オ〇ニストによる音楽批評

Infestus/The Reflecting Void

2015/03/06 22:07 投稿

  • タグ:
  • アトモスブラック
  • ブラックメタル



1. A Dying Dream
2. Spiegel der Seele
3. Constant Soul Corrosion
4. Cortical Spreading Darkness
5. Fractal Rise of the Fall
6. Inner Reflexion
7. Devouring Darkness
8. Origin

ドイツはバイエルン州ガルミッシュ=パルテンキルヒェン出身のアトモスフェリックブラックメタルバンドの4th。Andrasなる人物による一人ブラックメタルで、初期はオーソドックスなプリブラやってたらしいのだが、私が初めて聴いた3rd「E x | I s t」では、ダークな質感とプログレにも通ずる構築性を会得して、甘くなり過ぎない程よいメロウさも良しなビターなデプレ系アトモスブラックを展開していて、その年のベストにも選出するくらいに気に入った傑作アルバムでした。そして前作同様にDebemur Morti Productionsからリリースされた約三年ぶりとなる「The Reflecting Void」でも3rdの作風を引き継いだ非常に高品質なブラックメタルやっててこれまた凄くカッコいい。

アートワークが如くドス黒い彼の脳から放たれる邪悪さが滲み出ている1. A Dying Dreamからどっしりと構えたミドルナンバーで前作の冒頭と同じような構成であることが理解できるわけですが、続く2. Spiegel der Seeleでは序盤からブラストによる爆走を重ね、湿り気のあるOpethライクな静寂パートを挟みながら再びブラックへと回帰するその姿はまるで近年のShiningを彷彿とさせる。続く3. Constant Soul CorrosionでもShiningらしさは収まることを知らず、アコギを擁した悲哀デプレなイントロから幽玄さを感じさせ、慟哭系の洗練されたブラックを展開しつつ叙情的なメロがひたすらに渦巻く。ってかんじでここまでの流れを聴けば、極々自然な緩急の付け方の上手さやプログレらしい構築センス、メロディの良さから彼の才気に惚れ惚れしてしまう。その後もドラマティックな展開や叙情性の極めて高いトレモロリフの洪水にニンマリとなる4. Cortical Spreading Darknessに2.のようなアグレッション高めの壮絶なるブラック疾走や退廃的なデプレ要素が絡み合った7. Devouring Darknessなんかも素晴らしく、とても一人で作っているとは信じられないレベルの高さである。

傑作となった前作と同路線でありながらも、より正統派ブラック然としたブラストによる疾走が目立つ作品で、その攻撃性とメロウさ、そして悲哀感漂う静寂パートが上手く両立しています。そのメロウさやアトモス的なふんわり感もよくあるポスト系のバンドとは一味違い、惜しくも解散してしまったAltar Of PlaguesやThe Great Old Onesみたいな甘過ぎない硬派さを持っている。更に楽曲の展開なんかも「静/動」展開故にバラエティに富み、長い尺の曲が大半を占めていますが余裕で聴き通せると思います。まぁアトモス厨な私からするとやはり前作に軍配が上がってしまうのですが、今作の漆黒さと悲哀的な叙情感を併せ持ったメリハリな作風も美味しく頂けるかんじで、ベスト選出で迷っていた内の一枚です。


コメント

コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事