「夢と夕陽」の連載を終えてから半年ほど執筆を休んでいた僕は、自分の新たなアーティスト活動である音楽ユニット「ツダミア」の準備を経て、2016年夏、新たに「想いのすべて」の連載をスタートした。

 「想いのすべて」の連載は、僕にとって新たな連載のスタートとなった。

 なぜならその一年前、キジャック監督のインタビューを受けた後、半年にわたって書き綴ったのは、「X JAPANの今」から離れた、過去の「Xと関わった自分」に関する記録だけだったからだ。




 そこに綴った物語「夢の始まり」は、過去の連載ではあり得なかったほど明確に、1987年から1988年にわたる半年間だけに絞られていた。

 理由はちゃんとあった。

 僕にとって、やはりキジャック監督のインタビューを受け、その結果『僕の心の中にある「Xという物語」を全てキジャック監督へ託した』という事実は、とても大きかった。

 何しろ、話したことにはマディソン・スクエア・ガーデン公演で気づいた事実など、最近の想いも全て含まれていたからだ。

 僕は、キジャック監督のインタビューで、一度『自分の心の中にあるX』全てを、話し尽くしたのだ。