オ〇ニストによる音楽批評

Joanna Newsom/Divers

2016/06/21 23:29 投稿

  • タグ:
  • インディ
  • フォークロック
  • クラシカル
  • アコースティック
  • チェンバーポップ



1. Anecdotes
2. Sapokanikan
3. Leaving the City
4. Goose Eggs
5. Waltz of the 101st Lightborne
6. The Things I Say
7. Divers
8. Same Old Man
9. You Will Not Take My Heart Alive
10. A Pin-Light Bent
11. Time, As a Symptom

USはカリフォルニア州ネバダシティ出身のコンテンポラリー/チェンバーフォーク系SSWの4th。たおやかなハープの旋律とKate Bushを彷彿とさせる独創的ながら甘み掛かった可憐な歌声が紡ぎ出す中世ヨーロッパの幻想的な世界観を思わせるケルティックなアコースティックサウンドに定評のあるハープ奏者兼SSWのJoanna Newsomの最新作。鮮烈なデビューを果たした「The Milk-Eyed Mender」を皮切りに、Steve Albiniプロデュースの元、ホーンやストリングスによる優雅なオーケストレーションをバックにバロック音楽のような気品さと前作を超えるダイナミックなスケールを手に入れた2nd「Ys」、Jim O'Rourkeがミックスを手掛けた3枚組/100分超の「Have One on Me」という並外れた密度を誇る傑作を作り上げ、海外メディア始め多くの音楽リスナーから圧倒的な支持を獲得した。その後はFleet Foxesのメンバーとの合同ツアーやコメディアンのAndy Sambergとの婚約、更にはP・T・アンダーソンの映画「インヒアレント・ヴァイス」のナレーション/女優デビューを飾るなど音楽以外での活動もこなしていたそうです。

そして約5年ぶりにリリースされた本作「Divers」ではセルフプロデュースながら初期作から継続しているNoah GeorgesonやSteve Albiniをエンジニアとして、ゲストにはKevin Parker(Tame Impala)やDave Longstreth(Dirty Projectors)といった旬のインディ界隈のヴォーカリストを招集した過去に負けず劣らずの布陣で制作された。そんな本作のリードトラック2. SapokanikanのPVは先の映画の縁あってかその監督が携わっていて、歳を重ねた彼女の姿や森やファンタジーの世界ではなく現代の街が舞台となっていることが確認出来る。そのため音楽性の変化はなくとも感じ方はだいぶ異なるものに仕上がっており、ピアノやハープの美しい音色をベースとした従来のバロックポップは勿論のこと、落ち着きを持ったフリーフォークのような楽曲から蕩けるようなメロトロンの響きやかき鳴らされるエレキギターによるロックテイストが光る3. Leaving the City、小鳥のさえずりと共にシンフォニックに駆け上がる最終曲11. Time, As a Symptomまで今までにないほどにバラエティ豊か。そしてセルフプロデュースになって前作のような大作志向からの解放や自由気ままに楽器を鳴らし歌い上げているのが反映されてか聴く前に構えなきゃいけないようなあの緊張感は解消されスッと入り込めるのも魅力の一つ。今作から聴き始めるのもアリでしょうね。2015年間ベスト作品。


コメント

コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事