「Xという物語」に僕が登場するのは、1987年の終わり頃からだ。

 Xというバンドをソニーミュージックへ繋ぐ役割の人間として、メンバーと会話を始めたのが最初だ。

 それから30年にわたって、僕は「Xという物語」を見守り続け、時に文章の形にして、その内容をたくさんの人たちと共有して来た。

 しかし実際のところ僕が「Xという物語」をきちんとまとめて文章にしたのは、2009年の春が最初だ。

 では、それまでの僕にとって「Xという物語」とは何だったのか。