オ〇ニストによる音楽批評

Vampillia/the divine move

2014/05/08 04:54 投稿

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1. lilac (bombs 戸川純)
2. mirror mirror (bombs BiS)
3. endless summer (feat. ツジコノリコ)
4. tasogare (feat. 長谷川裕倫)
5. good religion (feat. Mick Barr)
6. dizziness of the sun (feat. ツジコノリコ)
7. oops i did it again (bombs BiS)
8. endless (massaka) summer (feat. ツジコノリコ and 真部脩一)
9. lilac bombs 戸川純 (perfect ending ver)

日本は大阪出身のポストロック/アヴァンギャルド/モダンクラシカル/ブラックメタルバンドの企画盤。去年の夏の終わり、突如ネットに挙げられたVampillia流ポストブラック的な何かをやってのけた名曲「endless summer」、同時にリリースされたEP「Hefner Trombones Vol.1」、そしてCandlelightのbandcamp限定配信でAttila(Sunn0)))/Mayham)とのコラボシングル「White Silence」などを立て続けにリリース、そして相対性理論を脱退した真部デトックス脩一(真部脩一)が加入など何かと話題の今日本で一番勢いにノッている気がするブルータルオーケストラを自称する大所帯バンドである。私が初めて彼らを認知したのは以前のEPの記事っでも書いたとおりAlcest初の来日公演のときで、荘厳なクラシカルと大地を揺らす轟音が奏でる破天荒極まりないライブパフォーマンスにド肝を抜かれた。Alcestのライブは予想通り天に召されるようなゆるふわシャレオツな流れは容易に想像できるってあたりからも、凄く心地いいんだけど衝撃とかはないみたいなかんじで、先日の二度目の来日公演を見てもその感想は変わることはなかった。今思うと受付で見たいバンド云々でアルセかアルセストどっちで言うべきか迷い結局Vampilliaと答えたのは間違いじゃなかった(無理やり)。そんなこんなで普段あまり国産のバンドに目を向けることがない私も、このバンドの動向だけはしっかりと追っていたわけです。満を持してリリースされた本作は、Vampillia待望の1stアルバムに先駆けての豪華ゲストを迎え、真部氏が歌詞と歌メロを書いた「bombs」とかいう企画作品で、World's End Girlfriend主催のレーベルVirgin Babylon Recordsからのリリースとなった。そして腐れじぇ~ポップシーンにあえてVampilliaが挑戦してみたというコンセプトまで付いている。かの名曲「endless summer」も2パート収録されており、アナログ限定リリース(CD付属)だったため入手してなかったんだけど、これだけで買う価値があるね。それで気になるゲスト陣は、彼らの作品ではお馴染みになった感のあるツジコノリコ、サブカル歌姫戸川純、あぶらだこの長谷川裕倫、外タレはUSポストブラックのトレモロの嵐で無双するKralliceのMick Barr、そして何かと色んなとこに首を突っ込みたがるアイドルグループBiSと極めて濃い連中が招集されている(こいつらの人脈半端じゃないw)。そんな話題性抜群の本作の内容はと言うと、とても企画盤とは思えない濃密な一枚でそらもうビックリした。それと同時にこのバンド追ってきて正解だったなぁと実感した瞬間でもあった。

日本昔話的な和の匂いがプンプンなストリングス入りの曲で、理論クサい学研の~などサブカル臭のする歌詞を戸田純が歌い上げることにより、一層奇妙で胡散臭い仕上がりとなっている1. lilacから若干の違和感を覚えるが、クラシカルなパートは実にVampilliaらしく美しいです。そして世間を色んな意味で騒がしているかもなアイドルグループBiSをフューチャーした2. mirror mirrorなんだけど、これがBiSとかいうアイドルあざとすぎるやろとべビメタと揃ってちょいちょいディスってきたのを忘れさせるくらい名曲に仕上がっている。静寂の中響き渡るピアノの旋律に合わせ、BiSのメンバーが合唱っぽく歌うイントロ~高揚感のあるストリングスを生かしたポストロック/シューゲイザーらしい展開からの壮絶なポストブラックに通ずる激情を奇声と共にぶつけるそれこそendless summerVer.2かよってレベルでブッたまげる。夏の終わりを告げる~でお馴染みの名曲3. endless summerへと移り、改めてじっくり聴いてみた結果→やはり名曲は名曲でしかなかった。壮麗なストリングスによる切ないポストロックにツジコノリコによる朗読のような語りが絡み合い、優雅なクラシカルパートを超えてpossession mongoloid氏による野獣のような咆哮とポストブラックに通ずる爆発的なトレモロを全身で浴びて幸せ~な展開はやはり素晴らしいに尽きる。そして再び静寂へと戻りゆっくりと空へと解き放たれていく。正直この2曲だけでも本作を買う価値があると思うねー。パンク系ベテランあぶらだこの長谷川裕倫をゲストに迎えた4. tasogareは静寂パートにもの哀しいピアノを乗せて彼のぼそぼそと呟くようなヴォーカルにそのタイトル通り黄昏れる。中盤からは一転、Battlesのようなマスロック的な楽しい曲調へと移ったかと思いきや、エクストリームな演奏や長谷川氏のギョエェなヴォーカルとVelladonによるオペラチックなヴォーカルが入り混じる非常にカオスな流れを形成していく。急展開過ぎて若干不自然なかんじもしますが、彼らの音楽性からすれば全然許容範囲内でしょう。USはポストブラックメタルバンドKralliceのMick Barrが参加した5. good religionは思ったとおりトレモロリフ多様のブラックらしいエクストリームな曲。しかしVampilliaと言えば静と動が合わさってナンボだってのと、途中少しだけ出現するクラシカルなパートが一番ピンと来た時点でねwまぁ意外性は皆無だけどなんだかんだカッコいいよ。瀬戸内国際芸術祭関連事業のために書き下ろされたらしい6. dizziness of the sunでは再びツジコノリコが繊細ながらも強く儚く歌い上げるポストロック調の曲で、包み込まれるような優しいピアノの音色によるミニマルな序盤~緩やかに盛り上がっていき、Monoのような壮大なスケール感でもって叙情的なメロディで一気に解放され大団円を迎え、感動的な展開を見せる後半のハイライトと言える曲。そんな涙ホロリな流れからまたBiS参加曲か~と思いきや彼女らのゲップ音や泣き声、あげく喘ぎ声まで出てきて一気にムード台無しなかんじの7. oops i did it againでやっぱこいつら好かんなぁとさっきの2.で褒めたのを帳消しにしたい気分に...そういう無理やり出しゃばるとこが好かんのじゃて。ほんで最後にありがとう!とか抜かしてたけどすいませんでしただろうがと。気を取り直して、ここからは本編の曲をアレンジしたオマケみたいなもんで、真部氏が歌ってるヴァージョンのendless summerこと8. endless (massaka) summerは単にサビのところで「真っ逆さまー」とラッパーの如くノリノリで歌っている。これが案外面白い。9. lilac bombs 戸川純 (perfect ending ver)ではよりピアノが前に出ており、これはこれでいいかんじ。ちょっとノイズっぽくも感じたねー。てなかんじでゲスト陣の強みを生かし、静のVampilliaらしさが強調されたこれからVampilliaを聴くって方への挨拶代わりには打ってつけな内容でした。

元々このバンドの凄さはライブ含め十分理解してましたが、改めてVampilliaというバンドのポテンシャルの高さを見せつけられましたね。動のパートも所々出現するのですが、基本的にはピアノやストリングスが織り成すポストロック風味の楽曲が揃った静のパートが強い作品となっています。個人的にはNadjaとのコラボ作「The Primitive World」的な静の要素が強いVampilliaの方が好みだったりするので、本作の路線は堪らないです。実際ライブを見て鳥肌が立つほど衝撃を受けたのは静謐なクラシカルパート(ちょいと和風)の美しさだったりするからね。でもちゃんとエクストリームなブラックパートもここぞという場面で登場してるからトータルで見ればヴァリエーションは十分豊か。そんで一番心配だったBiS階段ならぬBiS×Vampillia的な両者のコラボ作ではなくてホント良かったwそれで今作の立ち位置としては、今までのEPとかと違って一曲単位で聴けるといった点など含めもVampillia入門に打ってつけな一枚なんじゃないでしょうか。じぇ~ポップに挑戦なコンセプトだからかポップな感触も今までで一番強いので取っつきやすいでしょうし。とは言っても今作が普段「会いたい会えない」なクソみたいなラブソングだの、心が籠ってるかも定かではない「友情」とか「絆」な~んて歌詞が度々出てくるような音楽聴いてる連中に響くかと言われればNoなんだろうけどねw故にいくらポップス化したって所詮聴くのはポスト系追ってる連中やメタラーが大半なわけでやっぱり狭い界隈でしか評価されなさそう...どっちにせよ新しいポップスの形を示したとして評価されるべき作品であることは確かです。そして今一番面白いことやってて海外を含めたシーンの流れが読めてるバンドと言えるでしょう。当然年間ベスト行きも。ちなみに本作の二週間後にリリースされた待望の1st「My Beautiful Twisted Nightmares in Aurora Rainbow Darkness」の方も絶賛ヘビロテ中なので、そちらも近々取り上げたいと思っています。






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