オ〇ニストによる音楽批評

Vattnet Viskar/Settler

2015/07/26 01:18 投稿

  • タグ:
  • アトモスブラック
  • ポストブラック
  • ポストハードコア



1. Dawnlands
2. Colony
3. Yearn
4. Impact
5. Glory
6. Heirs
7. Settler
8. Coldwar

USはニューハンプシャー州プレイストー出身のポストブラック/アトモスフェリックブラックメタルバンドの2nd。2010年に結成されたCentury Media所属の若手バンドで、デビュー「Sky Swallower」作におけるスラッジメタルばりの禍禍しい轟音と宇宙空間を彷徨うようなアンビエントパートをスムーズに交差するその点だけにおいてはOpethやIsisすら頭に過るほどの界隈きってのメリハリ厨っぷりを披露していました。モコモコとした妙な音の悪さがクオリティを下げていて惜しい感は否めませんでしたが。そのデビュー当初というと丁度Deafheaven旋風が吹き荒れている最中でしたから、それに追いつけとばかりにポストと名の付く洒落たブラックメタルが登場していましたが、その中でも静寂パートに対する意識の高さは徹底しており、中々面白い新人が出てきたなという印象を持ちました。それに続くのが本作「Settler」なのですが、まずリリース前にアートワークを見た時点で、脱メタルしてる系のアノの流れじゃないの?って嫌な予感が過ったわけですが、そんな予想とは裏腹に実にBlackgaze然とした解放感溢れる爆走パートを中心に編成されていることから嫌でもDeafheavenの影がちらつく方向性へと大きくシフトしてきております。

そのBlackgaze然とした爆走は作品を通して繰り広げられていて、冒頭を飾る1. Dawnlandsからブラックメタル特有のトレモロリフ生かした疾走やノイジーな轟音を轟かせる楽曲で、その変貌っぷりを感じ取れます。続く2. Colonyでもハードコア直系の激情感を爆発させたクラスティなポストブラックをやってのけていて、同様に4. Impactも凄まじいインパクトを聴き手に与えてくれるGreatなナンバーです。ミドル調でじっくり聴かせる5. Gloryでは前作で聴けたスラッジーなリフやポスト系特有の空間美が体感出来たりするのだが、6. Heirs以降では再びトレモロによる爆走に次ぐ爆走、特にタイトルトラックの7. Settlerをその傾向が顕著で、ポストロック調のふんわりと包まれるようなパートからDeafheavenライクな多幸感振り撒き系のエピック極まりない爆走にて高らかに飛翔していく8. Coldwarまで基本アップテンポなポストブラックを披露してくれる。正直、前作で楽曲や間に挟まれていた「意識の高い静寂パート」やAltar Of Plagues直系の禍禍しさが無くなったこと、つまりこのバンドらしい個性を失ったことにも値すると思いつつも、スッキリとした清涼系ポストブラックな本作も実にカッコいいというか潔すぎます。てなかんじで、正式にポストブラック界隈のバンドとして(前作はプログレ的なアプローチも強かったので)頂点を狙う候補の一角に躍り出たVVの本作は、Violet ColdやGhost Bath共に今年抑えておくべきポストブラック系のバンドに違いないです。


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