【 ART OF LIFE ⑱】
何度かサビについて書いてきたので、もうここで説明することはない。
けれど、最後のサビで、しかも曲の終わりだ。
やはりこのサビならでは、という要素はある。
YOSHIKIによるトータルプロデュースが見事に実を結んだ素晴らしい音だ。
ひとつの純粋芸術であり、X JAPANという伝説のバンドの代表曲であり、作者YOSHIKIの人生がそのまま刻み込まれた『生きている作品』ART OF LIFEが、聴く人の心に、深い感情を残して、終わる。
【回想】
ホテルの部屋からは、ロサンゼルスの街が見渡せる。
サンセットブールバードとラ・シエネガブールバードの交差する辺りにあるホテルは高台にあって、眺望はとても良い。
眩しい太陽に照らされた街並をしばらく眺めてから、デスクに座り、僕は原稿を書き進めることにした。
1993年5月。
もうオケのレコーディングはほぼ完了し、ボーカルの一部とハモのレコーディングを残すばかり、となった。その後は10日間にわたるミックス作業に突入する。
長かったレコーディングも、もうすぐ終わりだ。
レコーディングスケジュールはだいぶ楽になったけれど、発売に向けてライナーノーツの文章を書く、という僕のもう一つの大切な仕事をしなければいけない。
デスクに座った僕は文を綴り出す前に、「ART OF LIFE」に関わる色々な情景を想い浮かべた。
コメント
コメントを書く