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山田玲司のヤングサンデー 第138号 2017/6/5

「本当のバカ」とは?

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最近、気がつくと「死んだ人の声」を探している。


昔なら「そんなの無理な話」だったろうけれど、今はYouTubeなんかに「もう生きてない人の対談番組」とか「講演会」とか「インタビュー」が沢山上がっているのだ。


テレビは「うわべの話」と「うわべの笑い」ばかりで観る気にはなれない。


そんなこんなで、作画中にずっと「昔の人の声」を聞いています。


今も生きている人でも何年か前の声を聞くと、それはもう別の人に聞こえたりします。


そして、多くの人の会話は「生きている」のです。

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そんなわけで、かなり昔の「細野晴臣、大滝詠一対談」を聴いていたら、素晴らしいくだりがありました。


この2人は大学生からの友人関係です。

ご存知「はっぴいえんど」で、一時代を築いた伝説の人です。


そんな2人が、だらだらと、どうでも良い事を話している様で・・・その実「かなり深い話」をしているのです。



2人は言います。


「海の生き物はいいよねえ」

「餌なんかさ、いくらでもあるじゃない、プランクトンとかさ」

「自分自身も餌なんだけどね」

「そうそう」

「でも、それに気づいてないじゃない」

「それがいいよね」

「自分とは何ものだ?なんて考えないじゃない」

「最高だよね」


大体そんな感じで話しています。


「なのに、わざわざ海を捨てて陸に上って来たのが、僕らの祖先じゃない」

「バカだよねえ」

「バカだよ」

「だから、バカになってないとやってられないんだよね」

「そもそもバカだからね」


なんてね。


もうずっと聴いていたい。



陸に上がった魚の進化について、科学者なんかは、「その昔、海は恐ろしい肉食生物が増えて、弱い魚は川に逃げ込んだりして、岸辺の水草をかき分けるためにヒレが手足が進化して「陸」という「新天地」を手に入れたのだ」なんて言ってます。


それもまた「本当のこと」なのかもしれないし、そういう話も好きなんだけど、「海はいいよねえ」なんて「絵本」みたいな世界観の話も好きです。



ここで言う「バカ」ってのも興味深い。


僕らのご先祖様は、生き延びるためにヒレを足に変えてまで(うきぶくろを肺に変えてまで)陸に上がった、「かっこいいバカ」でもあるわけです。



1方で、

「そこまでしなくてもいいじゃない」

「餌になるのもいいじゃない」


なんて言ってたのが、今も海にいる連中で、こっちの方がなんだか悟っている気がして悪くない。

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ところで。


「バカ」と言えば、近年やたらと「〇〇はバカ」「頭が悪い」「論破」「瞬殺」なんていうキャッチを目にする。