宿命のライバルとも言うべき『週刊文春』と『週刊新潮』だが、新谷学編集長“強制休職”後の両誌を比べると『文春』のパワーダウンは歴然。OBのひとりとしても気掛かりだ。


 『文春』(12月17日号)は右柱が「『安倍一強政権』4年目の落とし穴」という特集で3本並べている。


 「あなたの年金があぶない!」


 「小泉純一郎が吠(ほ)えた!『安倍総理は全部強引』」


 「国民不在『軽減税率バトル』に騙(だま)されるな」


 「小泉が吠えた」は月刊『文芸春秋』1月号「小泉純一郎独白録」のパブだし、他の2本も新聞報道の後追い。


 一方、『新潮』(12月17日号)の右柱は大特集「二十三回忌『田中角栄』追憶の証言者」。


 そうなのだ。このところ雑誌メディアを中心に田中角栄という政治家が見直されている。そういう世の流れをつかむ素早さはさすが『新潮』。


 石破茂(地方創生担当相)、小長啓一(元総理秘書官)、堀田力(ロッキード事件担当元検事)氏ら9人と元越山会会員、元田中番記者たちが「自分が見た田中角栄」を語って読ませる。


 たとえば堀田力氏の話。田中角栄が顔を真っ赤にして怒りの形相に変わったことが二度あったという。


 一度は〈「“裁判所に田中さんの妻である、はなさんの証人尋問を申請するつもりだ”と伝えた」〉とき、もう一度は〈「私が被告人質問で、“田中さんは立派な政治家であり、自らの口で国民の前できちんと事実を語って説明すべきだ”と語りかけた」〉とき。


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産経ニュース【花田紀凱の週刊誌ウォッチング】より



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