当初は僕の著書「すべての始まり」の舞台裏、つまり本では描いていない部分を綴っていくつもりだった。
そうなると、話は全て過去になる。
しかし嬉しいことに、過去ではなく今の X JAPANが、とても強いエネルギーで動き始めている。
特に、連載を始めた後、全世界ベストアルバムをリリースしてから、YOSHIKIはクラシカルアルバムとそのツアーが終わった流れをくみつつ、今度はX JAPANというバンドとしての動きを活発に行なっていった。
そうなると僕も今の X JAPAN、そしてYOSHIKIを描きたくなる。
そうして、気がつくと僕は X JAPANとYOSHIKIの「今」を描き、10月のマジソンスクエアガーデン公演以降は「輝く未来」すら描くようになった。
また、今年に入ってスタートした「ART OF LIFE」の音楽解説は、YOSHIKIの圧倒的な才能を明らかにしたくて書き始めたものだ。
そして、作品の中にYOSHIKIの人生がそのまま刻まれていること、そのために「ART OF LIFE」は生きている作品である、という真実、さらにはその「ART OF LIFE」が今のYOSHIKIを支え『YOSHIKI自身がXとなった』という事実・・・それらすべてを加えつつ、半年近くにわたって描いた。
この「ART OF LIFE」にまつわる連載も、内容の中心がYOSHIKIの才能であること、そして作品が生きている、ということもあって、やはり今を描いているわけだ。
過去ではなく、今。そして未来・・・。
それらを描いているうちに1年経ってしまう、というのは、 X JAPANのファンにしてみれば夢のように幸せなことだ。
なぜならある時期、X JAPANには、「今」も「未来」も見えなくなっていたからだ。
そんな風に、「過去」を描く予定だったのが、ついつい「今」と「未来」を描いているうちに、僕はとても大切なことに気づいた。
それは、YOSHIKIが命懸けで闘いながら「今」と「未来」を創り上げてくれているおかげで「過去の記憶」がちゃんと幸せなものになっていく、ということだ。
そうなんだ・・・。
「今」と「未来」があるからこそ
「過去」は輝くんだ。
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