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神保町映画祭リターンズ/「甘い麦茶」田村凌一監督インタビュー

2018/07/13 00:00 投稿

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ニコニコチャンネル(動画配信サイト)「東京ヘッズ」とのコラボレーションによる「神保町映画祭リターンズWEB」!

今月の企画配信は「夏を感じる映画」特集です。

配信と併せて監督インタビューもどうぞお楽しみください



7/13(金)~7/19(木)「甘い麦茶」 12分30秒 監督:田村凌一
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<あらすじ>
結婚を控えた可南子のもとに、元カレの千葉が訪れる。
可南子は臆することなく千葉を家に招き入れ、二人は昔のことをしみじみと思い返す。

配信URL:http://www.nicovideo.jp/watch/1530797169

※期間以外は表示できませんのでご注意ください



田村凌一(たむら りょういち)
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東京工芸大学芸術学部映像学科卒。

高校で演劇に出会い、役者として舞台に立つ。大学より映像制作を始め、主にショートフィルムを制作。卒業後はフリーの映像作家として活動中。

海外での上映・受賞経験もある。

 『island』Asia International Youth Film Festival 2015 銅賞

 『静かの海』Hamburg Japanese Film Festival 2017 上映


その他モーショングラフィック、インスタレーションなど表現手法は問わず制作中。




制作の経緯をお聞かせくださいますか?

6年前の2012年に撮った初監督作品です。

当時、大学生で学校では映画制作の実習があまりなかったので、仲間と一緒に映画制作サークルを立ち上げたりして。

そこでスタッフとして作品に関わったことで、自分も監督をやってみたくなり、同期の内田裕基君に声をかけて、一緒につくることにしました。

彼は脚本家志望でもあったので簡単なイメージを伝え脚本をお願いしました。

僕はもともと彼の脚本が好きだったので、僕の初監督作品のシナリオを書いてもらえて嬉しかったですね。

 

シナリオ、ストーリーについてお聞かせください

ちょうど大学に入学する前に祖父が他界したり、制作した2012年は東日本大震災の翌年でもあったので。僕自身、「大切な人を失う、喪失感や不在感」とことについて考えることが多かった時期でした。

そんなこともあり、内田君にはそういう脚本を書いて欲しいとだけリクエストしました。

そしたら彼はこのシナリオを1日で書き上げたみたいです。
制作にあたって参考にしたのは、是枝裕和監督がBSの番組で制作した妖しき文豪怪談『後の日』でした。
是枝監督の作品が僕はとても好きなので、その辺りも考えてくれていたのかもしれません。



撮影日数はどのくらいでしょうか? 

1日です。僕が初監督ということで内田君が配慮してくれたようで、ロケ地も少なくて。

シンプルなストーリで雰囲気を描くような作品にしてくれたので、僕もそれを大切にしながら演出しました。
僕のほかにもう一人、元カレ役・渡邉康太さんもお芝居が初めてで、彼が常にソワソワしていて面白かったですね。普段は裏方をやったりしている人なんです。



キャラクターづくり、役者とのコミュニケーションはどうされましたか
僕としてはある程度役者さんにお任せしてみようと思っていました。
主演の毛利悟巳さんとは、この作品をきっかけに今も色々ご一緒しているのですが
脚本や僕の意図をしっかりと汲み取って自分の中で役を練り上げてくれる方だと感じました。

渡邉康太さんには、とにかく何も考えずにフラットな状態でやって欲しいとお伝えしました。

登場人物各々が時間がたち、ある程度心の整理がついているので、余り悲壮感は出したくなくて、ちょっと当時の感情を思い出すというか、少し垣間見える程度がいいと思って全体のバランスをとっています。

 


撮影中のエピソードがありましたらお聞かせください
録音機材がトラブって大変でした。ワイヤレスマイクを準備していたのですが調子が悪くて

仕方なくガンマイクで何とか撮影しました。

あとは大きなトラブルはなかったです。最後のシーンはもう少し粘りたかったのですが、日没で時間切れになってしまったのは残念です。



現場はどのような雰囲気でしたか?
終始和気藹々という感じですね。制作の子がまわしてくれたメイキングを見たんですけど、本当に楽しそうです。

スタッフは同じサークルのメンバーですし、ロケ地も自宅や近場だったので、

変に構えずにリラックスした状態で、演出に集中できたと思います。

先入観がないというかフラットな状態で目の前の芝居を撮影していく感じで、「いったいどんな映画に出来上がるのか」とワクワクした気持ちで撮影に臨んでいました。

そこは「初めて」の良さというか…狙ってできることではないですし、あの感覚では二度と撮れないだろうなって思います。
良い作品には仕上がりましたが、技術的反省も多く残りました。この作品はまた時期をみてセルフリメイクもしてみたいとも思っています。

上手くいかなかったことは、回を重ねるごとに解決できて、技術的なことも含めて成長してるとは思います。


映画を撮りはじめたきっかけは?

僕は大学入学時は役者志望だったんです。

でも、親に「役者になる」って正直に言うと認めてもらえなさそうなので、映像やテレビ系の仕事に進みたいと言って、東京工芸大学芸術学部映像学科に入りました。

在学中に映像や映画制作について勉強したり、スタッフで現場に関わることもあって、自分でも監督をやってみたいと思うようになりました。

さらに遡ると本当は役者志望になる前は、物語を書くことに興味を持っていました。

脚本を書きたくて、高校の演劇部に入ったんですが、何だかんだ自分も役者として舞台に立つことになってしまい、それを機に役者志望になったんです。

こう振り返ってみるとかなり遠回りに感じますねぇ…(笑)

でも、今思えば「何かを表現したい」ということは一貫していると思います。




影響を受けた監督はいますか?
僕は映画が好きで映画を撮り始めたというタイプとは違って、しっかり見始めたのも大学に入ってからでした。

邦画では是枝裕和監督ですね。「誰も知らない」は初めてみたとき衝撃でした。

海外の監督ではアンドレイ・タルコフスキーが好きです。
映画館よりも美術館によく行くほうで、さまざまなアート作品からインスパイアされて作品をつくっています。

なかでもかなり影響を受けているのは、フランスの現代アーティスト、クリスチャン・ボルタンスキーの作品ですね。写真を祭壇のように飾ったり、部屋一面に古着の山をつくるみたいな人の不在感をテーマにインスタレーションを制作している方です。

彼の作品に刺激を受けることが多くて、確実に僕の作品の一部になっていると思います。

 



作品づくりで大事にされてることがあれば教えてください
「甘い麦茶」のときは、それぞれ持ち寄ってもらったことを現場で「さあ、どう料理しようか」という方法だったのですが、

何作品か撮って感じたことは、イメージを共有することは大切だなと思いました。

たとえば、「なぜこの作品を作ろうと思ったのか」もそうですし、僕がこれまで影響を受けてきた作品を見てもらったりするとか。

感性を理解しあえる関係で制作できることが、作品にとっては、とてもプラスになると思っています。

 

今後の活動についてお聞かせください
映画にとどまらず、いまは少しでも興味をもったことをやってみようっていうスタンスで

挑戦してみたいと思います。

自分の表現や描きたいテーマが出てきたときに、それがどのような方法で表現するのが最適なのか、予め探っておきたいですね。

自分で書いた脚本を監督する面白さも経験しました。

文字で考えたキャラクター像が、実際の役者さんを嵌めてみたら全然違って新鮮で。自分のイメージから意表を突かれる面白さがあります。

頂いた脚本でキャスティングするのと、自分の脚本で0から考えたキャラクターを実際探すのは全然違う感覚なんだと感じましたし、まだまだ経験を積み重ねながら表現することを続けて行きたいです。
モーショングラフィックスでキャラクターを動かす仕事をしているのですが、

次は短編アニメーション制作を計画中で、いまは試作をしたりシナリオを準備しています。

これまでは人とコミュニケーションをとりながら、共同で作っていくことが多かったので、

今度は少し自分のダイレクトな感覚の表現も試行してみたい気持ちが芽生えているのかもしれないです。「自分は何を表現したいのか」じっくりと自分のペースで探っていきたいと思います。

 



ー長時間のインタビューありがとうございました。







取材・文:向日水ニャミ子

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