オ〇ニストによる音楽批評

Caspian/Dust and Disquiet

2015/12/20 17:42 投稿

  • タグ:
  • ポストロック
  • アンビエント
  • エレクトロニカ
  • クラシカル



1. Separation No.2
2. Ríoseco
3. Arcs of Command
4. Echo and Abyss
5. Run Dry
6. Equal Night
7. Sad Heart of Mine
8. Darkfield
9. Aeternum Vale
10. Dust and Disquiet

USはマサチューセッツ州北東部の都市ビバリー出身のポストロックバンドの4th。アイルランドのGod Is an AstronautやUSのExplosions In The Sky、最近だとオーストラリアのSleepmakeswavesなどと同じくして、アンビエンスな空間意識や煌びやかなエレクトロニカ要素と対照的にメタルにも通ずるへヴィな轟音を巧みに使い分けたポストロックの典型を基礎としながらも、エモ―ショナルなフレーズや美旋律を要所に加えることでドラマティックな聴き心地さえ生み出している。そんなポストロック界隈の良心ことCaspianによる最新作「Dust and Disquiet」は、ベーシストのChris Friedrichの急逝を乗り越えて制作された渾身の一枚。新たにメンバーを2人加えた6人新体制初の作品になりますが、アートワークの羽根が7枚あるということから察するに、彼も永久にメンバーとして在籍し続けているということを示しているようにも思えますね。音楽性に関しては初期から一貫しているため、上で書いたもので間違いないです。しかし優雅なストリングスやAlcestばりのアトモスフェリックな心地良さには更に磨きが掛かっており、その儚くも美しいサウンドに惚れ惚れしてしまうこと請け合いな内容であります。

ゆったりと流れる静パートから徐々に熱を帯びて、持ち味の優しい轟音をバーストさせながら壮大なスケール感を演出していく2. RíosecoからCaspian節が炸裂、後半のストリングスを用いた優美な展開をしっかりと盛り上げていく。それから一変してポストメタルばりの重圧なサウンドをかき鳴らす3. Arcs of Commandでは深みのあるダーク性に重点を置いており、本作中でも最もメタルらしい楽曲。続く4. Echo and Abyssの中盤では、今まで取り入れられることの無かったヴォーカルが入ることで、エモ―ショナルな激情性まで披露しています。穏やかなアコギナンバー5. Run Dryも同様に枯れた哀愁が身に沁みます。そしてシューゲイザーのような淡さ際立ち、Sigur Ros直系の多幸感も併せ持った7. Sad Heart of Mine、エレクトロニカ方面のアプローチも忘れない8. Darkfieldを挟んで、静寂と轟音の狭間を行き交いながらある種のアートらしい仕上がりを目指した10. Dust and Disquietまで表現力豊かなポストロックが味わえることでしょう。今までの活動における典型的なポストロックスタイルを確実にアップデートさせておきながらも過去最高にアプローチの幅も広げた意欲的な作品で聴き応え十分で、ソレが一貫したスタイルが招くマンネリズムを解消する要素になっていることも見逃せませんね。といったかんじで今年のポストロック作ではかなり上位に入る良作品で、個人的にはGod Is An Astronautの最新作を超える満足度を得られました。ベスト候補。



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