たろーのインドネシア生活(準備編)

ストライキ事情

2018/05/18 19:00 投稿

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注意:この記事は途中からお酒を飲みながら書きました。気になる内容等は出典を明記していますので、再度ご確認ください。

ヨーロッパを旅行する際に遭遇する思わぬ事故の中で最も遭遇しやすいモノのひとつのがストライキ。
現在もノルウェー政府が運営する公共放送局(Norwegian government-owned radio and television public broadcasting company (NRK))が、ノルウェー国内で最も大きなイベントのひとつである憲法記念日のまっただ中にストライキを敢行して、イベントの中継を(たぶん)放棄しました。

が、特にフランスは某動画投稿者に「フランスといえばストライキ、ストライキといえばフランス」と呼ばれるほどストライキが名物となっています。
現在も4月~6月という3ヶ月間もの長期にわたって、SNCF(フランス国鉄)が絶賛ストライキの真っ最中で、週3日ほど間引き運行になっています。

このニュースを見て、「日本の労働者はおとなしすぎる。もっと待遇改善のためにストライキをするべきだ!」との感想を抱く方もいるかもしれませんが、そんなに簡単な話でもないような気がしますので、(わかる範囲で)補足したいと思います。

まず、フランスを含むヨーロッパ各国のストライキの状況をILO(国際労働機関)の統計ページをもとにグラフ化してみました。
http://www.ilo.org/ilostat/

縦軸はストorロックアウトが発生した総日数(おそらく影響した労働者数をかけ算)です。
(統計上の名称はDays not worked due to strikes and lockouts by economic activity)
フランスの2013年、2015年、2016年、日本の2014年以降のデータは欠損しています。
コレを見ると、フランスがめちゃくちゃ多いことがよくわかりますが、スペインも同様にかなり多いことがわかります。
しかし、そのフランスも2011年と2012年は他の国よりも少ないことがわかります。
また、日本はストが少ないことで有名ですが同様にスイスやドイツなど、同じヨーロッパでもほとんどストがない国も存在しています。(ドイツはたまに盛り上がってますが)

次に輸送部門(Transportation and Storageなので、厳密には人と物の輸送と倉庫業)のスト日数を見てみましょう。
前のグラフの内数ですが、比較しやすいように縦軸のスケールを合わせています。

同じくフランスの2013年、2015年、2016年、日本の2014年以降のデータは欠損です。
こちらはご覧の通り、フランスが圧倒的です。
というか、前のグラフとじっくりにらめっこしてみると、フランスのスト日数が大幅に伸びている年(2009、2010とちょっと2014)は、明らかに輸送部門の影響であることがわかります。ちなみに2010年は実に総スト日数の35.5%が、2014年は48.8%が輸送部門です。

つまり、フランスのストは旅行者に直接影響しやすい輸送部門が派手なストをやるために特に印象に残りやすいようです。
某投稿者さんの、「SNCF(フランス国鉄)こそストの象徴」という表現は実に正しいということができます。(あとエールフランスも)
また、2015年のドイツのスト日数も主に輸送部門が原因であることがわかります。

参考にスケールを落として見やすくした輸送部門のスト日数を貼っておきます。



さて、そんなに労働者が強いフランスですから、さぞかし労働組合が頑張っているのだろうと思います。そこで、各国の労働組合組織率を比較してみましょう。
グラフは2015年の組織率(Trade union density rate)、縦軸の単位は%です。


なんと、フランスの組織率は日本の半分にも満たない8%弱となっています。
BBCによりますと、「フランスは組合組織率がEUの中で最も低い国の一つ」なのです。
http://www.bbc.com/japanese/43624958
だからこそ、ストがおきてもそれなりの数の電車や飛行機を(一応は)運行できるということなんだと思います。

しかし、10%以下の労組によって引き起こされたストが本当に一般市民の支持を得ているのか?という所には謎が残ります。
自分としては、ストがもし一般市民から十分な支持を得ているなら、実際にストに参加する組合員の構成割合はもっと高くてもおかしくないのではないかと思います。
ここからは想像ですが、仮にも運行に影響を与えている以上、数パーセントしかいない構成員の中には、パイロットや運転士など、いわゆる「労働貴族」に属する人々がそれなりに含まれていて、彼らが中心にストをやっているのかもしれません。
現にエールフランスのパイロットは業界平均よりもかなり賃金が高いという記事もしばしば目にします。(下記の記事はUSのパイロット平均より27%高いと書いてある)
https://www.careerbliss.com/air-france/salaries/pilot/

また、組織率が低いため、必ずしもストが政治的な影響を与える結果になっていないこともあります。
先のBBCの記事によると「昨年9月のストは、採用や解雇をより容易にするという、マクロン氏が推進する法案の可決阻止を狙っていたが、法案は成立した。」となっており、少なくとも立法過程において、労働組合の主張は国民の支持を得ているとは言えないようです。


ということで、まとめてみると
・ヨーロッパはストが日本に比べて多いのは事実だが国による
・フランスのストは輸送部門の影響が大きい
・これら輸送部門のストが一般市民の支持を得ているかは不明
かな、と思います。

なので、日本がフランスのまねをしてJRや私鉄がストをやっても、やはり一般市民から支持が得られるとは考えづらく、他産業への広がりも期待できないことを考えると、単純にまねても意味がないのではないかと思いました。
まぁ、もっと労働者がしっかりと声を上げるべき業種があることは事実だと思いますが。

まだしっかり読んでませんが、このレポートも面白そうでしたので参考にご紹介いたします。
労働政策研究報告書
http://www.jil.go.jp/institute/reports/2013/0157.html

ストに悩む某動画さんの動画


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