オ〇ニストによる音楽批評

Godspeed You! Black Emperor/Asunder,Sweet and Other Distress

2015/06/06 00:27 投稿

  • タグ:
  • ポストロック
  • クラシカル
  • ドローン
  • アンビエント



1. Peasantry or ‘Light! Inside of Light!’
2. Lambs' Breath
3. Asunder, Sweet
4. Piss Crowns Are Trebled

カナダはケベック州モントリオール出身のアンビエント/ポストロックバンドの5th。ポストロックバンドの最高峰に位置するお馴染みGYBEの最新作。このバンドを今更説明する必要はまずないと思いますが、軽く触れます。1994年に結成された彼らは、まだポストロックなんて言葉すら浸透していない時期から活動を開始、英NME誌における「今世紀最後のグレイト・バンド」という最大級の評価を得るに至る。しかし3rd「Yanqui U.X.O.」を最後に長い充電期間へと突入。そして約10年ぶりとなる4th「Allelujah! Don’t Bend! Ascend!」をリリースし、未だ彼らが孤高の存在であることを高らかに証明、私自身もその年のベストの一枚に選出するくらい気に入っております。音楽性に至ってもその大所帯から繰り出されるエクスペリメンタルな実験性と高い展開力で描かれる大迫力のサウンドスケープはとにかく圧巻。その張り詰めた緊張感や万人にウケることなど微塵も考えていない前衛性からはSigur Rósなんて多幸感ばかりのニワカと言わんばかりにポストロックの頂点に今尚居座り続けている。本作「Asunder,Sweet and Other Distress」はノースカロライナとモントリオールのスタジオにてGreg Normanを招集して制作された約二年半ぶりという彼らにしては短めのスパンでリリースされた新作だけに期待と不安が入り混じります。

曲の構成だったり作風なんかは前作の延長上と取れる内容であり、エクスペリメンタルな前衛性は勿論近年のEarthに通ずる地続きの優しきクラシカル/ドローンサウンドを披露する1. Peasantry or ‘Light! Inside of Light!’は基本的には穏やかな楽曲だがどこか狂っていてでも美しい。しかし続く2. Lambs' Breathではまさかのドローン/ダークアンビエントオンリーの約10分、3. Asunder, Sweetでも微かに曲の起伏はあるもののやはりアンビエント中心の約6分。正直このあたりでGYBE温くなった?なんて思いもしたし、いつになったら盛り上がりを見せるんだと苛立ちを覚え始めるわけだが、やはりGYBEだけあってラストは決めてくれます。静かに響きを聴かせる不気味さすら感じるストリングス、所々でノイズ音が入り混じり混沌の渦へと導かれる前半パート。そして静寂を超え、叙情性を孕んだ轟音をかき鳴らすダイナミックな展開=鳥肌立ちまくりなわけだが、いつにも増して前戯が長すぎますって。この4.の存在があるだけで聴く価値があると言い切れはするものの、過去の名作群と比較するとやはり差が開いているのは否めない。他でも言われている通り本作を一曲の大曲として聴くのであればまた評価は変わってくるのかもしれませんが、現時点でベストに選出するレベルの作品とはとても言い切れないなぁ。


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