オ〇ニストによる音楽批評

Dark Suns/Everchild

2017/01/13 07:30 投稿

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  • プログレッシブロック
  • ジャズ
  • アートロック



1. The Only Young Ones Left
2. Spiders
3. Escape With the Sun
4. Monster
5. Codes
6. The Fountain Garden
7. Unfinished People
8. Everchild
9. Torn Wings
10. Morning Rain
11. Yes, Anastasia (Bonus Track)

ドイツはザクセン州ライプツィヒ出身のプログレッシブ/ジャズロックバンドの5th。Niko Knappe(Vo/Dr)によって1997年に始動したバンドで、2ndあたりまではプログレッシブ~というよりもNovembreを彷彿とさせるようなメランコリックなゴシック/ドゥームといったバンド名が示しだすような影のあるダークなスタイルが魅力でしたが、前作「Orange」(未聴)ではサイケ/アヴァンギャルド方面へと舵を切り新たな作風を模索していたのだとか。それから約5年経ってリリースされた「Everchild」では、サックスやトランペットといったジャズ要素による軽快なアンサンブルやドリーミングなフレーズが華やかに広がっていく優雅な聴き心地、プログレだけでなく、ポスト/アートロック/ジャズ等様々なアプローチを柔軟に吸収して、Kscope所属のバンドにも通ずるようなアーティスティックでモダンな音像を獲得するに至ります。脱メタルしたことによりダークでへヴィな世界観は失われてしまいましたが、仄暗くマイルドな雰囲気が包み込む本作によりバンドのオリジナリティを見事に確立しています。OpethやAnathema,Riversideといったバンドと同じような音楽遍歴を辿ったことは正解だったと言えましょう。

愉快なトランペットの音色が鳴り響くオープニングナンバー1. The Only Young Ones Leftからして繊細な囁き~力強いヴォーカルによる高い表現力と浮遊感のあるアートロック調の幻想的な幕明けを飾り、Riverside風のほんのり薄暗い叙情センスとサックスの音色が交差してムーディな色気を醸し出す怪しげな世界観を形成する2. Spiders、終始柔らかなタッチで描き出す近年のThe Pineapple Thiefのようなあっさりとしたオルタナナンバー3. Escape With the Sun、サックスとピアノの旋律によるR&B顔負けのジャジーで洒落た夜の空間を女性Voとの美しいデュエットが彩りを添える作中最も大人な雰囲気漂っている4. Monster、Leprousのようなキレの良いリフ使いとコロコロとリズミカルなテンポで様々に表情を変えながら、後半からはオルガンの演奏に合わせて足早に進行していく先鋭的プログレメタル風の面白い曲構成がツボな5. Codes、アンビエント系のミニマルな幕明けから徐々にダイナミックな演奏で盛り上げる7. Unfinished People、不穏なピアノの伴奏~爽やかなロックサウンドで駆け抜ける中盤まで~少しずつ緊張感を纏った倦怠的でへヴィな曲調へと移り変わっていく表題曲8. Everchild、そして、前曲のダークなへヴィ路線から一転して柔らかく幻想的な光が降り注ぐ解放感に溢れた終盤の9. Torn Wingsと10. Morning Rainがどんよりとしたムードから希望に満ち溢れた壮大なシンフォニーへと導いていきます。崇高なクラシカルパートと大らかな歌声が美しい旋律を奏でるボートラの11. Yes, Anastasiaも良曲。Dark Sunsというバンドに対してはゴシック/ドゥームメタル調だった初期の印象しか残っていなかったため、そこまで期待値は高くなかったのですが、いざ聴いてみて思いのほか私好みの作風へ進化していて驚きました。ジャズ系の楽器の美しい音色も然る事ながら、闇と光を自由自在に行き来しながら時に緩やかに時にダイナミックな演奏を聴かせるストーリーテイストさながらの曲構成は正にポストプログレリスナー向けの作品と言っていいでしょう。上記で挙げたバンドにピンときたのであれば是非オススメしたい逸品です。


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