たろーのインドネシア生活(準備編)

ヨーロッパ陶磁器あれこれ

2018/03/27 19:00 投稿

コメント:2

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パリ旅行記事の途中ですが、Windsor(ウィンザー城)にいってきまして、食器がいっぱい展示されていたので、ちょっと覚え書きついでにアレコレ書いてみたいと思います。
相変わらず裏をとっていない情報も多いので間違ってたら教えてください…。
(超長いです)

軽く歴史をご紹介しますと、ヨーロッパでは、中国(や日本など)から伝来した美しく白い磁器に憧れて、自分たちで作成を始め、18世紀になり、ついに現ドイツのマイセンで白磁を作ることに成功しました。
その後、マイセンからフランスのセーヴルに技術が伝来し、セーヴルからリモージュへと広がりました。
イギリスでは残念ながら、この白磁を作るためのカオリンが見つからなかったので、牛の骨灰を混ぜて焼くボーンチャイナという磁器が発明されました。

で。
ウィンザー城のState Apartment(招待客用のエリア)の最初の部屋は王室が集めた大量の食器の一部を展示するミュージアムになっていましたので、そちらを紹介しながらこれらヨーロッパ磁器がどうなっていったのかをご紹介したいと思います。
なお、建物内はすべて撮影禁止となっていますので、Royal Trustのサイトからリンクを貼っています。


Meissen(マイセン)とSèvres(セーヴル)
この2つに関しては先に説明したとおりでして、さすがはヨーロッパ最初期の磁器工房で今でも超高級品で知られています。
マイセン:

https://www.royalcollection.org.uk/collection/search#/11/collection/5000106/tea-and-coffee-service

セーヴル:
https://www.royalcollection.org.uk/collection/search#/7/collection/36094/assiettes-part-of-the-louis-xvi-dinner-service

どちらも、生産量が少なく入手は困難ですが、マイセンはたまーに百貨店で展示&受注会があります。
値段の記憶はかなりおぼろげですが、ほぼ真っ白のカップ&ソーサーが1組で数万円、柄がしっかり入ってると数万~20万円、派手派手になると50万円ぐらいの品もあったような気がします。

セーヴルに至っては、基本的に顧客がフランス政府のため、未だかつて日本で新品が流通しているのを見たことがありません…。
セーヴルの街に行けば売ってるんでしょうか?
濃いブルーがとても印象的ですが、このブルー以外にもターコイズに近いブルーやピンクもありました。



Royal Copenhagen(ロイヤル・コペンハーゲン)のFlora Dnica(フローラ・ダニカ)シリーズ。
https://www.royalcollection.org.uk/collection/search#/19/collection/5000085/the-flora-danica-service
ロイヤルコペンハーゲンといえば、言わずと知れたデンマークの陶磁器工房で、日本でもブルーの絵柄でめちゃくちゃ、本当にめちゃくちゃ人気です。
でも、実際にデンマークで作られている食器は、このフローラダニカ以外にはありません。
数年前まではフルレースのBlue Fluted(ブルーフルーテッド)はデンマーク製でしたが、今ではお値段そのままで、製造がタイに移管しています。イヤープレートもタイ製のはずです。
そもそも、今では王立でもなく所有企業はフィンランドのフィスカース社です。

https://www.royalcollection.org.uk/collection/search#/24/collection/58003/flora-danica-tray
しかし、このフローラダニカの食器は本当に見事で、超精緻な植物と金細工が施された縁の装飾はクラクラします(笑
まぁ、植物図鑑がテーマなので根っこが書いてあったりと若干食べ物を置くお皿としてはどうなのよ?感はありますが。

そして、このフローラダニカは日本でも割と容易に購入することができます。
一部の百貨店には普通にありますし、ロイヤルコペンハーゲンの直営店でも注文できます。
基本的には年間の生産量が決まってますので、毎年注文を受け付けている期間に注文をして、その後できあがったら引き取る、といった形だったと思いますが、日本橋三越あたりは独自で注文していて、少し在庫を持っていた記憶があります。
ちなみに植物の種類はめちゃくちゃ大量にあったはずなので、同じ絵柄でそろえるモノではないです^^;
値段は、カップ&ソーサーが1組で30万円ぐらい。


Wedgwood(ウェッジウッド)のJasper ware(ジャスパー・ウェア)シリーズ。
https://www.royalcollection.org.uk/collection/search#/5/collection/43803/shepherd
なぜか食器の画像がなかったのでレリーフですが…。
というか、自社サイトでやたら王室御用達っていってる割にはテーブルウェアはたいしたモノが出てこないぞ?。
(トラストに移管するような芸術品ではなく、日常遣いなのかもしれませんが)
言わずと知れたボーンチャイナを製造する超有名メーカーの超有名シリーズ。
ですが、ぶっちゃけ自分の好みではないです…。


ウェッジウッドは、お値段も手頃で割と気軽に買えますが、製造国は様々です。
一部UK産もあるのですが、シリーズごとに産地が決まってるのか製品ごとにバラバラなのかも忘れましたが(あまり興味がない)、ヨーロッパ圏からアジアまで、様々ところで製造されてますので、気になる場合は購入前に確認した方が良いと思います。
ちなみに手描きの製品はなく、すべてプリントだったと思います。
カップ&ソーサーが1組で数千円~1万5000円ぐらいです。
親会社はロイヤルコペンハーゲンと同じくフィスカース社。


Rockingham Works(ロッキンガム工房)のThe Coronation Service (戴冠式セット)。
現存しない会社です。
https://www.royalcollection.org.uk/collection/search#/2/collection/5000040/the-coronation-service
オーディオガイドでも特別に解説されるぐらい、非常に豪華で見栄えのする食器だったのですが、完成までに8年かかり、発注したウィリアム4世の戴冠式には間に合わず、王の死後、次のビクトリア女王の戴冠式に完成したとか^^;
結局、製造に時間がかかりすぎたことで資金が回らなくなって倒産したそうです…。
そういう意味でも超貴重。


Flight Barr & Barr(フライト・バー & バー)
https://www.royalcollection.org.uk/collection/search#/2/collection/58393/dessert-plate-part-of-the-coronation-service
この会社も今はほぼ存在しません。合併の結果、名前をいろいろと変えて最終的にRoyal Worcester(ロイヤル・ウースター)となったあげく、経営難のため全ての職人を解雇して製造を海外 or 国内で人件費の安い新人を雇って再出発。
それでも経営が立ちゆかなくなり、ロイヤルウースターの名前と知的財産をPortmeirion(ポートメリオン)売り渡してウースターにあった工房を閉鎖しました。
当時働いていた職人がどうなってるかは知りませんが、実質的に中身は別物と考えて良いかと思います…。
とても美しいだけに残念です。


Chelsea Porcelain Works(チェルシー磁器工房)
https://www.royalcollection.org.uk/collection/search#/3/collection/5000031/the-mecklenburg-dinner-and-dessert-service
この会社も今は9割ぐらい存在していません^^;
ロンドンのチェルシーにあったこの工房はダービーに移り、ダービー陶磁器工房と合併し、最終的にRoyal Crown Derby(ロイヤル・クラウン・ダービー)になりました。

このロイヤルクラウンダービーも所有者がコロコロと変わり、一時期、ウェッジウッドやロイヤルドルトンと同じ経営母体だったものの、いろいろあって結局2016年に再度独立を果たし、現在はどこの傘下にも入っていません。
脱退後にウェッジウッドとロイヤルドルトンはまとめてフィスカース社に買収されたので、未だ残る数少ない英国資本の工房で、かつ英国のダービーでのみ製造しています。(他にはバーレイも英国のみ?(よく知らない))

ダービーにある博物館には、未だにチェルシー工房のコレクションも展示されているそうなので、精神は残ってる…かもしれません^^;
ま、ロイヤルクラウンダービーの製品も基本的にはプリントばっかりなんですけどね…。
お値段は、日本だとカップ&ソーサーで1組が3万円強です。


Fürstenbergフュルステンベルク
https://www.royalcollection.org.uk/collection/search#/18/collection/5000011/pieces-from-a-dinner-and-dessert-service
最後にドイツの工房のセットをご紹介したいと思います。
この会社はウィンザーで見るまで全く知りませんでしたが、ドイツでマイセンにつぐ2番目に古い工房で、未だに現役だそうです。
その名の通り旧西ドイツのフュルステンベルクという街にあるのですが、めちゃくちゃ田舎で、ドルトムントから電車で2時間半以上かかるようです…。

サイトを見る限り、今はもうあまり高級なモノは作っていないようで、基本的にはプリント製品、カップ&ソーサーが数十ユーロ~120ユーロ程度なので、日本で売るとすれば15,000円~3万といったところでしょうか。
その割にはデザイン的に現代風のモノが多く、日本人好みのモノが少ないのでちょっと厳しいかな…という印象ですね。
今回の旅行では余裕がないのですが、こっちにいる間に1回ぐらい行ってみたい気もします(笑


ということで、ざっとご紹介してみましたが、だいたい3パターンですね。
・強力なブランド力を武器に生産数を絞り値段をあげる
・そこまでの値段ではないけど、製造コストを落として広く儲ける
・海外製造にせず、なんとか頑張る
コストパフォーマンスでいうと、間違いなく海外製造にした方が良くなるので、ヨーロッパ産であることをウリにするしかないものの、そこまで強力なブランド力があるわけでもない、という、3番目がたぶん一番厳しいんでしょうね…。

製品が買えなくなってしまったり、会社が完全につぶれてしまうと元も子もないわけで、そういう意味ではロイヤルコペンハーゲンの通常製品の広い利ざやで利益を確保しつつ、超高級品も引き続き広い販路で売る、というスタイルは悪くないと理解できますが、なんとも寂しい気がするのも事実であります。
モノを作るということは車でも磁器でも同じことで、○○でしか作れない、なんてものはドンドン少なくなるわけで、その前提に立つと、やはり日本が製造業に固執するのも厳しいんじゃないかなぁ、などと余計なことまで考えてしまいます。

ちなみに、私がこれだけの記事を書いておいて、さぞや大量の食器を持っていることとお思いかもしれませんが、実は上記のブランド食器などは1枚も持っていないどころか、まともな洋食器などカップ&ソーサーを1組買ったことがあるだけだったりします。
しかも、それは実家においてあるので、普段は和食器かマグカップしか使っておらず、上記の内容は完全に無駄知識であることを記して記事を締めたいと思います。書くのに3時間かかったので明日以降、サボルかもしれません。

ちなみに唯一買ったのは大倉陶園です(日本かよ!)。
(あと、ダービーでB級品のマグカップは買ったけど)

ここまで長文をお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

ゆう
No.1 (2018/03/31 08:26)
そういえばなんですけど、この間ストークオントレントのWedgwoodのアウトレットに行った時に、World of Wedgwoodという所(ミュージアムやカフェでアフタヌーンや展示品があったり)に寄ったのですが、エリザベス女王に寄贈されたWedgwoodジャスパーのティーセット、さすが一般に売られているものと装飾が違くて、所々に金が入っていたり、ちょっと装飾凝ってたり、で値段が1客ウン十万、ケーキスタンドは100万円でした・・・娘がチョロチョロ走り回るので、壊しでもしたらどうしようと終始落ち着かない感じで見てきました!
王室の方々って普段からそんな高いティーセット使ってるのかしら・・・私なら恐ろしくてゆっくり茶も飲めないわと思いましたw
たろー (著者)
No.2 (2018/04/01 05:23)
>>1
おお、ウェッジウッドもちゃんと工場に行けばそういう商品も置いてあるんですね。
なんだかんだで、ストークオントレントは好みのブランドがあるかわからなかったので行ってないんですよね。
運転免許が取れたら行ってみようかなぁ…。
高価な食器は使わないで飾っておくのももったいない気がしますし、かといって使って壊すのも恐ろしいですし悩ましいですね(笑
金銭感覚がだいぶ違うんだとは思いますが^^;
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