オ〇ニストによる音楽批評

Prefab Sprout/Crimson / Red

2013/11/04 18:30 投稿

  • タグ:
  • インディ
  • ポップス
  • アコースティック



1. The Best Jewel Thief In The World
2. List Of Impossible Things
3. Adolescence
4. Grief Built The Taj Mahal
5. Devil Came A Calling
6. Billy
7. The Dreamer
8. The Songs Of Danny Galway
9. The Old Magician
10. Mysterious

UK北東部ダラム地方ウィットン・ギルバート出身のシンセポップバンドの9th。Paddy McAloon率いる稀代のポップ職人Prefab Sproutの最新作。80年代を代表するネオアコ/シンセポップアルバムの一枚として名高い「Steve McQueen」を始め、良質なアルバムを作り続けてきた本バンドでありますが、かくゆう私は当然リアルタイムで聴けていない後追いリスナーであります。兄弟でもあるMartin McAloonが2010年に脱退した後はPaddyが唯一のオリジナルメンバーとなって半ば独りプロジェクト化、約4年ぶりとなる本作「Crimson / Red」も打ち込みを中心にレコーディングされたシンプルで素朴なサウンドを聴かせ、かつてのロマンチズムこそ感じられないものの爽やかなアコースティックソングを好むのであればこれ以上ない作品に仕上がっています。エンジニアは1997年作「Andromeda Heights」以降作品に携わるCalum Malcolmが担当。ちなみに「The Devil Came A-Calling」というタイトルで先にネット上にリークされた音源を録り直したものなのだとか。

一聴して、オープニングを飾る1. The Best Jewel Thief In The Worldこそ、パトカーのサイレンの音混じりのイントロを抜けて、瑞々しく明快なメロディラインを引っ提げて気持ち良く弾き語っていく実にらしい楽曲であるが、アルバムを聴き進めるに連れてアコースティックギターによる郷愁を誘うような穏やかな曲調(2./4./5./7.9.など)がメインになっていき、かつてのサウンドを期待してる方からすると大人し過ぎるというか予定調和過ぎるのかもと思ったりも。しかし、後追いの私としてはこの親しみやすいアコギスタイルもアリなかんじで、フォーキーな佇まいな2. List Of Impossible Thingsやシンセの音がポップな楽曲によく馴染んだ3. Adolescence、「Andromeda Heights」期の楽曲に近いしっとりと弾き語る4. Grief Built The Taj Mahal、青臭いメロディを携えたネオアコ路線の6. Billy、ドリームポップ系のふんわりとした温かみのある音使いとさりげなく導入されたハーモニカの音色がツボな8. The Songs Of Danny Galwayなど今尚色褪せない極上のポップソングが並びます。独りプロジェクト化していることや録音のチープさ、ニューウェイブ系に通ずるロマンチックな描写が気薄であるなど過去のアルバム群に比べると多少魅力に欠ける点はあれど、時代の流行り廃りに左右されない至ってポピュラーで親しみやすい楽曲は多くのリスナーから支持されることは明確。少なくとも2000年代以降の彼らの作品中一番の出来だと思います。


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