近しい相手と「仕事」についての会話をしていた時、気になるフレーズが耳に残った。

 それは「ありがとう」をたくさんもらえる仕事はとても幸せだ、というフレーズだった。

 最近手がけた仕事がインタビューとその記事を書く内容で、書き上げた記事についてインタビューした本人から深く感謝されたらしい。

 「ありがとう」をたくさんもらったことがあまりにも嬉しくて、記事を書き上げるまでの苦労が吹き飛んだのだそうだ。

 なるほど、それはそうに違いない、と僕は思った。

 そうして、振り返ってみると、ありがたいことに自分もそういった仕事ばかりをさせて頂いてきた、と気づいたのだった。

 プロデュースや作・編曲を手がければ、アーティスト本人と周りのスタッフ、そして場合によってはそのアーティストのファンから。

 音楽を提供すれば、クライアントや一緒に仕事をしたクリエイター、代理店などから。

 アーティスト活動や講座など直接ユーザーにコンテンツを届ける場合は、そのユーザーから。

 いつもたくさんの人から「ありがとう」をもらっている。

 そのような仕事だけを長年にわたって手がけてきたから、つい当たり前になっていたのだけれど、「ありがとう」をたくさんもらえる仕事はとても幸せだ、というフレーズに、深く心を動かされた。

 そして同時に、僕が日頃『自分は大したことないのだけれど、出会いと周りの人達に恵まれていて、日々感謝に気持ちで一杯だ』という発言をしているのは、このような仕事を続けさせて頂いてきたからなのだ、と気づかされた。

 そう。

 たくさんの「ありがとう」をいつももらっているから、僕もまた、「ありがとう」をくれた人達へ「ありがとう」を同じだけ返し続けてきたのだった。


 
 そしてなぜかふと、YOSHIKIとToshlの顔が浮かんだ。

 一昨日のニコ生でコメントを読みながら、二人について触れたからかも知れない。