津田大介の「メディアの現場」

【ノーベル平和賞受賞者が語る世界を変える方法】津田大介の「メディアの現場」vol.67

2013/03/02 02:42 投稿

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  津田大介の「メディアの現場」

                                                  2013.3.1(vol.67)

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──巻頭言スタートのお知らせ──

みなさんこんにちは。津田大介です。

今号からメルマガの冒頭に簡単な巻頭言を書くことにしました。というのも、
この前ニコ生の「津田ブロマガeXtreme」にジャーナリストの竹田圭吾さん
(@KeigoTakeda)に出演していただいたのですが、その後の会食中に「今の
津田マガは最初から重たい話題が入るのがきつい。雑誌のオープニングはゆる
かったり、ちょっと読んでほおーって思えるようなコラムが入っているように、
津田マガもそういうものから入って重めのネタになる構成にした方がいいんじ
ゃないか」というご提案をいただきました。確かにそれはその通りだと思った
ので、早速いろいろな企画を考えてみました。

●津田大介のおにぎり徹底レビュー
おにぎり評論家として知られる僕が、各コンビニのおにぎりを徹底レビュー!

●津田大介のおすすめツイッタラー紹介
毎回毎回一人ずつIDを挙げて、面白ツイッタラーを紹介する

●津田大介の飲み会報告
毎週毎週いろいろな人と飲んでる俺が問題のない範囲で飲み屋のトークをレポー
ト!

などなど、考えたのですが竹田さんから「なるほどそういう企画ね……。2〜3
回なら読みたいかな……」と遠回しにダメ出しをいただいたので、企画の持続
可能性も考え、結局毎週その場その場で思ったことをコラム的に書く巻頭言を
毎回オープニングに付けるようにします。巻頭言で最近おいしかったおにぎり
情報や面白いツイッタラーや飲み会の報告なんかもしていこうと思っています
のでよろしくお願いします。

いつまで続くかはわかりませんが、頑張りますよ!

今後とも津田マガをご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。


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《目次》

1.今週のニュースピックアップ Expanded
 ――ソーシャルビジネスが世界を変える?
   ムハマド・ユヌスが提唱する「利他的な」経済の仕組み

2.メディア/イベントプレイバック
 ――ウェブは政治を変えるか
   ネット選挙解禁のその先

3.世界のデータジャーナリズム最前線《第16回》
 ――データで見るアカデミー賞

4.今週の原発情報クリッピング
 ――福島第一原発事故収束への課題

5.津田大介のデジタル日記

6.140字で答えるQ&A
 Q1:効率の良い情報選択法は?
 Q2:おすすめのマッサージ店を教えて!

7.今週のゼゼヒヒ

8.メディア・イベント出演、掲載予定

9.MIAUからのお知らせ

10.プレゼントコーナー
 『マニフェスト 本の未来』

11.ネオローグユニオン


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1.今週のニュースピックアップ Expanded

津田大介が今気になっているニュースを毎週1つピックアップし、解説します。
「Expanded」では、話題のトピックの背景をよく知るキーパーソンに津田大介
がインタビューします。

慈善事業ではない、社会が抱える問題を解決するためのビジネス――社会的企
業、いわゆる「ソーシャルビジネス」が世界的なムーブメントになっています。
一企業でありながら利益を追求しないソーシャルビジネスというかたちになぜ
注目が集まっているのか、世界や日本の状況はどうなっているのか。そこで今
回は、今年2月、東京で開催された若者の夢を支援するための一大イベント「み
んなの夢AWARD」の審査員として来日した、グラミン銀行創設者でノーベル平和
賞受賞者のムハマド・ユヌスさんにお話を伺いました。

(構成:佐久間裕美子)

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◆ソーシャルビジネスが世界を変える
  ――ムハマド・ユヌスが提唱する「利他的な」経済の仕組み


津田:ユヌスさんが携わっている「ソーシャルビジネス」は、日本では社会的
起業・社会的企業と呼ばれています [*1] 。ユヌスさんが大きく育てたソーシャ
ルビジネスの概念は、世界のみならず、最近は日本でも少しずつ注目を集めて
います [*2] 。まずお伺いしたいのは、そもそもユヌスさんがこのソーシャル
ビジネスに自分で取り組まれるようになった――社会問題の解決に関心を持っ
たきっかけは一体なんだったのでしょうか?

ユヌス:当初は「ソーシャルビジネス」などという名前もなかったんです。貧
困や医療問題など、多くの問題を解決しようとする過程で、何か問題があれば、
それを解決するためにアイデアを考案し、ビジネスを作る。そうやってたくさ
んの事業を立ち上げてきました [*3] 。これはほかの人から見ると、奇妙とい
うか、興味深いことに思えたようです。というのも、儲けようとしてやってい
るわけではない。オーナー――ソーシャルビジネスの創業者は利益を上げるた
めではなく、問題を解決することに興味がある。初期投資が戻ってきて、その
企業が自立した存在になることが望みなわけです。余剰利益が出れば、それは
その企業の資産として残ります。後に、名前をつける段になって、ソーシャル
ビジネスという言葉を作りました。あくまでも問題を解決するために作られた、
配当を出さない企業形態で、NGOともNPOとも明白に違い、またチャリティでも
財団でもない。あくまで自立した企業で、ビジネス的な理念に基づいて運用さ
れる [*4] 。ひとつの大きい違いは、オーナーに利益を上げるためではなく、
問題を解決するために存在するということです。それをやっていたら、人々か
ら、そして他の国から、興味を持たれるようになりました。そのうち本を書い
て [*5] 、本を読んでもらえるようになり、さらにはその本が多くの言語に翻
訳され、そうやってどんどんこの考えが広がるようになりました。 

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