オ〇ニストによる音楽批評

湯川潮音/濡れない音符

2013/12/17 03:38 投稿

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  • フォークロック
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  • アコースティック
  • 邦楽
  • トラッド



1. りゆう
2. かかとを鳴らそ
3. 羽のように軽く
4. ラストシーン
5. 光の中の家
6. にじみ
7. ニューヨーク
8. 砂の鳩
9. 60年後の灯台守
10. 笛吹きの少年
11. その日わたしは

国産ポップス/フォークシンガーソングライターの4th。インディ時代のものも数えるともっと多いはず。「逆上がりの国」で初めて彼女の音楽を聴いてメジャー1st「湯川潮音」で魅了された覚えがあって、オーガニックなアコギを擁した温かみのある癒し音楽ながらどこか陰のあるあたりに引きつけられ、出た当時はヘビロテしていましたね。あとはくるりの岸田繁やスマパンのJames Ihaから楽曲提供して貰ってて今考えると凄く豪華なバック体勢だったんだなぁと。で本作「濡れない音符」はいつもの日本で作曲しイギリスで録音するという流れではなく、なんとUSはNYブルックリンというインディ界隈の総本山でっていう俺得な流れを組んでいます。というのも色々ググってみると、前作リリース後スランプに陥っていたらしくそこから抜け出すべく旅をしていたそうで、それがブルックリンだったようです。そこでライブ活動なりブルックリンのミュージシャンと触れ合うことで得たものが本作に表れています。プロデュースは「逆上がりの国」から彼女に関わりその音楽性をより理解している鈴木惣一朗さんが担当。

素朴なフォーク/トラッド路線の曲でクラシカルで叙情感溢れる音色に乗せて彼女の純粋で透き通った歌声が優しく響きわたる1. りゆう、今までにない要素であるピアノをフューチャーしたリズミカルで楽しげなアップテンポナンバー2. かかとを鳴らそ、ここら辺がNYでの生活による影響だろうか。本来の彼女らしい癒しトラッド要素でゆったり聴かせる3. 羽のように軽く、中盤のファンタジックなミュージカル調の路線からのジャズいサックスあたりがツボな4. ラストシーン、帰国後の家作りの間に生まれたという5. 光の中の家は美麗なピアノでアットホームな雰囲気を演出する温かみのあるナンバー。おおはた雄一作詞作曲による6. にじみは若干シリアスな雰囲気が包み込む曲で、静謐な世界観の中しっとりと歌い上げる極上のバラードナンバー。夜が凄く似合う曲ですな。ちなみに私はにじみというと二階堂さんのイメージが強いですwタイトル通りNYに居たときに出来た曲で、オサレなムードを醸し出してリズミカルにカクテルの名前がサビで飛び出す7. ニューヨーク、繊細な音使いにクラシック的なアプローチの短曲8. 砂の鳩、哀愁感漂う懐かしいメロディで優雅に優しく聴かせるスロウな9. 60年後の灯台守world’s end girlfriendによるアレンジを加えた10. 笛吹きの少年は表現豊かな歌声に、ドラマチックで優雅な楽曲展開、そして切なさMaxの静謐クラシカル要素で聴き手を感動させる名曲。後半のハイライトは間違いなくこの曲だね。ラストはアコギ癒し系で若干アンビエンスな要素も含んだ11. その日わたしはという流れで、今までのアルバムとはちょっと違う(特にピアノ)ものの、クラシカル/トラッド方面の癒し要素は衰えることのない彼女らしいアルバムでした。

空白期間から抜けだし一皮剥けた最新作も中々の力作に仕上がっていました。些細なものの明らかに今までとは違い、NYで培ったであろう新たな要素が粒ぞろいな楽曲に溶け込んでいます。上記でも書いたとおりピアノが大々的にフューチャーされていて彼女の楽曲の幅がまた広がったかんじです。そして本作はNYに旅立って~家作りなどと言った過程を得たことからより日常感のあるシンプルな率直が前に出ているのでかなり取っつきやすい。かつ本来のクラシック/トラッドの要素自体も更に洗練されているため聴いていて実に心地よい。まぁ敢えて一言加えるなら、USインディ的な要素が本作がそれらに通ずるものかどうかと聴かれたら流石にうんとは言えないって件。聴く前はもっとUSインディっぽさが出てると思ってて期待しちゃってたからさ。なのでやるならもっと大胆にすり寄ってくれても良かったかなと。ちなみにHMVの記事で彼女がNYで出会ったインディ作品が取り上げられてますが、Grooper/Dirty Projectors/Sufjan Stevensあたりが並んでてインディにモロ染まってるなぁとwやっぱり違う土地に行くと聴くものも変わってくるのでしょうかね。その点はともかく、聴き込むほどに味わい深くなっていくであろう作品であることは確かです。潮音さんファンは勿論のこと、癒し系ポップスやインディ/アコギ等が好きならきっと気に入ると思いますよ。良作。



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