オ〇ニストによる音楽批評

Ulver/Messe I.X-VI.X

2013/12/04 02:00 投稿

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1. As Syrians Pour In, Lebanon Grapples With Ghosts Of A Bloody Past
2. Shri Schneider
3. Glamour Box (Ostinati)
4. Son Of Man
5. Noche Oscura del Alma
6. Mother Of Mercy

ノルウェー産元ブラックメタル現アンビエント/クラシカル/エレクトロニカ/ポストロックバンドの10th。Kristoffer Rygg率いる変幻自在な音楽集団として知られていて、メタル界隈では最も作風が変化しているバンドだと思います。元々はポストブラックの先駆け的なことや音圧半端ないプリブラ、ネオフォークなどやってたバンドなんだけど、突然エレクトロニカやクラシカル音楽に走り、挙句にはKscope入りしてポストプログレッシブな「Wars Of The Roses」をリリース、他にもライブ盤だったり60's音楽をUlver流に解釈したカバー作品「Childhood's End」など近年はかなり活発的に活動している。「Childhood's End」収録の元曲なんて一曲も知らなかったけどなwそんな彼らのフルアルバムとしては3年ぶりとなる「Messe I.X-VI.X」はこのダークでアンニュイなアートワークからして今回もまた作風が変化してるということをずっとUlverを追ってる人なら容易に想像できるだろう。本作、同じくノルウェーのオーケストラ集団Tromsø Chamber Orchestraとがっちりコラボした結果、前作のKscope系ロック/ポストロック色は減退し、「Shadows Of The Sun」を彷彿とさせる弦楽器やアンビエントなどに用いられる環境音なんかを取り入れた壮大なモダンクラシカルへと変化を遂げている。

壮大なオーケストラを擁しながらもよくあるシンフォ系統のものとは違って、ダークで重々しい空気を醸し出す曲で、映画のサントラを聴いているような気分になる1. As Syrians Pour In, Lebanon Grapples With Ghosts Of A Bloody Pastからクラシカル/音響系の闇世界に引き込まれる。特にラスト3分あたりからの悲し気な旋律を奏でるピアノパートを挟んでからの静謐な暗黒クラシカルへとなだれ込んでいくあたりで身ぶるいがするくらいの本気度を感じた。脱メタル後のエレクトロニカを散りばめたようなアンビエントナンバー2. Shri Schneiderはよくある耳に残らない系アンビエントとは違って、ミステリアスで浮遊感のある妙にトリップできる曲。そのミステリアスなニカを受け継ぎつつ、徐々にクラシカルな要素によりスケール感と激しさを増していく3. Glamour Box (Ostinati)、1.と同じく本作で凄みを感じるもう一つの瞬間がココで、聴く者全てに語りかけるようやくお出ましなGarmの渋いヴォーカルから崇高で壮大なオーケストラサウンドへと聴き手を導く4. Son Of Man、後半はクラシカルに展開されそのスケール感に圧倒される美しい曲。それにメリハリがモロに出てるのもかなりツボを突いてきますね。不気味で不安感を煽るダークアンビエントな5. Noche Oscura del Alma、本日二曲目のGarmのヴォーカルが入りオーケストラによる静謐な雰囲気が濃くなり、鐘の音のようなSEなどがより神聖さを表現している6. Mother Of Mercyと今回も一筋縄じゃいかないものの近年の流れを引き継いだ前衛的なUlverの音楽をやっていました。

徹底した音に対する拘りは、オケやGarmのヴォーカルすら環境音と化して、静謐な音楽を壊さないようにゆったりと侵入してくる。そんな音楽に初めはこれはアリなのかと思ってましたが、聴いているうちに一体となって耳に馴染んできましたね。実際オーケストラと言ったものの派手な部分はほんの少しだけで、あとは真っ当な癒しダークミュージックな仕上がりのため、どうしても聴く人を選ぶであろう作品であることは確か。まぁ「Perdition City」以降の路線が好きなら許容範囲内だと思われます。あとクラシカルに卒倒したプログレという意味ではThese New Puritansの最新作とも共鳴し合うかも知れない。突然変異起こした衝撃ではTNPの新作のが上でしたけど。モダンクラシカル系統の洗練された凄みを味わってみたい方や実験/前衛音楽好きにオススメしたいです。



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