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日本の人工衛星重量ランキングベスト15 補足記事

2016/08/16 14:47 投稿

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はじめまして。やまごんと申します。

この記事は、↓この動画の補足、まぁ動画内で書けなかったアレコレや、
太陽電池パドルや衛星バスについて、もう少し詳しく説明しちゃいます。

ですので、一回動画をご覧になったあとに読むと良いです。

(うp主の自己満足的な面もあるので気楽に読んでやってください)



えっと・・・まずは

この動画は、8月11日に投稿した(エンコードに時間をかけられず、画質が悪くなってしまった)ものを、8月16日に画質を向上させて再Upしたものになります。

再投稿に5日もかかった理由は夏コミのために270キロ離れた東京に行ってたため(・ω・;)
ノートPCを持っていけばよかったですハイ。


では動画の補足に入りましょう。

まず、

①タイトルの背景画像から。


これは、H2Aロケット30号機(2016年2月17日、ASTRO-H他)の
打ち上げシーンです。
(JAXAデジタルアーカイブスより)

なぜひとみの打ち上げ画像?それは・・・

動画を作ろうと思い立ったときは、ベスト10にひとみが
ランクインすると思っていたからです。
TRMM&GPM、きく6号&かけはしのランクインは予想外でした(白目)
ひとみの重量は約2.7トンなので、18位かな。
きく7号(2.85トン)が16位。
こだま(2.8トン)が17位。(たぶん)

タイトルの背景をきく8号のH2A204にしようとも思いましたが、
ネタバレになってしまうのでやめました。


②かぐや(2.91㌧)

日本の大型月周回衛星。ここまで大きいとはうp主も予想外。
流石はNASDAといったところか。
彼女は科学衛星ではなく、将来の月利用のために月の詳細なデータを観測するのが目的。


しれっと相模原に展示されちゃってるかぐや

「マリウス丘の縦穴」は、日本の月面着陸機「SLIM」の着陸候補点ということで、
動画にも記載しました。

あと、動画には載せられなかったのですが、かぐやの子衛星ときずなは、コンデンサが逆実装される不具合が起こっており、きずな側の原因調査から発覚しました。
8月16日(9年前!)に打ち上げる予定だったかぐやは、修理のため打ち上げが一か月後に延期されました。


③ひまわり6号・7号・8号・(9号)

1999年、ひまわり5号の後継機として打ち上げられたMTSAT-1。
しかし、打ち上げに失敗。愛称「みらい」はお蔵入りに。
そして再発注されたMTSAT-1Rがひまわり6号になります。

ですが、ひまわり5号が寿命を迎えるため、アメリカの気象衛星GOES-9
を借りて気象観測を行うなど、安定した観測が危ぶまれる状況がありました。

そしてひまわり6号、ひまわり7号が相次いで打ち上げに成功し、ようやく気象衛星の
軌道上予備機が実現しました。

ちなみに、ひまわり6号は、打ち上げに成功してもすぐに愛称はつかず、静止軌道に投入されてから「ひまわり6号」と命名されました。
国土交通省と気象庁の相乗りだったものの、国民に広く定着していることから、「ひまわり」の名が継承されました。

運輸多目的衛星新1号(MTSAT-1R)の静止化完了及び愛称について
http://www.jma.go.jp/jma/press/0503/08a/nickname.pdf


ひまわり8号は、カラー画像が観測できるなど、観測波長が増大した、新世代の気象衛星としてデビューしました。ですが、万が一ひまわり8号にトラブルが発生した場合、観測は旧世代のひまわり6/7号が行うことになります。そうなると、観測波長が減ったり観測頻度が減少するなどの問題が起こります。ということで、ひまわり9号は2016年度に打ち上げられる予定です。

また、世界気象監視計画により日本は西太平洋・オセアニアの気象観測を担当しており、各国の気象衛星も、今後ひまわり8号と同程度の性能の衛星で観測を行うため、ひまわり8号のバックアップを6/7号に行わせるわけにはいかない事情もあります。


まぁなんだかんだ、「ひまわり」って良い名前だよな!

(2017/1/11追記)ひまわり6号は2015年12月10日に運用を終了したそうです。
ひまわり7号は、単独で航空管制ミッションを続け、2020年ごろに準天頂衛星と交代する見込み。

④みどりとみどりⅡ

地球観測衛星ふよう1号が1,340kgだったのに、3,560kgに一気に巨大化したみどり。
当時はアメリカがプラットフォーム衛星とか、5トン級の超大型地球観測衛星計画を進めてたこともあり、日本もそれに追従する形になったようだ。

NECは地球観測衛星「もも」の製造を行い、三菱電機はももの観測センサのMSRや、ふよう1号の製造を経験しているため、みどりではNECがOCTSを、三菱電機がAVNIRを製造し、東芝は電源部を担当。

結果、設計ミスで軌道上で破断してしまった。


↑ドイツ応用自然科学研究協会(FGAN)高周波物理研究所(FHR)のレーダによって撮影されたみどり。(4時間検索してようやくこの画像に出会えた。)

極軌道を通る地球観測衛星だったため、撮影できましたが、「ひとみ」のように軌道傾斜角が小さい衛星はFHRでは撮影できません。


次に、短命に終わったみどりの後継機として、打ち上げられたみどりⅡ。

三菱が開発したAMSR(アムサー)というマイクロ波放射計を搭載。
地球の水の観測を行う。
アメリカの衛星AquaにもAMSR-Eとして搭載された。

改良型のAMSR2がしずく(GCOM-W1)に搭載されている。

↑8月12日に国立科学博物館で撮影したAMSR2

みどりⅡもまた電源系の故障により運用を停止されたが、地上からのレーダー観測により、

↑FHRのレーダーによるみどりⅡの画像

太陽電池パドルの破断が原因ではないことが明らかになっている。


⑤みどり(H2 F4)・SFU(H2 F3)・かけはし(H2 F5) フレキシブル太陽電池パドルについて

ランクインした衛星には、何かしらのつながりがあります。その一つに、フレキシブル太陽電池パドルがあります。

SFUとかけはしはNEC製で、みどりは東芝製。

技術屋集団、NEC製のパドルは、SFUに搭載されたものの、収納時に収納を示す信号が発信されず、軌道上に投棄されました。

↑国立科学博物館のSFU(8/12)。 太陽電池パドルはなかった。

その後、NECは「かけはし」に改良型のフレキシブル太陽電池パドルを搭載。
2段エンジンの異常停止により、とんでもない軌道に投入され、何度も軌道変更を行わなければならなくなった かけはし。しかし、太陽電池パドルは何度も行われた収納と展開に耐え、かけはしの実験を支えました。


しかし、みどりには、NECのパドルは使われず、電源系は東芝が担当することになりました。
というのも、「スーパー301条」によって、日本の衛星メーカーは、海外の衛星と競争しなければならなくなり、結果、政府からの受注を失い、収益の見込みが立たなくなりました。

そのため、巨大地球観測衛星であるADEOSを、衛星メーカー三社に分担して製造させることになり、観測機器はNEC&三菱、電源系は東芝が担当。

しかし、東芝は経験豊富な↓リジッド型ではなく、フレキシブル太陽電池を採用。

↑東芝が主製造にあたった きく4号。リジッド型太陽電池を搭載。

結果、破断事故につながりました。

スーパー301条が、事故の遠因なのかもしれません。



⑥TRMMとGPM

TRMMとGPM、NASDA(現JAXA)とNASAの共同開発の衛星なので、日本語の愛称はありません。そのため、知名度がかなり低い印象・・・


しかし、TRMMは17年もの間観測を行った長生きの衛星です。

台風、ハリケーン、サイクロン・・・熱帯の降水を長期間にわたり観測しました。

TRMMのホームページに行くと、TRMMの観測シミュレーションゲームがある。 珍しい。



2014年は遠いなぁ・・・
↓ゲームはココ。
http://www.eorc.jaxa.jp/TRMM/museum/game/top_j.html


TRMMの成果を受けて、新たに開発されたのがGPM。知名度は(略

日本は、TRMMのPRを改良したDPRを開発。国立科学博物館にDPRの熱モデルが展示されているぞ。
特設サイトには、スペシャルアニメがある。(よくわからないけど)
http://www.satnavi.jaxa.jp/gpmdpr_special/movie/movie1.html

打ち上げ時の軌道とか、チラっとうつるしずくとか、芸が細かい。


⑦きく6号&かけはし、DS2000 衛星バスについて

動画でチラホラ出てきた「衛星バス」。
衛星バスとは、人工衛星の基本機能のことで、姿勢制御や電池、熱制御の機能が備わっており、ここに多様な「ミッション機器」を追加すれば、一種類の衛星バスでも、気象衛星や通信衛星になることができます。

その衛星バス技術を習得するために作られたのが「きく6号」。ついでにH2ロケットの性能確認も実施。きく6号で衛星バスの技術を習得し、「かけはし」では、きく6号の衛星バスが使われました。


その後、三菱電機は衛星「こだま」や「きく8号」の経験をもとに、「DS2000」という衛星バスを開発しました。



↑DS2000の1/2模型。 METoA Ginzaにて(8/15)

DS2000という衛星バスは、「こだま」「きく8号」「ひまわり7号・8号・9号」「みちびき」に採用され、海外からの受注もあります。


↑みちびきの模型 METoA Ginzaにて(8/15)


興味がある方は、銀座にある三菱の「METoA Ginza」で、上記のDS2000の模型など、いろんな展示があるので、是非見に行ってはいかがでしょうか!

入場無料で、9月下旬まで展示予定。(2016)


Space in Ginza — 銀座の中の宇宙
http://www.metoa.jp/event/space-in-ginza/

(2017/1/11追記)
1/10に、きく8号の運用が終了しました。きく8号はあの美しい姿のまま、眠っています

⑧おわりに

長々と書いてしまいましたが、読んでくださりありがとうございます。

今後暇を見て、人工衛星や探査機の動画を挙げていきたいと思います。

ベピコロンボの打ち上げはよ


やまごん
Twitter:【@sado_kouta】

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