マル激!メールマガジン

足立昌勝氏:焼け太りの盗聴法改正に待った!

2015/07/01 23:00 投稿

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マル激!メールマガジン 2015年7月1日号
(発行者:ビデオニュース・ドットコム http://www.videonews.com/
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マル激トーク・オン・ディマンド第742回(2015年6月27日)
焼け太りの盗聴法改正に待った!
ゲスト:足立昌勝氏(関東学院大名誉教授)
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 1999年、すったもんだの末に何とか可決に漕ぎ着けた盗聴法という妖怪が、16年の年月を経て、再び永田町、霞ヶ関周辺を跋扈し始めている。集団的自衛権をめぐり大きく揺れる国会の陰で、警察の盗聴権限を大幅に拡大する改正案の審議が進んでいるのだ。
 そもそも今国会で審議されている刑事訴訟法の改正案は冤罪事件が相次いだことを受けて、警察や検察の取り調べの可視化を進める必要があるとの共通認識のもとで議論が始まったものだった。しかし、法相の諮問機関である法制審議会の特別部会は、取り調べの可視化と並行する形で、盗聴法や司法取引といった警察や検察により強い捜査権限を与える施策が議論されるように。最終的に肝心要の可視化が極度に限定されたものにとどまる一方で、その交換条件のような形で出てきた捜査権限の強化は、盗聴権限の拡大と司法取引の導入がしっかりと刑事訴訟法の改正案に含められ、今国会に提出されている。
 刑事訴訟法の改正案が謳う盗聴権限の拡大は、盗聴対象となる犯罪の種類をこれまでの4類型から13類型に増やすことと、これまで警察が令状を得た上で実際に盗聴を行うためには通信事業社に出向いていく必要があったところを、改正案ではネット回線を通じて全国の警察署に居ながらにして、通話の盗聴が可能になる点に集約される。
 形式上は盗聴した通話はすべて録音され、裁判所に提出されなければならないとされている。しかし、盗聴権限の拡大に批判的な関東学院大学名誉教授の足立昌勝氏は、警察が盗聴したすべての通話を録音するかどうかも、また通話を記録したメディア媒体をすべて裁判所に提出する保障がないため、濫用の危険性が排除できないと指摘する。
 盗聴は、盗聴されていることが分からないから盗聴なのであり、本質的に濫用の危険性を伴う。また、憲法で保障されている通信の自由にも抵触する可能性がある。このようにリスクも大きく人権上も問題の多い盗聴権限を、なぜ今急いで拡大する必要があるのか。
 警察による盗聴権の拡大はわれわれ市民社会にどういう影響を及ぼすのか。警察権力が肥大化することによって、市民はどのような不利益を受けるのか。そもそもの発端である刑事司法改革が捜査権限の拡大につながってしまっている現状とそこに含まれる盗聴法改正案、新たに導入される司法取引の問題などについて、ゲストの足立昌勝氏とともにジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。
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今週の論点
・刑事司法改革の経緯と、改正案のポイント
・法制審議会特別部会の委員は「椅子を蹴って出て行くべきだった」
・そもそも、日本の犯罪抑止に盗聴は必要なのか
・司法取引が冤罪を招く可能性
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