オ〇ニストによる音楽批評

Agalloch/The Serpent & the Sphere

2014/10/15 00:03 投稿

  • タグ:
  • アトモスブラック
  • ネオフォーク
  • ポストロック
  • アンビエント



1. Birth and Death of the Pillars of Creation
2. (serpens caput)
3. The Astral Dialogue
4. Dark Matter Gods
5. Celestial Effigy
6. Cor Serpentis (the sphere)
7. Vales Beyond Demension
8. Plateau of the Ages
9. (serpens cauda)
10. Omega Serpentis (Bonus Track)
11. Sigma Serpentis (Bonus Track)

USはオレゴン州ポートランド出身のダーク・ネオフォーク/アトモスフェリックブラックメタルバンドの5th。自然崇拝系ブラックメタルの元祖と言える偉大なバンドで、近年盛んなポスト勢やカスカディアンブラックにも多大な影響を与えている。そんな彼らの音楽性は近年のポストブラック系のゆるふわで温かいサウンドとは違い、こちらはもっともっとコールドで雄大な自然界を生々しく表現、初期Ulverあたりに通ずるフォーキッシュな要素や神秘性まで貪欲に取り入れたアトモスブラックの極みみたいな作風。そんな彼らの結成19年にしてようやく国内盤がリリースされた5th「The Serpent & the Sphere」なんだけど、今回もAgallochらしい荒涼な世界観をダイナミックに描くもかなり堅実な出来となっています。ちなみにストーナー/スラッジ/デス系のバンドをよく手掛けるBilly Andersonがプロデュース、あと今年新作も出してるカナダのネオフォークバンドMusk Ox(Nathanaël Larochette)がアコースティックギターでゲスト参加しています。

どっしりとしたドゥーミーさと冷徹なサウンドに枯れたアコギの音色が染み渡る10分超えの1. Birth and Death of the Pillars of Creationから実にAgallochらしい曲であり、ラストに掛けての静寂パートを絡めたメロウなアコギ路線はグッとくるものがある。本来のサウンドに比べてやや粗暴でノイジーなブラックパートが光る3. The Astral Dialogue、ポストロック/シューゲ並の淡さで始まり、徐々にブラッケンなトレモロやメロウなソロパートへと流れ寒々しさと切なさを増していく4. Dark Matter Gods、メランコリーな甘めのメロディがイカす序盤からメロブラっぽく疾走パートへと突入、そして自然崇拝派らしくマイルドで情緒溢れる展開へと持っていく5. Celestial Effigy、そして後半の山場となる8. Plateau of the Agesでは、ポストブラック/ドゥーム/アコギ要素など巧みに取り入れたアートでプログレッシブなインストやってのけてたりと新たな境地にも挑戦してたりする本作、なんだかんだで先駆者Agallochの底力凄いなぁと思い知らされました。終盤におけるAn Autumn For Crippled Childrenばりのポストロックな展開も新鮮さを感じた。あと大曲の間に真夜中の自然を想起させるようなアンビエンスなアコギナンバー2.6.9.を置くことで、作品として上手くメリハリを付けているのも良いね。ついでに国内盤ボートラの方は→10. Omega Serpentisではアンビエント、11. Sigma Serpentisでは枯れたアコギによる渋いインストを披露している。

ここまではいいことにしか触れませんでしたが、いくつか気になった点があって、とりあえず過去の名盤群と聴き比べると如何せん楽曲自体のクオリティは高いものの掴みが弱いです。つか2nd~4thって凄い名盤だよねって今更ながら実感。初期作における森の奥深くにて生息している神々みたいな神秘性に、前作「Marrow Of The Spirit」で見せた胸を締め付けられるようなドラマ性やエピック感/ポスト感が薄れているのが辛い。まぁ今までの快進撃が異常過ぎただけなのかもしれませんし、ポスト/アトモス系の後続バンドが世に出過ぎたことでソレ系に対する耳が肥えてしまったから余計にハードルが上がっているというのもあるかも...ってなかんじでなんだかんだ良作には違いないが、とてもじゃないけど今年のベストにこれ挙げるのは厳しいなぁって結論に至りました。上半期の時点では無難にベスト入れとくかって後ろの方に無理やり突っ込んだけどアレはなしでwでも狼さんのアレに比べればそれなりにはファンの期待に応えている作品だと思うので、過度な期待をしなきゃ十分聴けますよ。



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