TAIJI、元気か。

 俺は相変わらず音楽三昧の毎日を送ってるよ。
 
 昨日もライブの予定だったんだ。 

 TAIJIの生んだ大切な曲、「Voiceless Screaming」を水晶と連弾しようと思いついてね、二人で練習しててね、やっぱり本当にいい曲だと思ったよ。
 
 
 
 
 TAIJI、俺さ、30年以上も経った今頃になって、めちゃくちゃ当たり前のことに気づいたんだよ。
 
 今日はそれを伝えたくてこの手紙書いている。
 
 まあ、少し照れくさいから最後にするけど。
 
 この前もXについて発信している熱心なファンの人に対談で尋ねられてね。
 
 いつも通りの話をした。
 
 TAIJIとはミュージシャン同士の関係だった、って。
 
 それにね、俺はTAIJIにだけ涙を見せていた、って。

 あれは本当に不思議だったな。

 何でだろうね。
 
 俺が覚えてる一番最初は、渋谷のあいうえお、っていう居酒屋で、初めてXの5人とStaff Room3rdのメンバーが飲んだ時だったな。
 
 俺が、絶対に負けたくない、勝ってやるんだ、って言いながら泣き出した時さ、ジージャン着てたTAIJIが俺の肩を抱きながら「大丈夫だよ、津田さん、俺たち絶対負けないからさ、一緒に頑張ろうぜ・・・」って慰めてくれたんだよな。
 
 あれから何度か俺はTAIJIにだけ、他のメンバーに見せない涙、見せてた。
 
 そういう時のTAIJIは男らしくて優しかったんだよな。
 
 いつも嬉しかったよ。
 
 それに不思議なもんで、そういう時TAIJIは俺を慰めてくれてるのに、俺は勝手にTAIJIからメンバーへの愛情や信頼を感じ取ってたんだ。
 
 俺にとって、TAIJIらしさってのが、そのまま大切にしている人間へのTAIJIの熱い友情や信頼だったんだね。

 もちろん、TAIJIの自分自身や音楽、そしてメンバーとバンドへの「誇り」と、音楽や演奏への熱い想いは本当に凄いと思ってたし、そんなTAIJIを俺は尊敬してた。

 でも、今日俺がTAIJIに伝えようと思ったのは、また別のことなんだ。
 
 ちょっと照れくさいけど、言うよ。
 
 30年以上も経って今さらだけど。
 
 その、TAIJIらしさのことなんだ。
 
 俺はやっぱり、TAIJIが好きなんだ。
 
 簡単なことだった。

 好きなんだよ。

 シンプルなこと。

 俺はTAIJIが好き。
 
 好きだからさ、今でも俺はTAIJIに会いたい、ってよく思う。
 
 去年の誕生日に「Voiceless Screaming」演って贈ったのもさ、TAIJIのことが好きだからだったんだよな。 

 訊かれて、TAIJIと俺はミュージシャン同士でTAIJIには涙見せてた、って話すのもさ、TAIJIのことが好きだからなんだよ。



 ごめんな、TAIJI。
 
 最後に赤坂でゆっくり話した時にさ、言えば良かった。
 
 俺はTAIJIが好きなんだよ、って。  

 そうやって当たり前のことに気づいてみると、あの頃Xのメンバーは、お互いがお互いに本当に好きだったんだよな。
 
 大好きだから、一緒に頑張れたんだよな。
 
 懐かしいよな、TAIJI、あの頃が。
 


 TAIJI、ありがとな。
 
 沢山のファンに夢見せてくれて、勇気づけてくれて、

 最高の音楽と、バンドとして、ミュージシャンとしての誇りを見せてくれて。

 ありがとう・・・。

 また会おうな、TAIJI。

 俺、大好きだからな。


 
 2022年7月17日 津田直士


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 文中にあるように、僕は音楽ユニットI.o.Youとして、昨年の7/12、TAIJIの誕生日に「Voiceless Screaming」のカバー音源をアップしました。

 もしよかったら、TAIJIと一緒に聴いてみて下さい。



 このカバーに込めた想いとレコーディングについての詳細はこちらの記事で読むことができます。
→ 「Voiceless Screaming」Covered by I.o.Youに込めた想い