科学者のニュースの読み方

堀江さんと川上さんのTwitter討論を読んで『科学者のニュースの読み方』vol.33

2013/07/10 06:00 投稿

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『科学者のニュースの読み方』vol.33
■堀江さんと川上さんのTwitter討論を読んで

 今回の話題は「七夕の夜、かわんご氏と堀江氏が起業や解雇についてアツい議論」です。筆者の解釈を含む内容になっているので、その点ご注意ください。

 堀江さんは生粋の努力家なので見えたビジネスチャンスはとりあえずやってみようとするし、やれてしまう。彼にとって起業は容易なのでそれは一般的な選択肢と捉えているんですよね。一方で川上さんは、ほとんどの人はビジネスチャンスを見出すとか起業で成功するのは現実的に非常にハードルの高いことだと考えているので、これを推奨しない。
 筆者はどちらも正しいと思うんですよ。チャンスを見出したり実行に移すことは努力のたまものだと思うし、一方でほとんどどころかまったくできない下っ端属性が人間の大半であることも確か。アイデアが出る確率、実行に移す準備が整う確率、成功する確率を掛け算することを考えると、高い人はいるけどわずかだし、概算するまでもなく絶望できるような人もいる。

 まずは堀江さんのスタンスから。
 これらの確率を高めるための近道なのが、好きなことをすることなんですね。「こんなものがあったらいいのに」から始まり、「そのためにはどうしたらいいかな」と準備を考えるステップに移る。これらの推進力は興味や好奇心だから、それに素直に従えばいい。それをやらないのはただの怠慢にすら見える。夏野さんがおサイフケータイを作ったのも、ジョブズがiPhoneを作ったのも、自身が欲しいと思ったことから始まったというのはわかりやすい典型例です。
 飯代を稼ぐだけで精一杯で好きなことをする余裕がない人は一見詰んでいることになります。そんな人本当にいるのかと筆者は思いますが、一応、堀江さんが言うには仕事を辞めて友人や家族の世話になることはできるだろと。実際友人の家を転々とし、友人に借金を重ねながら成功を目指して転んでは立ち上がりを繰り返している人を知っているので、可能でしょう。

 これに対し、そんなことは簡単にできないという川上さんのスタンス。
 失敗が続けば信望が落ち、人にすがることを続けていけなくなる。こうなるともう完全な詰み。自己破産や生活保護はセーフティネットであると同時に失敗者の烙印という意味でもあるのでこれの世話にはなりたくないんですね。堀江さんのような心も実力も強い限られた人だけが起業や雇用者をやればいいと。ちなみに川上さんはハイリスクノーリターンと言っていて、さすがにノーリターンは誇張だと思いますが雇用者側に立つことのリスクの高さは当然ご存じ。
 そこで発想は、こういう下っ端属性でいるのが事実上唯一な選択肢という大多数の人の立場に立ち、解雇規制の緩和は生活を奪われかねない恐ろしいことなのでよくないという方向へ移ります。給料に見合う仕事ができない人は解雇するのではなく、減給しやすくするだけでいいと。

 ここまでまとめて、筆者は両方同意でいいと考えました。経営者がリスクをとっていないかのように妄想して格差を嘆くのは筋違いも甚だしいというのは両者の共通見解のようだからです。責任の重さが、それは金額に表すことができますが、雇用者と被雇用者では桁が違うということを理解しないといけません。被雇用者であるあなたの10倍稼いでいる人は、あなたの10倍仕事ができる被雇用者か、失敗したときの損失が10倍高い雇用者のはずですよと。

 捕捉程度にですが、筆者は解雇規制緩和は賛成です。これの趣旨は人材の流動化と言われていますが、より正確には適材適所の促進。トータルでの生産性は上がるに違いないと思っています。解雇されたくない人は減給で対応してもらうよう交渉すればいい。終身雇用、年功序列の体制が崩せない古い大企業では難しそうですが、そんなもの自業自得と思えるので。

■パスいらずのフリーWiFiを設けないのはただのケチ

 ただいま、学会でモスクワにおります。ブロマガを投稿するためにniconicoにFacebookアカウントでログインしようとしたところ、「いつもと違う場所からFacebookにログインしましたか?」というEメールが届き、アカウントを一時停止したとほざき、本人確認の手続きを踏まされるはめに。この劣悪なインターフェースのSNSとやら、既に放置状態ですがもう見限ろうと思いました。

 さて、愚痴はこのへんにして本題へ。宿泊しているホテルが学会会場でもあるのですが、全域でフリーWiFiがパスなしで使えます。モスクワに行くときに中継した香港空港でもそうでした。当たり前ですが、とても便利です。
 こういう環境、日本は少ないですよね。というか出会ったことがない。まさか法律でもあって足枷になっているのでしょうか。どうせセキュリティでも気にしているのでしょうが、まったくもって無意味。未公開の研究データや技術交渉が豊富に詰まったラップトップを躊躇なく接続する研究者たちが証明になっています。本当に気を付けたい人は、そもそもパスがかかっていようがいまいが、公衆のWiFiにアクセスなどしませんしね。素直に便利であり、いいホテル、いい空港だなという好評につながります。

 公衆WiFiの普及は携帯電話会社の負担軽減にもなります。だから日本ではSoftBankもdocomoもauも駅やカフェにWiFiを設置しているんですね。SoftBankなんかはスポット端末を置いてくれる店を募集していて、無償で与えてくれるそうです。筆者はここで各社に提案したいのですが、自社で電話を契約してくれた人だけに限定するのをやめてシェアしてフリーにしてはどうか。もちろん各社の既設端末数に関わる交渉や重複しすぎているスポットの調整は必要ですが、全社3GとLTEにかかる負担は圧倒的に軽減されます。他のWiFiサービス事業者も買い込む形で一瞬で倒すこともできそうです。

 選択するだけで接続できる、あるいは選択不要で自動接続するパスいらずのWiFiが凄まじく快適ですよという話でした。筆者にとってはこれをやらない施設はもはやただのケチです。

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