オ〇ニストによる音楽批評

Chelsea Wolfe/Abyss

2015/12/06 23:07 投稿

  • タグ:
  • ダークウェイブ
  • ノイズ
  • インダストリアル
  • ドローン
  • ダークフォーク



1. Carrion Flowers
2. Iron Moon
3. Dragged Out
4. Maw
5. Grey Days
6. After The Fall
7. Crazy Love
8. Simple Death
9. Survive
10. Color Of Blood
11. The Abyss

USカリフォルニア州サクラメント出身、現在はロサンゼルスを拠点に活動するニューウェイブ/ゴシック系SSWの5th。海外メディア等でも高い評価を受けているゴス系ヤンデレSSWチェルシー姐さんによる約二年ぶりとなる五枚目のアルバム「Abyss」が、ニューウェイブ/ゴシックあたりの本来の音楽性に加えてダークフォーク/ドローン/ノイズ/インダストリアルと言った要素まで包容した極めて怪奇で陰鬱、でも蕩けるくらいに甘美な旋律を垂れ流していて危険な匂いを漂わせている。前作「Pain is Beauty」でのDead Can DanceやThis Mortal Coil周辺のニューウェイブ/ポストパンク的な流れは踏襲する形を取ってはいるが、冒頭の1. Carrion Flowersにおける不穏なノイズ音によるインダストリアルへのアプローチが、アンニュイな浮遊感や病んでる歌唱と絡み合い重々しい負のオーラを増幅、聴いた瞬間コレはアカンやつだと察知し絶望することになる。そのあからさまな暗さを引き継ぐ2. Iron MoonはまるでEarthのようなドゥーミーな引き吊る系のリフによる出だしから艶やかな歌唱×ネオフォークな弾き語りスタイルを取る。しかし根っからの退廃的な暗さは終始漂い続けてるのがチェルシー姐さんらしさで、圧殺ドローン化するラストに掛けての終末感は異常だ。それ以降もノイズドゥームな3. Dragged Outや耳に刺さる細切れのノイズや後半のエレクトロニカパートが嫌に不気味さを強くする6. After The Fallなど嫌がらせにも思えるダークな音色が次々と奏でられる。仄暗いダークフォーク方面の歌モノの5. Grey Daysなんかは前作に近い聴き心地で癒しの要素も兼ね備えるが、次第にズブズブとハマり闇堕ちすること不可避で、クラシカル要素を取り入れたダークアンビエントに卒倒するラストの11. The Abyssにて深遠なる闇の海に沈み落ちていく...そんな救いなんて何処にもないくらいの暗さを持った本作、やはり聴く者を選ぶ敷居の高さは一定あれど、ある種の芸術にも似たダークな美しさは一聴の価値ありです。


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