マル激!メールマガジン
小川淳也氏:リベラルは高い理想と現実に即した対応の両立を実現したい
2026/05/27(水) 20:00
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マル激!メールマガジン 2026年5月27日号
(発行者:ビデオニュース・ドットコム https://www.videonews.com/ )
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マル激トーク・オン・ディマンド (第1311回)
リベラルは高い理想と現実に即した対応の両立を実現したい
ゲスト:小川淳也氏(衆院議員、中道改革連合代表)
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中道改革連合はなぜここまで負けたのか。
2026年2月8日に行われた衆院選で、中道改革連合は167議席から49議席へと議席を3分の1以下にまで激減させた。比例票の減少は前回比で約700万票にのぼる。高市政権にとっての歴史的大勝の裏で、リベラル勢力は歴史的大敗を喫したことになる。
しかし、これを単なる1回の選挙の負けと片付けてはならない。問われているのは、リベラルそのものがこの国でなぜ受け皿になりきれないのか、という構造的な問いである。
今回のゲスト中道改革連合の小川淳也代表は、選挙での敗因を「党のアイデンティティが揺らいだ。選挙互助会としての疑念を晴らせなかった」と振り返る。選挙のための急ごしらえに見える政党では、有権者の信頼を勝ち得なかったというわけだ。
中道改革連合は5月12日、衆院選敗北を受けた総括文書を公表している。そこで指摘されたのは、安保法制を合憲とした党としての判断や、原発再稼働を進める立場を明確にしたことが、リベラル色の強い従来支持層の一部離反を招いたという認識だった。
安保法制について小川氏は、かつての立憲民主党が存立危機事態条項の削除や修正を強く求めていたことを認めた上で、この10年で安全保障環境は確かに変わったことは認めざるを得ないとも言う。だから中道改革連合としては条文削除までは求めない。ただし厳格な運用は求める。その舵切りは「ギリギリあり得ること」だと小川氏は語る。
原発についても同様だ。更新や新増設は次世代への責任として避けるべきだという理念は維持するが、厳格な審査を通過した既存原発の稼働については、現実問題として「必要悪として容認せざるを得ない」と小川氏は言う。ただし、本来問われるべきは、化石燃料に依存しない社会へどう移行するかという長期戦略であるはずだ、というのが小川氏の主張である。
ここに、リベラル政党が抱える構造的なジレンマがある。
理念だけを掲げていても政治は動かない。しかし現実路線を選べば、従来の支持層は離れていく。では、リベラルはどこへ向かえばいいのか。
昨年11月のマル激(第1284回「見逃されてきた『新しいリベラル』の受け皿になるのはどの政党か」、ゲスト・橋本努北海道大学教授)で取り上げた橋本氏らの社会意識調査は、この問いに1つの示唆を与えていた。2022年に約7000人を対象に行われたこの調査では、「従来型リベラル」とは異なる特徴を持つ「新しいリベラル」と呼ぶべき層が、一大勢力となりつつあることが明らかになったという。
ここで言う「新しいリベラル」は、いわゆる護憲左翼的な立場はとらず、再分配そのものには積極的な姿勢を見せる一方で、旧来のリベラルが強調してきた困窮者支援一辺倒ではなく、教育や子育てといった次世代への投資を重視する点が新しいと橋本氏は指摘する。そして問題は、この層の受け皿となる政党が日本にまだ存在しないという事実だ。
中道改革連合こそがその受け皿にならなければならないと語る小川氏は、社会的投資・次世代支援・現役世代への社会保障・一定の経済成長という方向性については、党内に大きな対立はないとも言う。しかし最大の壁は財源問題だ。理想を掲げるだけでは越えられない。
「高い理想を失ってはいけない。しかし日々の政治判断は徹底して現実に即して行わなければならない」。長く野党にいることで現実感覚を失ってきた部分があるかもしれない、と小川氏は言う。理想と現実をどうミックスしていくかが、中道改革連合に問われている課題なのだ。
また、もう1つリベラルが直面している課題は、メディア環境の構造変化である。
SNS空間では、右派的な主張が感情に直接訴えかける。一方、リベラルや左派の主張は理性や制度論を通じて訴えようとするため、どうしても「一手間、二手間かかる」。リベラルはアルゴリズム上、構造的に不利な立場に置かれているのだと小川氏は分析する。
その上で、小川氏は社会全体の右傾化を「時代的危機」と呼ぶ。
歴史を振り返れば、こうした時代の出口はたいてい戦争か革命だった。しかし今われわれは、その一歩手前で踏みとどまり、戦争なき新たな秩序と再分配の仕組みを作り出せるかどうかの瀬戸際にいるのではないか、というのが小川氏の認識である。
右傾化が進む時代の中でリベラルはいかに生き残るのか。「新しいリベラル」の政治的受け皿をどう作るのか。リベラルの理念をいかにして有権者に届けるのか。中道改革連合の小川淳也代表と、ジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した。
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今週の論点
・中道改革連合がここまで大敗した理由
・安保法制と原発再稼働を容認したのは間違いだったのか
・「新しいリベラル」の支持を集めるために必要なこと
・右傾化の「時代的危機」をどう乗り越えるか
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■ 中道改革連合がここまで大敗した理由
神保: 今日は2026年5月21日の木曜日、第1311回目のマル激です。今日は出張収録として、衆議院第2議員会館の小川淳也さんの事務所に来ています。ゲストは中道改革連合代表で衆議院議員の小川淳也さんです。小川さんとは朝生で何度かご一緒しましたし、外国特派員協会に来ていただいたこともあります。
今日はこの収録前にキックオフミーティングというものがあり、それが小川さんにとってとても重要なものだったということなので、まずはそのあらましをお話しいただけますか。
小川: かねてから長期的な国家ビジョン、社会ビジョンを作りたいという思いがあり、今日はようやく全議員参加のキックオフができました。国民の皆様は長期的な将来不安を持っているので、そこに正面から答えていくということにチャレンジしたいと思っています。
神保: 中道改革連合は1月15日に発足し、その後2月8日に行われた衆議院選挙では手痛い敗北を喫しました。もともとあった167議席から49議席へと減らしました。これは高市政権にとっては歴史的な大勝でしたが、中道改革連合、あるいは旧民主党勢力にとっては歴史的な大敗となりました。
これは何度も聞かれていると思いますし、中道改革連合では総括も出されていますが、あえて聞きます。小川さんはあの大敗北をどのように総括されていますか。
小川: 党のアイデンティティが揺らいだ、投票先としての魅力に欠けたと受け止めています。総括ではもっと厳しい言葉を使っていて、「選挙互助会としての疑念を晴らせなかった」、「選挙互助会としての認識にとどまった」ということなどが、一番厳しい見立てだと思います。
神保: 選挙のために急ごしらえでくっついたように見られてしまったということですね。小川さんは中道改革連合の立ち上げの段階ではどのような思いを持っていましたか。
小川: 幹事長を退いて以降党務には関わっていなかったので晴天の霹靂でした。党内にはこれはプラスだと言っている人もいましたが、私は大変厳しい結果になるだろうと思っていました。地方では無党派層を獲得できないと選挙では勝てないので、無党派層が離れ、議席が半減するのではないかと思っていましたが、実際には半減のさらに半減でした。想定の下限域を下回ったというのが私の認識です。
神保: それを今さら正当化するのは小川さんの仕事ではないかもしれませんが、なぜそれでもやったのだと思いますか。
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