2014年9月30日に配信されたブロマガ記事を復刻版としてお届けしますオリジナルは https://ch.nicovideo.jp/tsudanaoshi/blomaga/ar633361 になります
日常の何気ない会話の中でたまたま、僕が「BLUE BLOOD」と「Jealousy」そして「ART OF LIFE」をメンバーと共に制作した人間だ、と気がつき、実は私、X JAPANのファンなんです…と、その相手が話し始める瞬間。
なぜみんな、同じような表情をするのだろう、と僕は興味深く思う。
「何か素敵なことが始まった」というような、期待のこもった特別な笑顔。
「共犯者のように」密やかで、でも湧き出る感情を抑えきれない喜びの顔。
でもどこか、もう分かった以上「わざわざ言葉にしなくても通じるから大丈夫」といった安心感が伝わる、豊かな雰囲気。
僕はそんな空気に、いつも、X JAPANとファンという関係が持つ圧倒的な深さを感じる。
そして、その深さを生んでいる楽曲の凄さと、自分と闘い続けたメンバーの生き方に、改めて感動し、幸せになるのだ。
『 X JAPANのファンに初心者はいない 』
これは僕が思う、X JAPANというバンドの真理だ。
ちょっとしたきっかけでX JAPANの音楽を聴いたり、そのパフォーマンスに触れたりして、何かが心に響いた瞬間から、その人はコアファンになってしまう。
X JAPANは比較的好きだけど、まだそんなに深く音楽は聴いてなくて…といった人は、ほとんどいない。
そんな真理を表現した言葉だ。
もう一つ、X JAPANとファンの関係について、僕が思う真理がある。
それが、こちら。
『 X JAPANとファンは常に1対1の関係 』
世の中には、「人気のあるもの」はたくさんある。
そして多くの人は「人気のあるもの」が好きだ。
そういう人たちは、「今、人気のあるものは何か」ということに常に興味を持ち、情報を得るとそれを体験しようとする。
そういう人にとっては、「人気のあるもの」の「本当の価値や魅力」の前に、まず「人気のあるものであること」が大切だったりする。
そういう一般的な風潮を踏まえた上でよく考えてみると、ファンが惹かれるX JAPANの魅力は「人気のあるもの」というところにはない、ということに気づく。
他の人たちにどう人気があるか、というポイントは、X JAPANに惹かれる人にとって、興味の対象ではない。
そこにあるのは、「その魅力を知ってしまった自分」と「X JAPANというバンド」の関係だけだ。
つまりX JAPANのファンにとって、X JAPANの人気というのは、さほど重要なことではない。
そう、すべては自分がひとり、発見してしまった、X JAPANというバンドの魅力と、自分という関係だけ、つまり「1対1の関係」なのだ。
これは興味深いことだ。
何万人ものファンが集うライブ会場は、X JAPANのメンバーが登場して演奏が始まった途端、ひとつになる。
といっても、ファン同士が横につながっているわけではない。
むしろ、どんなアーティストよりもその関係は1対1なのだ。
にもかかわらず、ライブが始まると全員が一つになる。
でもよく考えてみれば、これは当然のことだ。
会場がひとつになるのは、その中心にある「X JAPAN」というバンドと、何万人というファンの関係が強い絆で結ばれているからこそ、だからだ。
前回僕が書いた『会場の一番後ろから、ファンとメンバーがひとつになっているのを観て僕が泣いた』理由は、その1対1の関係の深さを感じたからだ。
そしてまた、当時の僕が毎回号泣していたもう一つの理由は、メンバー側の気持ちも良く知っていたからだ。
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