オ〇ニストによる音楽批評

Illyria/Illyria

2016/12/30 17:30 投稿

  • タグ:
  • ポストロック
  • ポストブラック



1. Cold Summer
2. Temptation
3. Sarim
4. Into The Pleiades
5. Wonder
6. Grandeur
7. Origins
8. Anthropos
9. God Of Chaos

オーストラリア西部の都市パース出身のポストブラック/ポストロックバンドの1st。2013年結成の若手5人組によるバンドで、美しいノイズギターの音色と激情/クリーンの両刀ヴォーカルを駆使した温かみのあるポストブラックという、AlcestやLes Discretsあたりの典型的なフォロワーといったスタイルでありながら、曲によってはメロデス~テクデス系のフレーズをほんのり忍ばせていたりと一味違う要素が含まれているのがこのバンドならではの個性といったところか。アコギの弾き語りによるイントロを挟み、メロウなトレモロを伴って爽やかに疾走する1. Cold Summerからして、要所要所でのアコースティックパートやDeafheavenのような温かみのあるモダンな音作り、静と動を行き来しながら激情~エモ―ショナルなクリーンVoで表現していく如何にもポストブラックな冒頭曲は中々のインパクトを受けます。叙情的なトレモロやメロブラ級のブラストでファストに駆け抜ける攻撃的な前半パート~幻想的な静寂をカットインさせつつ、ダイナミックに轟音を解放する後半パートへとスムーズに運ぶ2. Temptation、光属性の煌びやかなメロディによるクリーントーンのポストロックを披露する3. Sarim、2.同様の進行パターンながらもエピカルでフレーズの数々にトキメキを感じずにはいられないメロウ過ぎるブラックゲイズナンバー6. Grandeur、Deafheavenの2nd収録の名曲「The Pecan Tree」を彷彿とさせる多幸感に満ち溢れた壮大な轟音ポストロックをかき鳴らす10分超の大曲7. Origins、Fallujahのようなアトモスフェリックな空間意識を高めたテクニカルデス風に仕上げるという一風変わったアプローチのラストナンバー9. God Of Chaosまで高いクオリティの楽曲が並びます。上記を含むポストブラック系のバンドに心底惹かれている身としてはまたしても良質なバンドが現れたと喜びを感じる一方で、若手バンドらしい好きな要素詰め込みました感がよく反映された作品でもあり、ポストブラックに軸を絞ってもハードコア風なのかポストロック風なのかイマイチよく分からないし、静と動の落差も妙に忙しく、全体的にまとまりの無さを感じてしまうあたりの改善が今後の課題ですかね。それでも新人としては上々の内容ではあります。


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