
農地転用許可を受けながら実際には転用されず、購入者の全員が今に至るまで放置し、一方で現地はそのまま何者かによって無断で作物を耕作され続けている、千葉県多古町の農地の分譲地について、香取農業事務所企画振興課の担当職員さんより回答があった。
まず、昭和46年、昭和48年当時の、農地法5条許可に関わる申請書などの関連書類は、保管期限が超過しており、現在は残されていないとのこと。許可証の再発行を行うことも稀にはあるが、それは通例、ほんの数年前に下した許可のもので、農業事務所側でもその許可の詳細を把握できる場合に限られる。
今回のような、あまりに古すぎる許可については、事務所側でその許可の内容を掌握していない限りは、まず許可証の再発行は不可能らしい。
そのため、その当時の許可の内容については不明だが、一般論として5条許可の目的は大半が住宅用地としての転用であり、駐車場などの利用で転用許可を出すこともあるが、申請者が非農家の場合は、住宅用地としての転用申請で間違いないのではないかとの見解だった。
それが実際に住戸が建造されず今に至るまで放置されている場合、5条許可の取り消しが可能かどうか以前に、これは違反転用に該当する可能性が高いとのことであった。通常みられる違反転用は、農地転用の許可を取らずに勝手に倉庫などを建造してしまうケースで、今回のような逆のケース、転用申請を行ったのに実際には転用していない、というケースはあまり考えられないので(そりゃそうだ)判断は難しいが、違反であることは間違いないだろうとのことである。
そのため、農業事務所としては、あくまで現状の是正を主眼に置くためにも、許可の取り消しでなく、場合によっては地権者の始末書の提出などを要するかもしれないが、今後の利用方法について指導するなどの発展的手法によって解決を図りたい、今なお農業用地として利用されている実態があるのならば、農地法は現況主義なので、3条許可による所有権移転が最も現実的な解決策ではないかとのご提案をいただいた。
それにしても当初はなかなか話が通じないというか、職員さんは、都内などの都市部在住者に分譲された農地について、そんなことあるのですかと半信半疑の模様だったが、これは投機目的で買われたものだと説明したら、疑問が氷解したらしく納得できた様子だった。
そして、農地を護る立場である農業事務所の職員さんは、もちろんストレートに、現在の何者かによる無断耕作の状態を是認こそしないものの、投機目的で買われてそのまま耕作放棄地と化すぐらいであれば、たとえ無断であれ現在も耕作が続けられているほうが良いと考えているような雰囲気も見受けられた(あくまで僕の印象だが)。
曰く、農地は元々植物の繁茂の条件が整った土地であり、放棄したらたちまちジャングル化してしまう、誰かの手によって常に耕作できる状態を整えている必要があるのだ、とのお考えを示していた。それについては僕も異論はない。
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限界ニュータウン探訪記取材メモ
吉川祐介
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