オ〇ニストによる音楽批評

王舟/Wang

2015/10/21 22:43 投稿

  • タグ:
  • フォークロック
  • アコースティック
  • 邦楽
  • インディ



1. tatebue
2. 瞬間
3. dixi
4. boat
5. uguisu
6. ill communication
7. New Song
8. My first ragtime
9. windy
10. とうもろこし畑
11. Thailand

中国は上海生まれ、現在は日本を拠点に活動するシンガーソングライターによる1st。リンク先であるメンチ氏に本作を薦められてから早1年が過ぎようとしてる中、今更思い出したように買ってみたので去年リリースの作品ながら取り上げてみます(ストック溜まりまくってる癖に余裕だなオイ...)。EP「thailand」の時点で既にコアな邦ロック/インディ好きの間で話題となっていたらしい彼は、「王舟」という名前通り日本で育ちながらも生まれは近年目覚ましい発展を魅せるお隣さん中国の出身であります。そんな期待のSSWが満を持してリリースしたのがこの1stフル「Wang」なのですが、一聴したかんじ邦インディからの影響が色濃く出たそれこそトクマルシューゴ周辺の素朴で牧歌的なインディフォーク路線を受け継ぐスタイルで、去年密かに盛り上がりを見せていた邦ロックの流れで聴いとかなきゃいけなかった作品なんです。というか調べてみたら本作にトクマルシューゴ絡んでたり主催のフェスに出演済みとやっぱり繋がりあるじゃんって。

そのEP作から約4年の月日を得て完成された本作クレジットされたバック陣営が、彼と交友のあるミュージシャン揃いでかなり豪華らしいんだけど、つい最近まで邦ロック/インディ界隈なんてほとんどスルーして洋楽をメインに聴いてきた私からするとズラッと並べられたところでほとんど初めて見る方々ばかりで申し訳なくなってくる。それはさて置き、本作では英語と日本語を巧みに使い分ける「王舟語」なる手法がなされているのも特徴で、曲目で言うと2.と10.が日本語オンリーなので他の楽曲とは異なる印象を持っています。で、内容の方は上で触れた通りでそれ以上言うことがないくらい真っ当なインディフォーク作なんですが、情緒感や祝祭的な楽しげな雰囲気が全体を包み込んでいて気の合う仲間同士で和気藹々と制作していったのが手に取るように分かる。とても和やかで癒し要素もアリ、でも時々ノスタルジーに浸りたくもなるような音楽。中でもフォークトロニカ然とした曲調を基本にパーカッションを加えたリズム感を意識した2. 瞬間やカントリーミュージックからの影響が強く見られるチェンバー風味な7. New Song、そして本作のハイライトと言える10. とうもろこし畑~11. Thailandの終盤の流れには、長閑な田舎だとか静かな浜辺が浮かび上がりそんな情景を思い浮かべながらラストまであまりにも自然体でゆったり軽やかにあっという間に流れて去っていく。スウェーデン写真家Sannah KvistによるアートワークもPVにもなってる11. Thailandとリンクするようなかんじがあっていいですね。といったかんじで、特筆して凄いことしてるわけではないのだけど、純粋にいい歌心や情感豊かなメロディ、演奏が絶妙なバランスで絡み合っているというだけで耳馴染みの良さは言うことなし。浸るようにまったりと聴いていたい、そんな作品です。


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