オ〇ニストによる音楽批評

The Devin Townsend Project/Z²

2015/02/28 00:43 投稿

  • タグ:
  • プログレッシブメタル
  • アンビエント
  • アヴァンギャルド



Disc I [Sky Blue]
1. Rejoice
2. Fallout
3. Midnight Sun
4. A New Reign
5. Universal Flame
6. Warrior
7. Sky Blue
8. Silent Militia
9. Rain City
10. Forever
11. Before We Die
12. The Ones Who Love

Disc II [Dark Matters]
1. Z²
2. From Sleep Awake
3. Ziltoidian Empire
4. War Princess
5. Deathray
6. March Of The Poozers
7. Wandering Eye
8. Earth
9. Ziltoid Goes Home
10. Through The Wormhole
11. Dimension Z

カナダはブリティッシュコロンビア州南西部ニューウェストミンスター出身/現在はメイプルリッジを拠点に活動するアヴァンギャルド/プログレッシブメタルユニットの最新作。Project名義では6作目となるが他名義も数多く存在するのでそこは省略。カナダの奇才Devin Townsendによるプロジェクトで、彼の略歴を書き始めるとプロデュースから自身の音楽までホントキリがないので気になる方はググってどうぞ。とりあえず今作の前後の流れだけ追っておくと、まずラウドパーク13で来日を果たしたことが挙げられて、本作の国内盤DVD付きにはライブの模様が計8曲丸々収められている。もう一つ挙げるとすれば、Ché Aimee Dorvalという女性と共にCasualties of Coolなるプロジェクトを立ち上げたことで、ソチラではアンビエント/カントリーロック路線という非メタルサイドの作品を作り上げていて彼から湧き出る新たな才能/制作意欲を爆発させたかんじだ。その流れを踏まえた上で本作の話へと移っていくわけですが、トラックを見て分かるとおり、「Sky Blue」と「Dark Matters」二枚組によるコンセプトアルバムで、「Sky Blue」ではいつものDevin Townsend Project名義の新作を、「Dark Matters」では2007年リリースの「Ziltoid The Omniscient」の続編という名目で収録とかなりヴォリューム感のある内容となっている。

順番にまずは[Blue Sky]から。コチラは上でも書いたとおりProject名義になってからの作風→元The Gatheringの歌姫Anneke Van Giersbergenが全面参加したプログレッシブポップメタルというべきサウンドで、本作の目玉となっているファン2000人の声をオンラインで集めた「ファンクワイア」の効果もあってか映画音楽ばりのとにかくスケールの大きさが際立った一枚である。Devin×Annekeのデュエットを軸にしたポップなインダスメタル路線の1. Rejoice、リズミカルなノリとスケール感を極限まで高めてドライヴィンに高まっていく2. Fallout、「Ki」や「Ghost」などのアンビエントアルバムにあった穏やかな風を「Blue Sky」風にスケール感で後付けした3. Midnight Sunや4. A New Reign、前作収録の「Save Our Now」を彷彿とさせるオペラ歌唱からスクリームまでこなすDevinのヴォーカルをフルに活用したモダンエクストリームポップな5. Universal Flame、そして再びアンビエントを挟んでノリッノリでデュエットするタイトルトラック7. Sky Blueやメロウで浮遊感のある「Ghost」路線な9. Rain Cityに10. Foreverなんかを聴いても環境音楽的なアプローチが強く出ており、アンビエント路線で培った感性がメタルサイドと一体となっていてProject期の集大成感をヒシヒシと感じさせる。ラストでは地球の人類総出で合唱メタルやってのける最大級のスケール感にて大団円的終演を迎える11. Before We Dieなどと前作「Epicloud」を更にドでかくしたような内容で、何度もクドいけどとにかくスケールがでかいの一言に尽きるわけです。

一方[Dark Matters]はというと→2007年リリースの「Ziltoid The Omniscient」の続編にあたる作品で、私自身最近になってから「Ziltoid~」は聴いたのですが、架空のキャラクター「ジルトイド」が繰り広げるコミカルなノリやSEをふんだんに詰め込んだアヴァンエクストリームな作風が特徴で、そのコンセプトといい実に彼らしい爆音だった。本作も続編と銘打っただけあって同路線で、曲の前後に語り手を取り入れた1. Z²や2. From Sleep Awake、[Blue Sky]路線のポップメタルから徐々にファンキーなノリやアヴァンギャルド性を強めていく3. Ziltoidian Empire、ミステリアスな要素を増してよりメタルらしいどっしりとした質感となる4. War Princess、ビーム音が飛び交う中デスロール的なノリで軽快に進行する5. Deathray、シリアスなシネマ性を全面に出した6. March Of The Poozers、ファニーなSE等モリモリな7. Wandering Eye、ホーンなどの楽器陣を生かしたミュージカル風味なエクストリームメタル8. Earth、疾走度高めのモダンメロデス調の入りからスケール感を増して盛り上がっていく9. Ziltoid Goes Home、そして[Blue Sky]の11.同様合唱メタル化する11. Dimension Zまで「Blue Sky」とは一風変わったコミカルカオティックなデヴィン節を炸裂させる。しかし約7年の年月が経って彼の視野が広がったことや同路線の「Deconstruction」を生み出してからの作品ということもあって密度は本作のが断然濃いです。てなかんじで計23曲約107分のDevinワールドを丸々堪能出来るわけですが、私好みで言えばアンビエント活動の成果がメタルに結びついた「Blue Sky」の方でした。それに加え、過去の作品群からの影響が様々に出ていることもあってProject期の集大成的な作品とも取れるので、多数リリースされるDevin作品を律儀に聴いてたリスナーなら間違いなく楽しめる力作かと。



コメント

コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事