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神保町映画祭リターンズ/「私の夢」三重野広帆 監督インタビュー

2018/08/10 00:00 投稿

  • タグ:
  • ホラー
  • オカルト
  • 映画
  • 神保町映画祭リターンズ

ニコニコチャンネル(動画配信サイト)「東京ヘッズ」とのコラボレーションによる
「神保町映画祭リターンズWEB」!

 

今月の企画配信は「ホラー、オカルト」特集です。

配信と併せて監督インタビューもどうぞお楽しみください



8/10(金)~8/16(木) 「私の夢」 2分14秒 監督:三重野広帆

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<あらすじ>

第一志望の会社に落ち、自殺した女子大生。 自殺のニュースを見た男。 男は過去に、その女子大生を面接で不合格にしていた。 男は悪夢に苦しむようになり……。 配信URL:http://www.nicovideo.jp/watch/1530797169 ※期間以外は表示できませんのでご注意ください




三重野広帆(みえの ひろほ)

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立教大学映像身体学科卒。学生時代に黒沢清監督「岸辺の旅」、篠崎誠監督「SHARING」などの撮影助手を経験する。現在はギークピクチュアズで演出と制作の修行中。監督作品「プレイジャリズム」は新人監督映画祭準グランプリを受賞。「私の夢」でNHKミニミニ映像大賞視聴者イチオシ賞受賞。「潜入!アイドル自宅訪問!」でNHKミニミニ映像大賞グランプリ受賞。



制作の経緯をお聞かせくださいますか?

NHKミニミニ映像大賞へ応募しようと思ったのがきっかけです。

ちょうどその頃、僕がリアルに就活中で、なかなか上手くいかなくて…。

その無念というか…ネガティブな気持ちをクリエイティブなエネルギーにぶつけました。

お陰様で視聴者イチオシ賞を受賞できて、テレビ放映してもらったので、
そこはちょこっとだけ帳消し。

 

シナリオの着想について教えてください

短編作品で人の心を動かすってのはハードルが高いので、僕は普段からホラー映画を撮ることが多いですねぇ。

このときのNHKミニミニ映像大賞は「夢」というテーマで作品募集をしていて…

「夢」ってキラキラしたイメージで語られることが多いけど、実際は叶わないことの方が多いな、と思ったことが今回のシナリオを作ったきっかけです。

 

キャストはどのように集めましたか?

主演の鈴木博之さんは「私の夢」の前につくった作品でのオーディションがご縁で、今回お声がけさせていただきました。

それ以外は、同じ大学の友人、またはその繋がりの人です。

就活生役の難波小百合さんは、これまでも僕の作品には何度も出てもらっています。

こういう変な作品に出てくれたり…血まみれになってくれる人なので凄くありがたい存在です。

じつは繋がりの問題でラストカットが再撮になってしまって…難波さんに無理を言って、急遽別日の午前中に撮りなおしたんです。

その日の午後から予定があるというのは聞いていたんですが、後から聞くとミスidのオーディションだったらしくて…。

午前中血まみれになったあとミスidのオーディションに行くっていう…本当に申し訳ないことをしたなぁと思います…。

内定ゾンビの5人は僕が所属していたダンスサークルのダンサーだし。

あと小ネタとして面白いかなと思ってオファーしたのが、劇中の情報番組でコメントをしているチアキ・レイシー君。

彼も同じ大学で、昔NHKの天才てれびくんでテレビ戦士をやっていたので本人役で出演依頼しました(笑)



撮影または制作の苦労話は?

低予算映画なので、何もかも監督(僕)がやらなければならず、そこは大変でしたね。

衣装や美術の準備も自分で、その辺の知識もあまりないので…思ったより時間がかかりました。

ゾンビが着るスーツは就活が終わった先輩や古着屋から集めてきて血糊をつけました。

ただ黒のスーツは血糊が目立たないので、絵の具で汚したりしています。

女の子が自殺する包丁も自分で準備したんですが、ホームセンターでディスクグラインダーという鉄を切る工具を買ってきて、庭で包丁を切断して、首に刺さって見えるように切断面を加工したりしてます。

あとは散乱してる履歴書類とかは僕のです。遠目からバレないようにマジックで髪の毛を描いて細工をしています。

撮影当日はゾンビメイクに時間がかかるので、別部屋でメイクをしてもらいながら、撮影と並行して進行や段取りを考えるのが大変でしたね。



拘りのシーンはありますか?

内定ゾンビが面接官に押し寄せるシーンは、かなりこだわりましたね。

ドアの後ろからドライアイスで煙を焚いていて、フィックスとドリーのコンビネーションは、古めのホラー映画を意識しています。

ドリーとゾンビの入ってくるタイミングが合わなくて、何テイクか重ねましたが、お陰で満足のいく仕上がりになりました。

僕自身は映画の現場で撮影助手をやっていた時期もあり、技術的なところには細かいんですよね。わりとシナリオを書いてる時にイメージも一緒に浮かんでくることが多くて、

絵コンテの段階でここは「広角で」とか、色味についてもだいたい決めて書き込んでいたりしますから、カメラマンには嫌がられるタイプじゃないかと思いますね。

今回は長年やってる板倉広和君が撮影なので、その辺は大目にみてくれるところがあるし、

僕の意図も伝わりやすいので、やりやすかったですね。

撮影を他の人にお願いした方が、自分は演出と現場を回すことに集中できるので、意思疎通のスムーズなカメラマンと組めることは重要だと思います。

実際彼に撮影を頼むようになってから映画祭で賞を取るようになったので、僕にとってはかけがえのない存在ですね。

ほかにも最初の方で主人公がパンにジャムを塗るシーンは、ジャムの色が映えるように

拘ってフレームをつくっています。

今回は「サスペリア」みたいな感じでどぎつい色にするつもりでいたので、

テーブルクロスや後ろに映っている小物類も、赤と反対色の緑色で画がしまるように意識して配置してます。

もう一つは不気味なジャムの寄り画。

ここではちょっとした面白い撮影テクニックを取り入れています。

一眼レフで撮影をしているんですが、カメラボディとレンズを外し2cmくらいの空間をつくって、その空間に照明を当てています。するといい感じで光が差し込んで、ピンぼけの不思議な画が撮れるんですよね。




映画を撮り始めたきっかけは何ですか?

最初に映画を撮ったのは高校3年のときで、そこから数えると「私の夢」は16作品目です。

もともと授業中にノートに漫画を描いたり、ストーリーを考えたりしてる妄想逞しいタイプで、その延長で友だちを集めて映画撮ったら面白いかなって思いついたことが発端ですね。  

でも実際にやってみて映画って大変だなって思いました。

その当時は外撮影の恐怖を知らなかったので、全編オールロケのシナリオを書いてしまって…

これは本当に大失敗でした(苦笑)

冬のロケはご存知の通り過酷で…コンデジの小さいRECボタンが押せないくらいに指が悴んで本当につらかったです。



立教大映像身体学科に進学された動機について

大学進学については、親の意向が強く反映されています。

僕的に本当は日芸にいきたかったんですが、親はいわゆる【MARCH】以上に行って欲しいという想いが強くて…。

「学費出さないよ」くらいの勢いでハードな圧がかかってたこともあって、親の意向を汲み取ることにしました。

【MARCH】と言われる大学の中でも映像系の学科があるところも少なくて、

決め手としては、大学のパンフレットを見た時に、機材を触っている生徒の写真が載っていたので、立教大学映像身体学科で学ぶことにしました。



影響を受けた監督、映画を教えてください

メキシコの映画監督がわりと好きで、なかでも一番好きなのは、アルフォンソ・キュアロン監督です。

尊敬するところは沢山ありますが、テーマの選び方と脚本的な展開の面白さに加えて撮影の上手さ、それから最新の技術に関しての貪欲さもすごいと思います。

「ゼロ・グラビティ」では照明を数ミリ単位で計算して動かしたり、「トゥモローワールド」の戦闘シーンでも6分くらいの長回しで撮っていて、それも目を見張るものがありますし。

娯楽としても面白くて技術としても面白くて、さらに人間の内面を撮ることを意識している人だと思います。

あと、先日アカデミー賞を受賞した「シェイプ・オブ・ウォーター」のギレルモ・デル・トロ監督やアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督も好きです。

3人でチャチャチャ・フィルムという映画製作会社を合同で立ち上げてたりと、メキシコの監督陣にはバランスの良さと勢いを感じます。



映画制作で大事にしていることは何でしょうか

スタッフ・キャストに無理をさせないように入り時間や拘束時間に気を使っています。また、映画をつくるのは大変な事が多いので現場は楽しくやりたい派です。

「楽しい」と錯覚させたいというか(笑)

ホラー映画でも、結構自分からふざけたり冗談を言って空気を和らげたい方ですね。

逆に集中できなくて迷惑してる人もいるかもしれないのですが。



今後の活動について

昔は作品をたくさん作りたいという気持ちがあったので、企画もシナリオも充分に練らずに勢いだけで量産してる時期も正直ありましたが、社会人になってからは自分の映画のために使える時間もお金も制約が多いと実感しています。

これからは、もっとシビアにワンカットずつ満足いく映画を撮りたいですね。

だから、普段は自分の作品に活かせるような知識を多く得たいと思い、いろいろな映像や書籍に触れるように心がけています。



告知がありましたら、どうぞ

新作「膨らみ(英題:COMFORTER)」が、つい先日(7月末)完成しました。

「膨らみ(英題:COMFORTER)」(下記URLより視聴可能)

https://www.youtube.com/watch?v=uwqtCYY1Pys&t=2s

この作品はRØDE主催のショートフィルムコンテスト「MY RØDE REEL 2018」に向けて制作した短編ホラーなんですが、審査員が全員英語圏の人ということで、そこをかなり意識した仕上がりになっていると思うので、興味を持っていただけた方には是非ともご覧いただきたいです。

それと、もうひとつ、9月22日(土)、23日(日)Kisssh-Kissssssh映画祭の長編部門で

僕が学生時代の最後に撮って、編集に2年かかってしまったという…「あくまのきゅうさい」という作品が上映されるのと、福岡インディペンデント映画祭では「私の夢」を含めて、全部で3作品くらい上映される予定があるので、お近くの方で興味を持っていただいた方がいらっしゃいましたら

是非足を運んでくださるとありがたいです。

 

「あくまのきゅうさい」予告

https://www.youtube.com/watch?v=1QFwxqCrbhg











ー長時間のインタビューありがとうございました。








取材・文:向日水ニャミ子



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