先週は引っ越しがあってバタバタしていて結局記事が書けず、昨日は飲み過ぎてゲロゲロになってしまったのでかけず…で、結局火曜日になってしまいましたが、先週土曜日にいったグラインドボーン音楽祭の様子をご紹介したいと思います。
Glyndebourne Festival Operaとは、イギリスはイースト・エセックス州のグラインドボーンで毎年5月~8月に開催される音楽祭です。
このグラインドボーン音楽祭は、資産家のジョン・クリスティが1934年に始めたもので、元々は氏がオペラ歌手の女性と結婚したことから、屋敷内で毎年友達を呼んでオペラを鑑賞していた…という、庶民には縁遠い背景があります。
現在もこの音楽祭はクリスティ家によって敷地内に建設された1,200席のオペラハウスで開催されており、一般庶民もチケットを買えば自由に参加できます。
しかも、この歴史的な経緯からとても独特な雰囲気を持っているのです。
音楽祭参加の概要をご紹介いたしますと、まず、チケットを公式サイトから購入します。
https://www.glyndebourne.com/
チケット代は一番高い席は260ポンドぐらいだったので、ロイヤルオペラハウスのオペラとさほど変わりません。
が、安いチケットはあまり存在せず、最低でも130ポンドぐらいはするようです。
次にチケットを確保したら食事のことを考えなければなりません。
グラインドボーンは郊外にあるお屋敷なので、周りは何もありません!
が、心配は無用。ちゃんと屋敷の敷地内に3軒のレストランがあります。
3軒とも食事だけで5~60ポンド程度です。ワイン等飲むのであれば都度加算ですが、予約は必須で会計は予約時に事前にすませなければいけません。
飲む量も自分で予想して注文しないと、たぶん追加できません。
最後に足です。
グラインドボーンの最寄り駅はLewes(ルイス)というLondon Victoria駅から電車で1時間ほどの場所にあります。
ルイス駅からグラインドボーンまでは6kmほどあるのですが、無料の送迎バスが出ています。
公式サイトにこの送迎バスが接続する電車が案内されているので、行きはその電車に乗ればOKです。帰りも終電に間に合うようにバスが出ます。
ということで、音楽祭の概要はここまでで、以下、当日の様子をご紹介したいと思います。
さて、当日は前述のように送迎バスに乗るためにビクトリア駅を12時46分に出る電車に乗りました。13時45分頃にルイスにつき、14時頃にはグラインドボーンに到着する寸法です。
ちなみに開場は16時5分。待機時間が2時間あります!
この1時間後の13時45分頃にロンドンを出る電車にも送迎バスが接続しますので、時間がない方はそちらを選ぶこともできます。
が、正直2時間退屈することはありませんでした。
こちらがルイス駅。
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小さな駅ですが、一応コーヒーショップはあるのでサンドイッチぐらいは買えます。
昼食を用意してなかったのでここでサンドイッチを買いました。
そして、専用の送迎バスに乗り込む人々。
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ルイスの街は古い建物も多く、単独で観光に来ても面白そうでした。
バスに乗って約15分ほどでグラインドボーンに到着!
バスを降りて芝生に向かう人々です。
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ここでこの音楽祭の独特な雰囲気その1
男性が(ほぼ)みんなブラックですよね?
そう、基本的にこの音楽祭のドレスコードはBlack tieなのです!
ブラックタイとはタキシードのこと。
ただ、近年は厳密にタキシードでないとダメ、というほど厳しくはないのですが、この日は涼しかったこともあってか、9割以上の男性がタキシードor民族衣装だったかと思います。
自分はタキシードなんてもってないし、買っても日本では絶対に着れないのでいろいろ悩んだあげく、持ってるスーツの中で一番フォーマルっぽいモノに光沢のあるワイシャツ、黒い蝶ネクタイで参加してきました。
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ちと恥ずかしいけど自分の様子…。
襟の形やシルク素材がどこにもないので違和感はちょっとあるんですけど、まぁギリギリ浮いてなかったと思います。似たような格好の人は他にもいましたし。
周り見てたらタキシードほしくなりましたけどね。
ちなみにスコットランド民族衣装のキルト+ポシェットの人は1人か2人いました。
タータンチェックのパンツをはいてる人はもっと多く、若者を中心に数人見ました。
他にも黒だけじゃなくて、パーティーの司会みたいな白や赤、ベルベットのタキシードもいました。一見黒なのに、よく見ると模様がびっしり織り込んであるタキシードとか、衣装を見るだけでも楽しいです。
この衣装は現地で着替えても良いのですが(着替え室がある)、大半の方はビクトリア駅の時点で既に着ています。
一目でグラインドボーンにいくんだってわかるんで、ありがたいですね。
ついて行けばいいんで。
そして、独特な雰囲気その2
この格好で皆さんピクニックをするのです!
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ピクニックと言っても芝生に直接シートを敷く人は少数派で、椅子とテーブル+テーブルクロスです。
これらのグッズはもちろん持ち込めますが、グラインドボーンでも貸し出しています。
サンドイッチ等も準備してくれます。もちろん全部有料で要予約ですが。
自分はさすがに1人でこんなことをする勇気はなかったので、駅で買ったサンドイッチを頬張っただけですが。
あちこちからスパークリングワインを開けるポンポンという音が聞こえてきて楽しそうでした。
雨が降ったらちゃんと屋根がある場所が確保されていますし、ピクニックしない人向けにも軽食やアフタヌーンティーがいただけるレストランもあります。
他にも、時間までの間はお庭を散策できます。
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だいぶ花は散っていましたし、芝生は連日の暑さと雨のなさで禿げてますが。
敷地内には川もあり、睡蓮が咲いていました。
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睡蓮は遠かったので手前のマーガレットをメインに。コレも終わりかけですが。
他に、オルガンルームという当初音楽祭が開催されていた建物も公開されています。
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そして、こちらが現在オペラが上演されるオペラハウス。
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2階、3階のビニールが張ってある場所が雨天時のピクニックエリアです。
右側の白いひさしの下にはバーや売店がありますので、そちらを冷やかすのもあり。
バーの飲み物はさすがに予約不要です。
16時5分になると、ベルが鳴り中には入れるようになります。
手荷物はハンドバッグサイズぐらいしか持ち込めないので、その他はクロークに預けます。
ピクニック道具は皆さん置きっぱなしのようでした。
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会場の様子はこちら。
自分の席は最上階の立ち見というかなりイケテナイ場所だったのですが、全体を見渡すには良い場所でした。
この日の演目はヘンデルのオペラ「エジプトのジュリアス・シーザー」。小規模編成の演奏でチェンバロが主体の華やかな雰囲気のある素敵な演奏で、歌の方も素晴らしかったです。
このオペラ、男性が6人出てくるんですけどソプラノ1人、アルト3人、バリトン1人、バス1人という超高音編成。
もちろん、普通の男性にソプラノやアルトが出るわけはなく、本来はカストラート(去勢男子)が指定されていたようです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/カストラート
もちろん現在はカストラートなんていませんので、女性が男装した方が2名(ズボン役という)、カウンターテナー(裏声で歌う)の男性が2名でした。
1幕が終わると30分程度のインターバルがあり、2幕目が終わると今度は1時間30分の長いインターバルがあります。
このとき、時刻は19時。そう、夕飯の時間なのです。この長時間インターバルのために始まりが16時30分なんて早めの時間に設定されているのです。
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レストランへ向かう人々。
レストランは3軒あり、既に注文も支払いも済ませてあるので、席について食べるだけです。
受付で名前を言うと番号が伝えられて、その番号札のついた席にいくと既に前菜と飲み物が並んでいました。
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白ワインはや水はしっかり冷えていて温度管理もバッチリでした。
前菜を食べるとメインがやってきます。
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メインはチキンにしました。
前菜、メイン、ワインともになかなかおいしくて満足でした。
自分は2コースにしましたが、デザートのついた3コースもあります。
食後のコーヒーor紅茶は含まれています。
今回のレストランは比較的フォーマル度の高い店でしたが、もっとカジュアルなビュッフェスタイルのお店なんかもあります。
カジュアルっていっても、みんな正装してるわけですが。
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食事を食べてちょっと周りを歩いていると割とあっという間に時間が過ぎます。
最後の3幕を見て、終了時刻は21時45分。
駅に向かう送迎バスは22時に出るので、急いで向かいました。
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無事22時21分のロンドン行き直通の最終電車に乗り込み23時30分頃に到着しました。
乗客の大半はグラインドボーン帰りなので、電車の中も少し異様な雰囲気でしたけどw
ということで、長くなりましたが少しでもこの音楽祭の雰囲気が伝われば嬉しいです。
半日たっぷりフォーマルな雰囲気と良い音楽に浸って非日常が体験できる”お祭り”として、とても面白いグラインドボーン。
夏にイギリスを訪れる方は1度行ってみてはいかがでしょうか。
映画やテレビの世界に入ったような気分になれます!服の準備が大変ですけど。
Glyndebourne Festival Operaとは、イギリスはイースト・エセックス州のグラインドボーンで毎年5月~8月に開催される音楽祭です。
このグラインドボーン音楽祭は、資産家のジョン・クリスティが1934年に始めたもので、元々は氏がオペラ歌手の女性と結婚したことから、屋敷内で毎年友達を呼んでオペラを鑑賞していた…という、庶民には縁遠い背景があります。
現在もこの音楽祭はクリスティ家によって敷地内に建設された1,200席のオペラハウスで開催されており、一般庶民もチケットを買えば自由に参加できます。
しかも、この歴史的な経緯からとても独特な雰囲気を持っているのです。
音楽祭参加の概要をご紹介いたしますと、まず、チケットを公式サイトから購入します。
https://www.glyndebourne.com/
チケット代は一番高い席は260ポンドぐらいだったので、ロイヤルオペラハウスのオペラとさほど変わりません。
が、安いチケットはあまり存在せず、最低でも130ポンドぐらいはするようです。
次にチケットを確保したら食事のことを考えなければなりません。
グラインドボーンは郊外にあるお屋敷なので、周りは何もありません!
が、心配は無用。ちゃんと屋敷の敷地内に3軒のレストランがあります。
3軒とも食事だけで5~60ポンド程度です。ワイン等飲むのであれば都度加算ですが、予約は必須で会計は予約時に事前にすませなければいけません。
飲む量も自分で予想して注文しないと、たぶん追加できません。
最後に足です。
グラインドボーンの最寄り駅はLewes(ルイス)というLondon Victoria駅から電車で1時間ほどの場所にあります。
ルイス駅からグラインドボーンまでは6kmほどあるのですが、無料の送迎バスが出ています。
公式サイトにこの送迎バスが接続する電車が案内されているので、行きはその電車に乗ればOKです。帰りも終電に間に合うようにバスが出ます。
ということで、音楽祭の概要はここまでで、以下、当日の様子をご紹介したいと思います。
さて、当日は前述のように送迎バスに乗るためにビクトリア駅を12時46分に出る電車に乗りました。13時45分頃にルイスにつき、14時頃にはグラインドボーンに到着する寸法です。
ちなみに開場は16時5分。待機時間が2時間あります!
この1時間後の13時45分頃にロンドンを出る電車にも送迎バスが接続しますので、時間がない方はそちらを選ぶこともできます。
が、正直2時間退屈することはありませんでした。
こちらがルイス駅。
小さな駅ですが、一応コーヒーショップはあるのでサンドイッチぐらいは買えます。
昼食を用意してなかったのでここでサンドイッチを買いました。
そして、専用の送迎バスに乗り込む人々。
ルイスの街は古い建物も多く、単独で観光に来ても面白そうでした。
バスに乗って約15分ほどでグラインドボーンに到着!
バスを降りて芝生に向かう人々です。
ここでこの音楽祭の独特な雰囲気その1
男性が(ほぼ)みんなブラックですよね?
そう、基本的にこの音楽祭のドレスコードはBlack tieなのです!
ブラックタイとはタキシードのこと。
ただ、近年は厳密にタキシードでないとダメ、というほど厳しくはないのですが、この日は涼しかったこともあってか、9割以上の男性がタキシードor民族衣装だったかと思います。
自分はタキシードなんてもってないし、買っても日本では絶対に着れないのでいろいろ悩んだあげく、持ってるスーツの中で一番フォーマルっぽいモノに光沢のあるワイシャツ、黒い蝶ネクタイで参加してきました。
ちと恥ずかしいけど自分の様子…。
襟の形やシルク素材がどこにもないので違和感はちょっとあるんですけど、まぁギリギリ浮いてなかったと思います。似たような格好の人は他にもいましたし。
周り見てたらタキシードほしくなりましたけどね。
ちなみにスコットランド民族衣装のキルト+ポシェットの人は1人か2人いました。
タータンチェックのパンツをはいてる人はもっと多く、若者を中心に数人見ました。
他にも黒だけじゃなくて、パーティーの司会みたいな白や赤、ベルベットのタキシードもいました。一見黒なのに、よく見ると模様がびっしり織り込んであるタキシードとか、衣装を見るだけでも楽しいです。
この衣装は現地で着替えても良いのですが(着替え室がある)、大半の方はビクトリア駅の時点で既に着ています。
一目でグラインドボーンにいくんだってわかるんで、ありがたいですね。
ついて行けばいいんで。
そして、独特な雰囲気その2
この格好で皆さんピクニックをするのです!
ピクニックと言っても芝生に直接シートを敷く人は少数派で、椅子とテーブル+テーブルクロスです。
これらのグッズはもちろん持ち込めますが、グラインドボーンでも貸し出しています。
サンドイッチ等も準備してくれます。もちろん全部有料で要予約ですが。
自分はさすがに1人でこんなことをする勇気はなかったので、駅で買ったサンドイッチを頬張っただけですが。
あちこちからスパークリングワインを開けるポンポンという音が聞こえてきて楽しそうでした。
雨が降ったらちゃんと屋根がある場所が確保されていますし、ピクニックしない人向けにも軽食やアフタヌーンティーがいただけるレストランもあります。
他にも、時間までの間はお庭を散策できます。
だいぶ花は散っていましたし、芝生は連日の暑さと雨のなさで禿げてますが。
敷地内には川もあり、睡蓮が咲いていました。
睡蓮は遠かったので手前のマーガレットをメインに。コレも終わりかけですが。
他に、オルガンルームという当初音楽祭が開催されていた建物も公開されています。
そして、こちらが現在オペラが上演されるオペラハウス。
2階、3階のビニールが張ってある場所が雨天時のピクニックエリアです。
右側の白いひさしの下にはバーや売店がありますので、そちらを冷やかすのもあり。
バーの飲み物はさすがに予約不要です。
16時5分になると、ベルが鳴り中には入れるようになります。
手荷物はハンドバッグサイズぐらいしか持ち込めないので、その他はクロークに預けます。
ピクニック道具は皆さん置きっぱなしのようでした。
会場の様子はこちら。
自分の席は最上階の立ち見というかなりイケテナイ場所だったのですが、全体を見渡すには良い場所でした。
この日の演目はヘンデルのオペラ「エジプトのジュリアス・シーザー」。小規模編成の演奏でチェンバロが主体の華やかな雰囲気のある素敵な演奏で、歌の方も素晴らしかったです。
このオペラ、男性が6人出てくるんですけどソプラノ1人、アルト3人、バリトン1人、バス1人という超高音編成。
もちろん、普通の男性にソプラノやアルトが出るわけはなく、本来はカストラート(去勢男子)が指定されていたようです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/カストラート
もちろん現在はカストラートなんていませんので、女性が男装した方が2名(ズボン役という)、カウンターテナー(裏声で歌う)の男性が2名でした。
1幕が終わると30分程度のインターバルがあり、2幕目が終わると今度は1時間30分の長いインターバルがあります。
このとき、時刻は19時。そう、夕飯の時間なのです。この長時間インターバルのために始まりが16時30分なんて早めの時間に設定されているのです。
レストランへ向かう人々。
レストランは3軒あり、既に注文も支払いも済ませてあるので、席について食べるだけです。
受付で名前を言うと番号が伝えられて、その番号札のついた席にいくと既に前菜と飲み物が並んでいました。
白ワインはや水はしっかり冷えていて温度管理もバッチリでした。
前菜を食べるとメインがやってきます。
メインはチキンにしました。
前菜、メイン、ワインともになかなかおいしくて満足でした。
自分は2コースにしましたが、デザートのついた3コースもあります。
食後のコーヒーor紅茶は含まれています。
今回のレストランは比較的フォーマル度の高い店でしたが、もっとカジュアルなビュッフェスタイルのお店なんかもあります。
カジュアルっていっても、みんな正装してるわけですが。
食事を食べてちょっと周りを歩いていると割とあっという間に時間が過ぎます。
最後の3幕を見て、終了時刻は21時45分。
駅に向かう送迎バスは22時に出るので、急いで向かいました。
無事22時21分のロンドン行き直通の最終電車に乗り込み23時30分頃に到着しました。
乗客の大半はグラインドボーン帰りなので、電車の中も少し異様な雰囲気でしたけどw
ということで、長くなりましたが少しでもこの音楽祭の雰囲気が伝われば嬉しいです。
半日たっぷりフォーマルな雰囲気と良い音楽に浸って非日常が体験できる”お祭り”として、とても面白いグラインドボーン。
夏にイギリスを訪れる方は1度行ってみてはいかがでしょうか。
映画やテレビの世界に入ったような気分になれます!服の準備が大変ですけど。
お庭も広くて綺麗で、「ヨーロッパの本当の金持ち」ってやつでしょうかね
興味深い記事をありがとうございました