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山田玲司のヤングサンデー 第248号 2019/7/29

平成理想主義の人

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♪ ヘイヘイ 其處なるヒトよ

俺んちに来ないか?

悲しい面持ちすな!

全てを知ってるくせに



先日、参議院選挙が行われた

吉本のお家騒動や京アニの悲惨すぎる事件もあって、まるで選挙なんてなかったかのような空気だが、この結果を受けて消費税はさらっと上がり、景気は一旦冷え込むがオリンピックで誤魔化されての2021、令和の大不況がやってくるだろう

こんな事は経済なんか齧ってなくともわかる

憲法改正は景気悪くなったらそれどころじゃなくなるから、そもそも安倍政権は憲法改正に本気ではないんだろう

俺には右の方々を釣る方便にしか思えない

国民は左は山本太郎に、右は安倍政権に踊らされ、真ん中を選ぼうとしたら風見鶏で批判しかしない時代遅れの政党が、大して違わない色味をひとつに合わせられもせず喚いている

こんなものを目の当たりにして冷笑しない奴がいるかよと乾いた笑いが漏れる

家でゲームオブスローンズ見てた方がよっぽどましだわなと思いつつ、このどうしようもない滑稽さに愛おしさすらおぼえる



♪ まあ長く生きてきたなあ

おかげで闇を知った

さらぬだに風を感じ

愛さえわかりはじめた



ここで先に、絵空事と笑われるだろうが、文句言うなら対案を出せと言われる前に私見を述べておこう

興味ない人は飛ばしてくれ



「令和日本再編集計画」


とにかく先ず日本を再編集するとぶち上げて本格的に憲法改正に着手する

現状維持だろうとなんだろうと国民の採決を仰ぐことを決め、5年間みっちり議論したのちそれを精査するのに3年かけ、ひとつひとつを国民に問い、そこから2年で実際に改憲手続きに入り、計10年で必ず改憲し、施行する

と、そうやってドメスティックな国家意識を高めて政治に目を向けさせながら行政構造改革に着手し、選挙のたびごとに議員定数削減と官僚削減をしっかりと進める

具体的には日本の行政組織である12省庁を人口密度が低い県の県庁所在地に移し、強制的に地方分権化を進める(例えば島根県に文部科学省、秋田県に農林水産省など)

ここで問題となるのは財源を牛耳る財務省なのだが、財務省は先ず2つに解体してひとつを会計監査院と合併させて独立した監査組織として、全体の税収支バランスを見る

もう半分はさらに12に分散させ、各省庁にくっついて地方にやり、それぞれの省庁に合った税制を立案して税収を直接その省庁に行くようにする(もちろんその税は会計監査院の審査を通らねば承認されない)

そして同時に国会も12に分け(1つの議会に議員は31人)それぞれの省がある場所にジャンル別で開く

これはタスク別議会制度というもので、文科省のあるところには教育問題を議論する国会を、環境省のあるところには環境に関わる法律を組み立てる国会をそれぞれ開くという制度である

そのタスク別議会制をやるなら選挙制度も議題別ジャンル別の選挙にする必要があり、2030年の憲法改正に合わせて衆院参院を解体して、新たな政権選択選挙を実施するための選挙制度改革を進める

新たな選挙制度においては地方別で国会議員を選出するのではなく、各政党はそれぞれの分野の政策に特化したスペシャリストを擁立し、それぞれのタスク毎に選挙を行う(これはざっくりとした曖昧な、いい感じなこと歌ってるだけのマニフェストを撲滅し、地縁世襲の無能議員どもを排除し、今から政治の勉強始めます!などの脳味噌スポンジ議員を抹殺し、左右両派のポピュリズムを抑制させ、政治の本来を取り戻すシステムでもある)


また消費税を10%から5年ごとに段階的に下げ、20年で0に(消費税は税収全体の3分の1にも及んでいるので、いきなりゼロにすると日本が沈む)

その裏で足りない分は国債発行と円を刷って市場に投下しサイレントインフレに振り消費を促し、最初は厳しいかもしれないが徐々に景気を底上げしプライマリーバランスを黒にする(2050年目標)

年金は社保庁を解体し国民に払った分を還元しなんとなく余裕ある気分にして使ってもらう

心配な人は民間に委託し自己管理

さらに銀行に預けられるお金を年収の3倍までとし、それ以上は使うようにさせる(法人は別)

タンス預金が増えるのでそれを狙った空き巣が増える

警察はカバーできないので警備会社が儲かる

警備会社が人手足りなくて雇用が増大する

100人に1人が警備職に就けば自ずと治安も安定する

ほかの失業者にはオリンピック後の空き家を国家が接収し提供

家賃は取らず1日1食分は何かしら保証する代わりに低賃金だが安定した仕事を斡旋する(だが何の理由もなく1年以上働かない者は追い出す、半ベーシックインカムのようなもの)

増え続ける高齢者には後期高齢者ベーシックインカムで生活を保証し、マッチングアプリで老いらくの恋をアシストしたり老人格闘技大会などを開いて生きがいと活力を盛り上げる一方で80代以上は参政権を剥奪し、活躍世代の邪魔をしないようにさせる

日本を5ブロックに分けてだいたいの梅雨明け時期合わせてロングバケーションを2週間ごとズラし、国外旅行に税金をかけて国内旅行を促しながら内需を拡大する

ベーコンとチーズとバターとティラミスと赤福は無課税にする…



…とまぁ考えたらキリないのでこの辺にするが、これが俺の「令和日本再編集計画」である

右も左もない無茶苦茶な絵空事だけど、選挙も行かず文句しか言わん奴よりはましだと思って許してくれ

さて、これくらい大胆な政治改革を求めてるわけではないが、いい加減この国を一度再編集しなければならないというのは本気で思っている

それは今回の参院選挙でさらに強くなった

しかしキャスティングボードはマジョリティである60代以上が握っている

重要なポストにいる政治家も殆どが60代以上だ

もうすでに充分老人国家なのに、これから先もっと増える

これではさらに失望は深まるばかりで、投票率を見ればわかるように、政治不信どころか政治忘却と言える状況にまで陥っている



♪ オイオイ この街も

ノリがなくて つまらねえな

だが おかげで何かを感じ

夢さえ抱きはじめた



このまま順調にいけばおそらくあと20年で今の「団塊世代型日本」は終わり、貧しいだろうが新しい俺たちの日本が始まる

ガタガタと社会は崩れよりシビアな世情にはなるが、遅すぎるが俺たちが主役になる日が来る

その頃までロスジェネや氷河期世代は生き延びねばならぬ

そしてなるべく社会的に高いポジションにいて、次の世代のために日本を社会を再編集する使命がある

また大観を述べてしまうが、ざっくり言って日本は明治維新→昭和敗戦→令和再編という流れになるだろう

それまでに中韓北朝鮮はどうなってるか、中東やEUはどうなるか、つまり世界がどう変わるか、戦争の有無などでも大きく影響されるが、この令和で社会再編をしなければ、三島由紀夫が予言したどころじゃないくらい悲惨で味気ない、失敗した衰退国になってしまうだろう



♪ きっと簡単なことさ

まだ歩みとまらないさ

平成理想主義の人

はて? 

いつ目醒めることやら...



この歌はエレファントカシマシが2004年にリリースした「風」というアルバムの一曲目「平成理想主義の人」という歌で、1966年生まれのちょうど玲司さんと同い歳である宮本浩次、38歳の時の作品である

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俺はというと1981年生まれの今年38歳

いわゆる就職氷河期世代の末期だが、ちょうどあの時の宮本浩次と同じ歳になってしまった

そしてふと思う

この「平成理想主義の人」とは誰のことなのか


今まで俺は、それは俺たちのことだと思っていた

俺たちの歌だと思っていたが、しかしよく考えればそれは宮本浩次の世代、つまり玲司さんや尾崎やオーケンや吉井さんたちに向けたメッセージだった

よくよく考えりゃ俺たちは、そんな理想主義者でもなければ眠ってもいない

とっくに目覚めてはいるし、むしろ眠るヒマも余裕もなかった

では俺たちは何なのか

おそらく我々は


「平成虚無主義の人」


であろう

というか、そうならざるを得ないし、そうなってしまった

そしてそのキーワードは実は慣れ親しんだ「努力」でも「友情」でも「勝利」でもなく「失望」と「冷笑」と「諦観」だった