オ〇ニストによる音楽批評

Lunatic Soul/Walking on a Flashlight Beam

2015/03/04 21:51 投稿

  • タグ:
  • アンビエント
  • プログレッシブロック
  • エレクトロニカ
  • アコースティック



2. Cold
3. Gutter
4. Stars Sellotaped
6. Treehouse
7. Pygmalion's Ladder
8. Sky Drawn In Crayon
9. Walking On A Flashlight Beam

ポーランドはマゾフシェ県ワルシャワ出身のアコースティック/アートロック/プログレッシブロック系ミュージシャンの4th。東欧ポーランドが誇るプログレバンドRiversideのフロントマンMariusz Dudaによるサイド/ソロプロジェクトLunatic Soulの最新作。薄暗系プログレッシブロック/メタルな本家とは少し違い、コチラはより内向的というか人間の心の底を覗きこむような瞑想的アンビエント/ポストクラシカルな音楽性即ちリリース元であるkscopeの特色が色濃く出た作風と言えます。初期二作ではアコギやピアノだけでなく様々な古楽器を溶け込ませたPost-Progressive×Ambientやってたのですが、前作「Impressions」ではアンビエントに焦点を絞ったエクスペリメンタルなインストものに徹していました。そして今作「Walking on a Flashlight Beam」では初期作「白/黒」のようなPost-Progressiveへの回帰だけでなく、柔らかみのある淡さ/内向的な感情やひんやりとしたアンビエントを詰め込んだ云わば集大成的な作品となっている。アートワークは4作連続で巨匠Travis Smith氏。

妙な神秘性を放つエレクトロによる実験的な浮遊空間を形成し、Mariuszのヴォーカルがゆったりと音に溶け込んで、それに同調するかの如く動きを見せていく1. Shutting Out The Sunから只ならぬ緊張感を放っているのだが、続く2. Coldでは、瞑想に浸るようなミニマル/音響的な音使いからトリップホップにも通ずるダウナーな耽美性を発揮、後半ではSW直系なギターを強調したミステリアスな実験路線へと移っていく。Pink Floydを彷彿とさせる独特の浮遊感、そして中東らしいエスニックな味付けがMariuszと絡み合って絶妙なハーモニーを奏でている3. Gutter、前曲からのエスニックさを引き継ぎ1.2.同様に凄まじい緊張感を放つトラックで、聴き手の内向的な感情や孤独感を剥き出しにさせる闇属性アンビエント5. The Fear Within、前曲とはガラッと作風を変え、オルガンの音色や優しいメロディが作り出すポストプログレらしい光をイメージさせる6. Treehouseは今作では浮いているかんじがしますが、所属レーベルKscopeらしさは一番強いという面白さを持っている。そしてここからが後半の聴き所でして、Opeth譲りの渋いアコギを大胆に取り入れ、彼のエモ―ショナルな歌声と共に徐々に曲調を強めていく12分超えの大曲7. Pygmalion's Ladder、揺らぐようなアンニュイな聴き心地の曲で、後半の冷ややかなエレクトロの味付けも◎な8. Sky Drawn In Crayon、そしてラストを飾るタイトルトラック9. Walking On A Flashlight Beamでも深遠なる闇の中で彼のマイルドな歌声が響き、次第にポストロックらしい盛り上がりや耽美性が増していく美しい演出をもって本作の幕は静かに閉じられる。

ボチボチ聴けるけど妙にあっさりしてて何か物足りなさを感じた前作のモヤモヤ感を振り払う快作で、去年のベスト上位に選出するのも納得なレベルです。でもアンビエント路線を通過したことで今作に生かされている部分もあると思うので、前作でやっていたことは決して無駄ではなかったんだと今作を聴いて実感。ちなみに各楽曲でも書いたとおりダークミュージックとしても取れる本作ですが、あくまで東欧出身だけに人間らしさも感じられる薄暗さなので安心して彼の作り出す濃密な世界観にどっぷりとトリップしてほしい。てなかんじでkscope好きのためにあるようなアンビエントで、私自身が今まで感じていた以上にMariuszの凄みを味わえました。となると今年夏頃リリース予定の本家Riversideの新作にもかなりの期待が掛かってくるわけですが、それはまだだいぶ先のお話となりそうなので気長に待ちましょうか。



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