前回書いたように、音楽ジャンル的な分け方ではなく、身体が感じるビート感で言えば、Xの速い曲におけるYOSHIKIのドラミングは、スネアのビートが刻む2ビートではなく、キックとスネアの組み合わせが刻む16ビートに近い。
 
 そして、楽曲自体は1小節に4拍の4分音符を感じる一般的なリズム感で成り立っている。

 これがXの速い曲の最大の特徴だ。
 
 音楽を言葉で表すのはとても難しいが、この僕の説明にかなう音楽性を持ちながら、東京ドーム公演を果たし、100万枚近いセールスを上げ、NHK紅白歌合戦に出場するようなアーティスト、バンドは皆無だった。
 
 その事実がXのオリジナリティを証明していた。
 
 このようなXの速い曲における音楽的なオリジナリティは、更にもう一つ非常に重要な作用を、Xの音楽にもたらしていた。