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「この世界の片隅に」の感想を…。(ネタバレ注意)

2016/11/23 17:53 投稿

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初めましてティーハートです。

11月22日に片渕須直監督の映画「この世界の片隅に」を観てきましたので、
珍しく感想を書いてみようと思いました。
(内容のうろ覚え且つ駄文ご容赦下さい。)

とはいったものの、観た直後は正直どう気持ちを表して良いか暫く困りました。

「面白かった」「感動した」「素晴らしい」とよく映画の感想に使う言葉がありますが、どれとも一言で表せない感じだと思ったのですね。
端的に言えば「どうしようもない悲しみを笑いと暖かさと優しさが包み込む様な作品」でしょうか…。


まず一番に驚いたのは風景。

すずさんが嫁いだ北条家の家屋の作り、玄関、茶の間、縁側、庭の周辺。
そして、すずさんと晴美が軍艦を眺めた裏の野菜畑と山間部の風景。
それは僕自身が幼少から過ごしてきた実家の風景と似通っていて、
一つ一つの場面を見る度に実家の景色が浮かんできて懐かしさと親近感が湧いてきました。
アニメーションでありながら実写以上に身近な日常を感じさせられたのは衝撃的でしたね。

戦時中の時代なのに似ていると言うとブログ主は高齢なのかと思われるでしょうが、
僕の実家は戦後直後に家を失った祖母が生活していくために建てた家を増改築してきた物なので、戦時中とそう変わらない作りだったのだと思います。
また、自分の家が特別なのではなく地方の片田舎の家はこんな感じな家が多いと思います。

次に、広島弁で語られる楽しい会話が非常に心地良い。

演劇・ドラマより決まり文句や説明口調が少なく、
広島で育った僕にも自然と笑いがこみ上げてきた会話。
特に黒村徑子のすずさんに放った「さえんっ!!」の台詞は
まさに僕自身が親に叱られた時にいつも決まって言われた文句だったので、
観ながら苦笑してしまいました(笑)
※「さえん」は広島弁で(ぱっとしない・役に立たない)という意味。

次に、主人公の浦野すずがとっても可愛い。
絵描きが得意でマイペースな女の子。
ぼーっとしてて方向音痴な所があるが、少ない食材で料理を考えたり、
決して得意ではない裁縫を頑張りモンペを作る姿と仕草が細かくて良かったですね。
そして絵を描いてる時のうなじが色っぽい!
定期的に天然ボケでドジを踏むすずと周りの人達の的確なツッコミが良い感じに映画を見ていた人達の笑いを誘ってました。
個人的にはすずと黒村徑子の掛け合いが好きですね。


次に、すずの夫になる北條周作と幼馴染の水原哲。

周作は大人しい性格だけど、非常に懐の深い一面を持つ男。
自宅に来た水原に対するすずの心情を察して一晩離れの部屋で共に過ごす時間を作ってあげるなど、多分、普通の男には出来ない(笑)
戦時中の男女はいつ死ぬか分からない極限の状況なので後悔のない様にとの気遣いが必要だったのかもしれないですが、それでも流石だなぁと思って観てました。
水原哲は子供の頃は、すずにぶっきらぼうな態度を取っていましたが立派な水兵となり快活な青年に成長。すずに再会した後「いつ迄も普通のままで居て欲しい」との思いを口にする辺り、如何に軍隊の環境が異常なのかが言葉の端々で感じ取れた気がしました。
この作品自体、ほんの少しの描写や台詞で隠れた状況を察するシーンが多く、見事だと思いましたね。

そんな中、次第に空襲が激しくなり爆撃の様子描かれるのですが、この描写が美しい。
すずさんの言葉の「この時に風景を描けていたら」(うろ覚え)に重なる様に、
ある意味不謹慎な感想を持ちましたが爆撃の過程が非常に丁寧に描かれていて、
(高角砲着色弾の描写はアニメ史上初だとか)怖さよりも先に花火を見る様に爆弾動きを目で追っていました。
そんな恐ろしい状況の中でも常にユーモラスな演出が出てくるのがこの映画のスゴイ所。


そして耐え難い悲惨な出来事が起きてしまい・・・


その後、すずさんは泣きじゃくり徑子姉さんに謝罪し、徑子姉さんは慟哭して残酷な言葉をすずにぶつけてしまうのですが、戦争それ自体よりもすずに感情をぶつけたのが、
なにか生々しいというか、多分自分もこうしていたかもしれないという奇妙な共感を得たのが深く心に残りました。(この辺りの気持ちも消化しきれていないのですが…。)

それでも非情なまでに明日はやって来て日々を生きていかなければならない。
傷だらけの身体を動かし、悲しみ一杯になった頭から知恵を振り絞って空襲から家を守り
少ない食材と道端で採った野草で一日三食のご飯を作る。
しかし、大切な人と絵を描いてきた右手を失くし、左手で描く絵の様にすずの心は確実に歪んでいる様で、この辺りは観ていて本当に辛かった。
激しくなる空襲の中、すずは自暴自棄にも似た行動を取ってしまうのですが、
周作がすずを救い、極限の状況の中にも関わらず夫婦ケンカを始める。
しかし感情をぶつけた周作の言葉が、失いかけていたすず自身の居場所を与えたみたいで、
本作の題名の意味に繋がっていくような気がしました。

最後に白木リン。
すずが子供の頃に出会った「座敷わらし」が白木リンだとなんとなく分かったのですが、
彼女の存在について全て把握出来なかったのが心残りです。
エンドロールで流れたあのシーンも観ていて、原作ではすずともっと友情を深めたのかもしれないと推測するに留まったのですが、どうしようもなく切ない気持ちになったのは覚えてます。
こうなると原作も買いですね。

本作は次々と起きる残酷な現実と、それでも笑いを絶やさず日常を生きるすず達の対比がとても強烈に心に残り、なんとも言えない気持ちが溜まっていたので今回、整理する意味も込めて文章に書き連ねてみました。

どんな作品だったかと聞かれたら、
「終戦末期のいつ死んでもおかしくない時の中で、暖かく優しい日常を美しく繊細に描いた作品」になるかもしれないですが、「とにかくすずさんがめっちゃ可愛い!!」と答えてオススメしたいと思います。

これから観に行こうとされる方にも、既に観てきた方にも何か心に残れば幸いです。
ここまで読んで頂いた皆様有り難うございました!



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