あなたのいないその場所で。

白さに漂う僕ら。

2020/04/11 15:26 投稿

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思い出とは汚れだったのだ。

だからこの世界に思い出はない。

汚れは極限まで取り除かれてしまったからだ。

掃除ロボ、過保護な教育、シェア、エビデンス、そして電子化。

あの世界的悲劇以来、物質は指数関数的に嫌悪されていった。

物質とは汚れの温床だからである。

汚れたら動き出す掃除機。

汚れないように匿う子育て。

新しいものに交換されていくシェア。

誰もが納得する論理。

時間の概念のない電子情報。

「世界が水のようだ」
「つかんだと思ったらすぐに元の場所に帰っていく」
「わたしだけのものにはならないのね」

ある世代が夢みた世界もこんな世界なのかもしれない。

みんなで共有するってことは、得ることもなければ失うこともない。

喜びもなければ悲しみもない。

ああ、虚しさの理由がわかったよ。

ずっとお腹が空いている理由がわかったよ。

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