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山田玲司のヤングサンデー 第168号 2018/1/8

「負けない人」とは?

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去年「いいなあ」と思った事の1つに「アストロズの奇跡」というのがあった。


年末のドキュメンタリーにまとめられていたので、知っている人も多いかとは思うけど、去年メジャーリーグで全米優勝した「ヒューストン・アストロズ」が最強のチームになったのは「オタク集団の力」だったという話だ。


アストロズは予算の多くを「データ分析の専門家」「物理学者」「統計学者」などを雇うことに使い、徹底的なデータ分析から「勝てるチーム」を作っていったという。

雇われた「頭脳担当」の人達は、自分達を「オタク集団」と呼んでチームを支えたらしい。


その昔日本でも「IT野球」とかいうのがあったけれど、ここ数年その精度は格段に上がり、今までの「個人の才能」や「根性」に頼らない「具体的な方法」が随時更新されていく時代になっている。


アストロズのグラウンドでは、常に何台ものカメラが回っていて、打てなくなったバッターが「なぜ打てなくなったのか?」を分析してくれる。

そしてその解決法を科学的に(具体的に)出してくれるのだ。


主力選手のアルトゥーベが爆発的に打率を上げたのも、この「科学的対策」が大きかったという。


そんなやりかたを本格的に導入した最初の球団が、アストロズだったらしい。


去年のメルマガで書いた「ダルビッシュアストロズに敗けた」の理由もここにあったわけだ。


ワールドシリーズでダルビッシュと対戦する時、アストロズの「オタク集団」は、彼が今日どんなボールを投げてくるか試合前から分かっていたという。


しかも試合が始まってすぐに、ダルビッシュのスライダーがいつもの切れ味を欠いていることも見抜き、即座に対策を絞り込んだ。


つまり、この時ダルビッシュが「いつものヤツ」で勝負しようとした時点で「負け」は決まっていたわけだ。


そしてダルビッシュは「いつものヤツ」で勝負に行って、アストロズの予定通りに打たれた。



この話は考えさせられる。