません。

 石油は生命誕生以来40億年もの時をかけて、惑星のもつ潜在的なエネルギーと太陽から降り注ぐエネルギーが集まって生み出された、エネルギーが高濃度に凝縮された天然資源で、再生可能エネルギーです。
 人類がこれらを本格的に利用し始めたのは1859年に初めて機械掘りされた石油。現在の2013年までたったの154年しか経っていません。40億年かけて蓄積した惑星と恒星がつくりだした濃縮されたエネルギーである石油は約2兆バレル(1バレル=159リットル)あったと見込まれています。これは可採量や確認量ではなく、地球に存在する全量の推定値です。わずか154年でそのうちどれだけ使ってしまったかというと、約1兆バレル。つまり既に半分ほど使ってしまったんですね。単純に割り算してみると、人類はここ154年平均で1年あたりおよそ1300万年相当かけて地球が蓄えた石油を使ったことになります。この事実を言い換えると、現代文明は地球が蓄積できるエネルギーの1300万倍のエネルギーに支えられていることになります。
 非常にスケールの大きい概算ですが、細かいことをいちいち修正して少なく見積もったとしてもとんでもない倍率なのは変わりませんね。もう一度確認しておくと、この膨大なエネルギーは地球と太陽という自然由来なものであって、億年という単位をかければ元に戻る再生可能エネルギーです。例えば日本はエネルギー消費のうち発電が25%で、そのうち10%が自然エネルギーならいいとして、それでも年間にして33万年相当。33万年がどれくらいの長さかわからない人のために参考値を書いておくと、原人が誕生したのが50万年前、新人が誕生したのが20万年前。ここまで知って、年間で33万年ぶんの自然エネルギー由来の発電ができるというヒト科の生物が目の前にいたら、筆者なら失笑してしまいます。

 結論すると、スケールの桁が違いすぎるんですね。現代の文明は何十億年ものエネルギーが濃縮された石油や天然ガスに支えられているわけです。ビックマックすら、その3.75倍のエネルギーがかかって作られています。これをリアルタイムで賄おうものならとんでもない文明退化を容認しなければいけません。それはすなわち、具体的には154年前。日本だと江戸時代です。

 なお水力発電は例外的で、滝が高密度なエネルギーなので発電するにあたって現代文明を支えるのに十分だったりします。筆者は、滝と同じ理屈で設置するだけで風を集める方法があれば風力発電も十分文明を支えられるエネルギー密度になると思うのですが、どうでしょう。

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