『温故知新』という故事が、ある。
孔子曰く 故(ふる)きを温(たず)ね、新しきを知れば、以って師と為るべし――ということらしい。乱暴に言えば、昔のことや以前に学んだことを、もう一度調べたり、考えたりしながら、新たな道理や知識を見いだし、自分のものとすることだ。現代のサッカー界には、この孔子の教えに忠実な指導者が少なくない。
歴史のゴミ箱に捨てられていた「時代遅れ」の戦法を改めて取り出してみると、あら不思議。難局を打開するトリガー(引き金)になったりするのだから面白い。ここ数年、世界のトップレベルで目につくマンマークは、その一つだ。ゾーン(地域)を守るのではなく、人に張り付く。21世紀に入ってから、ほぼ見かけなくなった守備戦法である。
それがなぜ、いま見直されつつあるのか。
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