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哲学随想を試しに書いてみる。32

2015/02/16 10:20 投稿

コメント:2

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だから、自然哲学上の概念、
土・水・火・空気、の『元素(ストイケイア)』、も
決して分かたれることのない最小の『原子(アトモン)』も、
 化学物質や極小原子や素粒子のように、我々の外に、観察できる形であるわけではない。


 「Who(誰か)」の学問である文学の本質は「嘘(虚構)をもって真実を語る。」であり、その構造からは、そもそもストーリー、物語、を持つものである以上、漫画であろうがアニメであろうがゲームであろうが逃れられないものなのだが、(但し、History…歴史は純粋に人間的真実・史実を追う物語・ストーリーなので例外。神という形而上的真実の物語・ストーリーである神話もまた同様。)
 前回に挙げた『空想』を基礎とする物語、がたとえば、原子論を基礎とする科学的着想を飛躍させた・・・SF(サイエンス・フィクション)を主流とし、60~80年代に主に映画などを舞台に大発展・展開したのに対し、
 『幻想』を基礎とする物語、が90~00年代に主にテレビゲーム界を舞台に、現実よりつかず離れず浮遊しつつ大発展・展開した事実は、実に興味深い。

 とりわけ、「FINAL FANTAZY」・・・究極の幻想、と銘打たれた、誰もが知るあの大老舗RPGシリーズがそのはじめから4元素とカオス(混沌)を扱い、今なお元素の表現を絶やすことなくシリーズを重ね、追随する数多の他ゲームの表現すらをも牽引し得ていることには、幻想というものと、元素というものの切り離せない関係を示唆する、着目に値する端的な事実が見出されることだろう。


 ここで、その話に先立つものとして、その空想や幻想よりなお現実(=理想)から離れた、『妄想』、を文学という論理形式において深く深く哲学し、考え抜いた、我が国のある大哲人の名を出さなければならない。

 その人物の名を、埴谷雄高(はにや ゆたか)、と言う。

 ある人(そのもうひとりの哲人の名は、今はひとまず措く)の言によれば、かつてニーチェが発狂してまでしてその出現を予言した・・・「超人」であるとまで謂われた哲人である。

 その経歴については、かの日本共産党に入党したことがあり、投獄されていたこともあったり、で、正当な社会倫理的感情からして、受け付けない人もいるやもしれないが、革命思想も功罪両面の人の因業というものである。
 たしかに、世界的に見ても稀有と言われるその形而上小説の大著、『死霊(しれい)』においては、昭和初頭の左翼運動家・革命思想がモチーフ・モデルとされてはいるが、そこから、この随想のはじめの方でも扱った、

 無限、

 の問題に開けていくところに、この大哲人にして、超人である埴谷の真骨頂は、あり、
 その無限とこそ、原子アトモンや元素ストイケイアは連関し、その『妄想』を基盤として、我々もよく知るその後の空想や幻想の大躍進は拓けていったのである。


 先に語った、三島由紀夫や宮崎駿が対峙した戦後の生命至上、命偏重の思潮の下で、有限者の無限性である、魂、を求める思潮はそうした日の当たらぬ場所において脈々と流れ、噴出を見たのである。

コメント

ロランP
No.1 (2015/06/12 17:43)
この記事を読んで、彼の著書のタイトルを調べたのですが、
非常に興味を持ちました。

時間を作り次第必ず読みたいと思います。
品陀リウキ (著者)
No.2 (2015/06/13 06:27)
 是非とも。
 埴谷さんの「死霊」は難解と言われてはいますが、これほど
壮大な話もないですね。
 未完ではありますが、骨子は出し尽くされてると思います。
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